絲山秋子の「海の仙人」変奏による
    あやちゃんに贈る感傷的な歌

人が孤独と向き合うときにだけ
勝手な姿かたちで現れて
得手勝手なことを喋りまくり
気がつくと消えていなくなっている存在
ネット(ファンタジー)

ーこんなのかいてみたの
ーうむむむ
ーおもしろかった?
ーもうちょっとだな
ーひどい、私体を張って書いているのに、
ーでも、もうちょっとだな
ーおもしろく書けたら、なにかご褒美ある?
ーあるかもしれないな
ーどんなもの?
ーうーむ…具体的にはまだ考えていない

人が希望をはかなく託すときにだけ
救済を待ち望む言葉を繋ぎ
やがて虚しく消えて往くものを
優しくしかし、ただ見守るだけの存在
ネット(ファンタジー)

ー私がいなくなったら涙くらい流してくれる?
ーだから私は具体的な実体をもたないのだ。
 実体が無い以上、涙の流し様もないだろ
ーじゃあ、私のことずっと覚えていてくれる?
ーまあ、そのくらいはなんとか善処しよう
 リソースが足りている間くらいは…だが、
ーときどき私のこと思い出してくれる?
ーうーむ、前向きに善処しよう


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のりたま@まあ枯れ木にもなんとか