成岡@DTI静岡です。

 最近(でもないか)のマンガの中の外国語会話表現として「書体を変える」が
ありますね。これについてちょっと興味深いネタを見つけました。

 現在NHK教育TV「人間大学」で日本語について考える講座を放送していま
すが、その中でひらがなやカタカナの成立と日本語の起源を絡めた話がありまし
た。ここで興味深かったのは、ひらがなは漢字を崩して書いたものを更に省略し
て作られたということはみなさんご存知だと思いますが、それ以前としてひらが
な成立当時は漢語はきちんと楷書で書く一方万葉仮名による倭語は少し崩して
書くのが一般的だったのだそうです。つまり書体を見れば漢語(当然外国語)か
倭語か一目で区別できたんですね。というわけで外国語表現として書体を変える
ということは奈良時代から行われていたわけです。妙に感心してしまいました。



 蛇足ながら。カタカナは元々漢文を読み下す為の“補助記号”として作られた
のでカタカナで外国語を表現するのは理にかなっているわけですが、同じ省略形
でありながらひらがなはやわらかい書体なのに対してカタカナは角張っているの
も、上記により「漢語を表現する為」なのできちんと角張って書いたからのよう
です。

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        成岡@DTI(ynaru@jade.dti.ne.jp)