中東で行われている殺戮を見ると自衛権と言う言葉がむなしく感じる。
 全ての戦争は自衛権の行使と言う名目で行われて来た。
 今回の作戦も自衛権の行使らしい。少なくともイスラエルとアメリカはそう言っている。

 人は恐怖から、想像以上に無情になれるらしいが、正にアラブ諸国に囲まれて何時何が起きても不思議では無い環境下にあるイスラエルと中東政策に失敗したアメリカは、反撃を恐れるあまり、アラブ諸国の民族を一人残らず殺戮してしまうつもりらしい。
 
 ナチスドイツの迫害、民族浄化の洗礼を受けたユダヤ民族は本来痛みを知っている筈だが、白欧主義の目で見ればアラブ諸国の民族は人類には見えないらしい。
 黄色い肌に生まれた極東にある国は、地中海の真珠と言われた街が血に染まり、シリアやヨルダン、イランが参戦するに至っても、口先だけの停戦を唱え続けるのだろうか?。
 現状が続けば、イスラエルに隣接する国、イスラム教国は応戦せざるを得ない事態になると思う。

 この場合最も被害を被るのは、イスラエルだけで無く、中東諸国からの移民を受け入れた国は国内の治安は悪化し、産業が機能しなくなるだろう。 フランスが議長国としてだけでなく、この事を切実に感じていると思う。 EC諸国、特に旧EEC諸国は過去の植民地政策の亡霊に魘される事だろう。

 結果としてアメリカとECの亀裂は鮮明になり、アメリカの影響力は極度に低下し、今まで無関係だった中国の中華主義が華開く事になるだろう。

 自らの力を過信したか、判断の能力を失ったアメリカは平気でダブルスタンダ−ドで対応し、信頼を失い、今回のイラクでの敗戦に続き大きな敗北に見舞われるだろう。パレスチナで流された血の代償としては未だ少ないかも知れない。

 我々はガソリンが高くなるだけで無い事を認識し、真剣に考える必要がある。