教科書に意義アリ!
(問題) 水平な床、と、垂直な壁があって剛体棒が斜めに立てかけて在る。壁と棒との間の摩擦係数は0で、床と棒との間の摩擦係数はμであるとする。壁と棒とのなす角度を大きくしていくとθになると棒はすべりおちた。μの値をθを用いて表せ!
この問題の一般的解法は良く知られていて、答えはtanθ/2だ!
だが動かない壁が棒を無条件に押すわけがナイ、などの細々とした配慮に欠ける無神経な解き方である・・
壁と棒の接点を点A、棒と床の接点を点B、としてみたまえ!
さらに棒の重さをWとする。重力が原因で点A・点Bとに作用する力はいずれも鉛直下向きにW/2であろう!
点Aにおいて、その力は壁を垂直にWtanθ/2で押す力と、棒を縮める方向にW/2cosθに分かれる。(根拠は他に力が作用する方向がナイからである)
棒はフックの法則より、その力の反作用を壁に及ぼそうとするが壁は力を斜めに受けることはナイので、棒内部で鉛直上向きにW/2の力と水平に壁を押す向きにWtanθ/2とに分かれる。
棒は鉛直方向にはつりあい、水平方向には垂直に壁を押して壁からの反作用を受ける。都合、点Aでは水平方向にはWtanθの力のやりとり(作用反作用)が生じている・・
点Bにおいて、棒が床から受ける重力の反作用は鉛直上向きにW/2であるが、それは、棒を縮める向きにW/2cosθの力と棒を水平方向に動かそうとする向きにWtanθ/2とに分かれる。
棒からの反作用W/2cosθが床を斜めに押す向きに生じる。それは、床を垂直に押す向きにW/2と棒自身を水平方向に動かそうとする向きにWtanθ/2とに分かれる。
1)都合、つりあうために要求される力はWtanθであり、
2)垂直抗力とみなされる力はW、
3)棒を縮める向きの力をさらに分解してでてくる水平方向の力は、接地面が物体に作用している力の水平分力なので摩擦力とみなされる。
4)以上より、μ=tanθであり、従来の問題ある解法のちょうど二倍である!
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Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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