母を整形外科のリハビリに連れて行っている間にカポーティ作の短編小説『クリ
スマスの思い出』を読んでみました。現代小説が陥りがちな登場人物の頻出がな
く訳も上出来で読む価値のある作品でした。作中クリスマスツリーの材料を近く
の森から取ってきてツリーを拵える場面に感銘を受けました。私も正月の飾りと
して門松を作るために竹の幹や松の枝を取ってきたのはいいが田が無いため藁が
手に入らずカバーを作れずポリバケツに突っ込んだことがあり見るもおぞましい
代物ができあがったことがあります。しかし飾りを自分で作ると祝う気持ちが湧
いてきます。すぐに手に入ることは真心を失うことだと思いました。

大城貴紀