帰ってきた、、、

誰もが気付いているんだけど口に出来ない、だが言いたい。そんなことを遠
慮なく書いてみましょうという企画。条件は〈邪〉であること。ただし公序
良俗公衆衛生から“逸脱”しないこと。f.r.animation であること。
                  j.a.pretty  であること。

第39段

 例えばレビュアーズ。人間の女性もいますが、「ヤバいヤツ」として登場
します。代わりに、人間「じゃない」種族で、ほとんど(若しくは部分的に)
人間の女性にしか見えない「異種族の女性」が多く登場します。みなが「胴
体、首に両手両足」とは限りません、タコ(のような何か)もいます。無論
「人間では問題有ることをさせたい」から異種族を用意してるのですが、人
間の女性っぽく描いているのがミソ。人間ではないのですから、倫理や常識
や道徳といったリアルに存在する人間の価値観は一切無用なハズなんですが
(何かあってもサキュバスの血で解決できるし、作りたてのデコイとか作り
たてのパペットとか言えば良い)、「そうはいくか(怒)」とエラい方達の
お怒りを買い、一部の地方局を除いて放送の継続が中断されるという“村八
分”を受けました。この辺りの意見応答はF会が発行している「Fani通2019
下半期」に明るいのでぜひご参照頂きたい。「人外」な作品は昔から有るに
は有りましたが、「なろう」や「転生チート」が台頭してきた辺りからポピュ
ラーになり、「異種族レビュアーズ」はエポックメイキング。
 で、「な〜んや人間じゃなくてもガタガタ言うんか、ユーモアの分からん
しょーもない日本人共め」と嘆く日本の1千万人の〈邪〉な2次元erに一筋
の光明が差すのでございます(べんべん)。発想はレビュアーズとほとんど
変わらない(?)のに。レビュアーズのスタジオよりは大人しいスタジオな
のに。大胆にもより人型に近い体型を用意しこれをサラマンダーに当てがい
(したがって人間じゃない)モロチン女性とし、通常着衣とするも戦闘時に
は“脱装”し、大きな尻尾があり頭には一対の角があり、皮膚は部分的に鱗
に覆われている。火を吐く能力も残ってる。どう見てもサラマンダーだ、人
間の女性の様なサラマンダーだ。

#「サラマンダーの乳房は2つなのか?」と問うてはいけない。

そのサラマンダーが戦場に仁王立ちした。その勇姿にニコニコ民が大歓喜、
そして皆が口々に賞賛した、、、


さぁ皆さんご一緒に

                 /
                /
### ぅお−−−ぃ、ツルツ / やんけ〜〜〜ぃ! 全裸やけど。
              /
             ピ



まぁ、それを言うと「小学5年生にしか見えない20歳女性はどうするんだ」
論に立ち戻るんですが、、、。









おはようございます。
大和郡山のブラストマインダー、麻上 迦楼羅@ZAQ大阪です。


関西地上波限定(一部有線あり)かつ麻上の守備範囲内の作品で、9月から
10月にかけて終了した「テレビ用(一部は配信用)アニメーション作品」の
寸評です。
いつものようにf.r.a 公式採点方式&公式記号方式(バカ)で採点しています。
同じ物を付点再評価・誤字脱字修正したものをFani通の原稿としていま
すが、付点はf.r.a の方がより麻上です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

●『レールガン3期』(毎日放送<TBS系>)
 総合:棄権(開始時評価:3−)
 ストーリー:棄権 ビジュアル:3+ キャスト:3+ 楽曲:3
 個人的評点 OP:3 ED:3          J.C.  STAFF
※1ターンの後半が延期対象 2020年6月期終了予定作品

#う〜〜〜ん……。

 ただし、延期解除後の16話以降に限ると付点が発生します。

総合:3.5+ ス:3.5(以下同じ)

と付記しておきます。運動会(15話まで)見て「あ、だめだこりゃ」と超
速流し見してたんですが、インディアンポーカー観て「潮目が変わった」と
感じた。本書きが冲方さんに変わった途端に俄然面白くなったファフナーみ
たい。これで大規模破壊行為が無かったらスッキリ観易いのに、大規模破壊
行為が無かったら原作者が怒るのかい?カドカワがごねるのかい? 必要な
大規模破壊行為ならまだしも、「それ必要?」な上、「安直な発想」がどう
も気になります。それでも「付点して良いか」と思える程度には面白くなり
ました。確か1期は面白いと思って観てたハズなんだが……。

#これの逆方向を突っ走るのが本家であったり一方通行であったり。

#「ガスホルダー」に気付いたのはえらい(あれは「ガスタンク」ではあり
 ません)。でもあの程度の直視範囲であんなにホルダーが有る訳がないし、
 あっても「学園都市」のあの世界で可燃性ガスに経済活動を依存してると
 はそんなには思えないし(電気には大きく依存してるでしょうが)。二酸
 化炭素は吐きますが加熱源としては電気より優れており、爆発物ですから
 空想のネタにし易いのは分かるんですが、『ガスホルダー』って言うのが
 いかにもリアルの権化ですね。やるんならどこまでもSFに突っ走る方が
 良いと考える。中途半端に現実が混じってるのがこの作品のアジなんです
 けどね、良い意味でも悪い意味でも。

 現存するリアルのガスホルダーが中身が詰まってるとして、たとえ横から
バズーカ打ち込んだとしても、中身の液体ガスが気化して圧力が下がって濃
度が薄くなって適度な温度でないと発火しませんから、画の様に爆発するこ
とはまずありません。あり得るなら、シェルが半分以上爆裂し、液体ガスが
地面に「こぼれて」、「バケツをひっくり返した」よろしく広範囲に拡がっ
たら、氷点下であっても液体ガスは気化します。そこまで変体してガスの蒸
発速度と空気の密度・温度・圧力が釣り合ったら初めて燃焼します。ただし、
蒸発速度で猛烈な上昇気流が発生すると考えられるので、発火しても上空で
すし、恐らく温度が足りないでしょうが。そこまで“儀式”が済んだら地表
で燃焼が起こりますが、その頃には液体ガスが拡散し過ぎて広域に「火の7
日間」となるでしょう。発想は面白いと思うんですが、練りが足りないなぁ。
中途半端にリアルにあるモノ利用すると足引っ張られるよ。ましてガスホル
ダー知ってる一般民なんてそんなにいないんだから。黒色火薬かガソリンみ
たいなモノと考えたんだろうな。

 でですねぇ。寸評書く気になったんで16話から後ろを見直してみたんで
すが。インディアンポーカーが導火線でドッペルゲンガーが話の主旋という
解釈で良いと考えますが、少なくとも「予知」はかなり関連が薄く(無くは
ないが無くても問題無い。少なくとも主目的ではない)、「ピンセット」は
全く関わりが無い、実際ほったらかしだし。「奇縁」も整理できる。スカベ
ンジャーズは「不用」とは言わないが話の整理はできる。

#「余計」な話が多い様に思ったのは麻上だけだろうか。

 そもそも“持ち時間”は10回です、いつもの12or13回ではありませ
ん。「それにしちゃあ余計な話が目立つな」とブツブツ考えていてフとOP
見てたら……。分かった。

3期の後半って、「在庫一掃セール」なんだ。

OP(後半用)の絵になってるキャラが全員本編に出てくるのね、まずこれ
が多い。んで、前半(運動会ね)に出たキャラに最終回で“おさらい”があ
るのよね、全員じゃないですが。「時間足りるかなぁ……」。ラストオーラ
スで変にハサミ入れた様な構成が気になっていたんですが、「キャラ並べる」
ために「時間調整」してた訳ですよ。でも主旋に割く時間を賄い切れなくて、
必要な(麻上は必要と考える)部分をカットする……と。CM明けたら飛行船
落ちてて決着付いてたなんて。感心しないなぁ、しかもアレ後日談じゃない
しなぁ。
 OP絵が本編の足を引っ張ったのならヘッドスタッフの構成力が失敗。短
い時間に多くの絵を押し込もうとして下手こいた。「それ、必要?」ってや
つ。龍雪さんがそんなイージーなミスやらかすとも思い難いんですが、現に
作品はギクシャクしてるし。インディアンポーカー自体もしかり。作中では
伏線回収したことになってるけど(なってるのか? 何者か?は分かったが)、
学園都市から回収or消滅したかどうかは言及されてないんですよね。ジャッ
ジメントも認識してます、でもほったらかし。学園都市の機密が漏れてえら
いことになるんじゃないのかい?供給元は把握したのかい? 爆発はしなく
とも主旋に繋がる大事な導火線が燃え続けてる訳で、話の仕舞い方としては
失敗。話の要素の取捨選択としても「練りが甘い」。コロナ騒動の影響「だっ
た」ことを願うばかり。

…………………………でも。

 運動会、つまり3期前半は「ああ、いつもと一緒か」と思って超速流して
いたのは前述の通り。でも後半は作風がガラッと変わる……、あれ〜〜〜?
時間配分を下手こいたり、詰め込み過ぎて下手こくのは確かによろしくない
が、各話単発としてなら悪くない。閑話休題と割り切ればむしろ面白い。も
しや……と思って飛ばした前半の「サブタイトルが面白そうな回」を探して
見てみたら……ビンゴ。水上さんには無いセンスだなとは思ってましたが、
コレ、ヤスカワさんが詰まらない訳じゃないんだ。そりゃ肩書きが「シリー
ズ構成」なら「責任持てよ」となりますが、単にシリ構やるにゃ早かった、
だけな気がしてきた、ヤスカワさんが何歳かは存じませんが。シリ構と各話
担当脚本の両方やってますが、各話担当だけだったら実はスゲー面白かった
んじゃなかろうか? あるいは、純然たる閑話休題をヤスカワさんが作った
ら、レールガン史上一番のおもしろ話になる(と思う)。2期の内にどっか
で閑話休題で本(脚本)書いて、シリアスも1、2本書いてたら、本作も状
況が変わっただろうな。
“おもしろ話”をおもしろく見せるためにはシリアス話も必要とは常々麻上
が主張している事ですが、そもそも“おもしろ話”は「おもしろくないとお
もしろいと感じない」訳で、ヤスカワさんの担当回を単発で観たら1期2期
より「おもしろ要素」が入っているんですね。もちろん1期2期にも“おも
しろ話”はあって1期2期のシリ構は水上さんですが、ヤスカワさんの方が
「女性漫才」的で麻上は好き。むしろ1期2期に寄せて作った3期前半の方
がヤスカワさんにはキツかったんじゃないかと想像します。3期後半の方が
実はヤスカワさんの色が出ていたんじゃないかと感じます。

 でもそうなると、龍雪さんの色はどこ行った?ともなる訳で。少なくとも
本作は、麻上は監督よりも本屋さん(脚本担当若しくはシリーズ構成)が気
になった。コロナ騒動が無かったら最後まですっ飛ばしていたかもしれませ
んが、おかげで“より抜きレールガン”で「おもしろ話」を観ることが出来
て、1期2期の“復習”が出来ました。3期とも監督は龍雪さんですから、
“より抜きレールガン”も龍雪さんのものです。いづれも「同じ匂い」がし
ました。でも、3期後半は大規模破壊行為「以外」は龍雪さんの「匂い」が
しなかったんです。

#ひょっとしたら龍雪さん、ヤスカワさんに後半はゲタ預けたのかもしれない
 な。当初構想なのかコロナ騒動の影響なのか知りかねますが。

#「食蜂」「水銀人間」「インディアンポーカー」「ドッペルゲンガー」だけ
 に絞って本作を訂正加筆再構成して、それをヤスカワさんがシリ構やるって
 んなら青盤買うな。



●『放課後ていぼう日誌』(毎日放送<TBS系>)
 総合:4.5(開始時評価:4+)
 ストーリー:5 ビジュアル:4.5 キャスト:4+ 楽曲:4+
 個人的評点 OP:3.5+ ED:3.5          動画工房
※2020年春期より延期

#登場人物がほぼ女性オンリーなのに〈邪〉が「ほぼ無い」という珍作。

 メンバー全員が卒業するか魚がいなくなるまで半永久的に継続可能な内容
だが、いかんせん原作者が被災したため連載が復旧する方が先なので、是非
続編を観たいが気長に待つことにしましょう。

#芦北町の諸氏。麻上は必ずお伺いしてお布施します。遠い将来になるでしょ
 うが、待っていて下さい。おれんじの賢人達よ、よく堪えてくれた。麻上
 は必ず乗りに行くぞ。遠い将来になるだろうが、首を長くして待たれたい。

 落とすところが見当たらない、でも5をためらうのはなぜだろう?自分で
も分からない。ヘッドスタッフがやりたいことは明確に伝わってくる。知識
も説明も実践も啓蒙もある、ただの釣りアニメではない。全編通して画は安
定してたし、顔も良く描けてるし、オチも確実、小技も効いている。芝居が
変ということもない(良い意味では変だが)。時間配分もおかしな所は見当
たらない。なんならゆるキャン△にもひけを取らない。でも何かが引っかか
る……。おそらくしょーもない事だろうが、何か引っかかる。〈邪〉が無い
からではない。強いて考えれば、「長く観たい」という点で「作品が短い」
という不満なら有る。これも前述の様に原作氏の状況如何なので、なんとも
言い難い。
 無くても何ら問題無いが、強いて言うなら明坂(中の人)の実家の魚屋を
見たかった……ぐらいか。

#誰だあんな芝居教えたのはイイゾモットヤレ w。

#前述「〈邪〉が無い」と書いたが、『闇で〈邪〉』という高等テクニック
 が駆使されていることは付記しておこう。着衣水泳の話は顕著。

#「つりキチ三平」が後世でこんな釣りアニメになろうとは。隔世の感があ
 りますなぁ(違う。あっちは渓流釣り)。

#まさか千和(千和だから敬称略。中の人。斉藤 千和 嬢)がお母さん役を
 演る日が来るとは。隔世の感がありますなぁ(しみじみ蜆)。

#お郷自慢シリーズ第2段は、ゾンビランド佐賀の琴乃奥さんに続き熊本出
 身のシゲさん(千葉 繁 氏)。

 本作で「せからしか」を理解した。



●『ド級編隊エグゼロス』(毎日放送<TBS系>)
 総合:棄権(開始時評価:3+)
 ストーリー:棄権 ビジュアル:3 キャスト:3 楽曲:3
 個人的評点 OP:3 ED:3−      project No.9

#「ラマーズ砲」はイグノーベル賞だと思ったんだが……。

 敵側の方がおもしろい。と言うことは、「敵側に労力かけた方がおもしろ
い」パターンの本(脚本)をNo9が把握しているものと推察するのですが、
それは「正義側が一定活躍する」という前提の“シーソー”があって成り立
つものでして、敵側だけがおもしろくても“作品としては”おもしろくなら
ないんですよ、「ヒーロー側だけ面白くてもダメ」なのと表裏一体ですが。
レビュアーズみたいに笑えるマスクを多用してましたが、全体として「後ろ
半分が全くおもしろくない」。
 敵側のボスが喜っ子さんだったり、敵キャラがなかなかの“中堅どころ”
だったり、ヘッドスタッフ「ちょっと分かってる」と思って見てたんですが……。
海水浴行く辺りからおかしくなってきて、最後は「やっつけ」でしょ、東京
隊のテコ入れもハズしてるし、残念です。俺の時間を返せ。



●『モンスター娘のお医者さん』(サンテレビ<独立U局>)
 総合:4+(開始時評価:4)
 ストーリー:4 ビジュアル:4+ キャスト:3.5+ 楽曲:3.5
 個人的評点 OP:3+ ED:3       アルボ アニメーション

#よくやったアルボ。余裕で合格。

 合格なんだが、「5ではない」のは理解いただきたい。以下気になったと
ころを。
 「全員に担当回を」ではないのだが、キャラ毎の時間配分に一考の余地が
ある。でも「均等に」ということではない。フレッシュゴーレムは“立ち位
置”の割には“持ち時間”がやや短い。全身の縫合糸を綺麗にするくらいし
てもバチは当たらないだろう。アラクネの練習台になってるくらいだし。ギ
ガスはさらに“持ち時間”が短いのは気になる。本作ではギガスはサラマン
ダーと並び長命で、しかも旧知である。山の中でハーピーとしか絡んでない
が、術前のグレンにサラマンダーの話を聞かせるなどしたらギガスの値打ち
が上がろうものだが、逆にカットされる候補として有力なくらい。“素材”
としてはおもしろいと思うんだが、もったいない。
 逆に長いのがアラクネ。確かに“立ち位置”は重いのだが、実際に「画に
なってる部分」を考慮すると「バランスが怪しい」となる。「サラマンダー
の執刀医に加わった理由」を考えると重要なキャラだ、グレンの考えにも合
致するし努力もしている。なにしろ手先が器用な上に作業量が単純計算で倍
である。本来目的であるサラマンダーの術中も縫合術を行っているし、アラ
クネには他の役割も有るんで全体的に長くなるのは理解できる。しかるに、
その「本来目的」を果たしている画があまりに短いんですな、これは頂けな
い、ヘッドスタッフよ。縫合術のために招聘したアラクネなのに、縫合術の
カットが1秒に満たない1カットだけというのはあまりに不憫。「へ? こ
れだけ?」とテレビに突っ込んでしまった。まるで本来目的ではなくオマケ
の様。故の「バランスが怪しい」である。最初から「この程度」という構想
なら、グレンが執刀補助者としてアラクネ説得に費やした時間が長いと考え
る。「その時間を他の事に回しては……」と考えます。
 この演出“不如意”に輪をかけてしまったのがスキュラの予想で、腫瘍に
メスを入れるとサラマンダーの体が反応し発火するのだが、実際スキュラは
脚を焼かれている(再生するらしいが)。(医学的にではなく)物理的に危
険な手術になる事は前もって予想されており、ひいてはスキュラがサラマン
ダーの手術を今まで躊躇っていた原因でもある。ならば、手術台が危険な状
態になるまでがアラクネの見せ場の“持ち時間”と分かっているのに、あっ
と言う間に見せ場が通過してしまうのが「不憫」でなければ何なのだろう。
しかもこの「不憫」には重ねてひとつ矛盾があって、手術の目的は悪性腫瘍
の摘出で、腫瘍に繋がる血管を迅速に切断し心臓に接続・縫合する必要があ
るのだが、縫合術がグレンとスキュラでは足りないからアラクネを招聘した……
にも関わらず、縫合術を施す前に発火して手術台から下がるハメになるのな
ら(しかもそれは前もってスキュラは想像していた)、誰が腫瘍痕の縫合し
たんだ?ってなるですよ。腫瘍取ったらすぐ縫合しないといけないんでしょ、
でも取ったら火吹いて危ないんでしょ、そんな所へ「素人」のアラクネ連れ
て来たの?……ってなるですよ。しかも本来目的の「仕事」させてもらえな
いとは可哀想な。
 もうひとつ“不如意”を挙げると、ブリーフィングを術中に行うのは明ら
かに誤り。執刀前にブリーフィングやって執刀医の知識・意識を共有するで
あって、メス持ってから「コレはこうなってる」なんて余裕こいてる場面で
はない。事前に術式も考えたんじゃないのかい? 急ぐんじゃないのかい?
その辺、「見せ方」があまいねぇ。

 あとねぇ、最後の最後で大きな「蛇足」やっちゃったのね(蛇だけに)。
思わず「あちゃ〜〜〜」と声が出てしまった。

なんで蛇に尻がある?

 ラミアは腰から下が蛇です。人間の尾骨が伸びてそのまま蛇の背骨になっ
ている様な感じです。ですがこれまでの画で、ラミアも椅子に座る事から、
股関節に相当する関節があって(膝もある様だ)、坐骨に相当する骨(若し
くは固い筋肉)で座っていることが想像できます。なので人間の背骨と蛇の
背骨は介在物があって「直接には」繋がっていないと思われます。

#蛇を背側に直角に折り曲げたら単に「鯖折り」で腹が裂けるが、そういう
 姿勢でラミアは“膝立ち”してる。因みに腹側に折り曲げるのは人間の腰
 と同じなので、人間が前屈し続けても何ともないのと同じと考えられる。
 ただし肋骨は部分的にでも無いことになるが(人間のお腹みたいに)。

因みにマーメイドはラミアの蛇の部分をイルカに置き換えると“骨格上”は
似ています。マーメイドにも「座る」という動作はありますが、「椅子に座
る」のは無理があるように見受けられます。「岩に座る」絵があるのですが、
「体が直角に屈折してる」絵は確認出来なんですね。男ならまだしも、女だ
と「横たわる」が似合うんで、妄想として「股関節は無い」であってほしい
ですな、「マーメイドは体が柔らかい」であってほしい。

 で、股関節があるなら「ルーズスキンもあるだろう」とは思いますし、椅
子に座るのなら人間みたいにクッション代わりの筋肉や脂肪の塊があっても
おかしくはないのですが、「ルーズスキン=お尻」ではなかろう。この、人
間で言うお尻に相当する部分は結構太く、画によっては肩幅よりも“尻幅”
(「胴回り」ですな)の方が大きいくらい。結構な「大蛇」です、話が進む
ほどに太くなる。でもラミアのどこを見ても「2本足」は無いのですよ、腕
は2本有りますが。

#厳密には、人間で言う太股の部分が「2本足の『様に見える』」絵はある
 のですが、穿いてるスカート(若しくはスカート状の衣類)の長さによっ
 て見えたり見えなかったり変わるんです。そんなこと無いでしょうよ。看
 護服着てる時は蛇で、部屋着だと2本足になる理由があるのなら教えて欲
 しい、ヘッドスタッフよ。「膝上から下が蛇」も通らんよ。腰と膝で結節
 されているのに太股部分だけ2つに分かれてる理由が無かろう。看護服の
 時は完全に「蛇の胴」で描いてるんだし。

足が2本有るから、いわゆる「ふたつに割れたお尻」になるのであって、足
(と言うか胴)は1本なのに「割れたお尻」にする意味が無いんですね。現
実の蛇や蜥蜴に桃みたいなお尻があったら「気色悪い」し、大きな桃から人
間の胴と蛇の胴が生えてる様なもんですよ、割れてる意味が無いし利点も思
い付かない。それを絵にしたんですね、それも画の中央にでかでかと。これ
は「サービスカット」とは言わない。ヘッドスタッフ余計なことした、ミス
テイク。

 次に良点。12話全部を無理なく繋いだ本(脚本)は良い。繋ぎ方が甘い
と単に「下手な客引き」で、「予算の無いバラエティショー」に成り下がる
ものですが、本作はそう言うことは無く。少なくとも麻上は悪い印象は持っ
ていない。ギガスが残念だが(中の人の単価高いもんね)、用意したキャラ
全てに役目が用意されていて、話運びがスムーズ。小技も多く、それも得点
率が高い。ヘッドスタッフがよく原作を読み込んでいると伺える。

#蛇女が嫉妬深いとは怪談話では聞きますが、食堂の柱に巻き付いて出てき
 た時は盛大に吹いた。

 初回のOP見て、1ミリ秒で思い出したのが異種族レビュアーズ。本作の
前々期がレビュアーズで、コンセプトは違いますがキャラはよく似てる(顔
付きは違うけど)。

ラミア:本作は女、異種族は男
ハーピー:本作は両方、異種族は女(有翼人とは別)
スライム:両方とも女
ミノタウロス:本作は両方、異種族は女(牛頭(ごず)と言う方が近いか)
ケンタウロス:本作は両方、異種族は女
マーメイド:本作は両方、異種族は男
スキュラ:両方とも女
サラマンダー:両方とも女
サイクロプス:両方とも男女
フレッシュゴーレム:両方とも女
アラクネ:本作のみ、女
ギガス:本作のみ、女

#「ギガスはモンスターか?」という指摘は受け付けない。

 タイトルが「モンスター娘の〜」ですから、一方通行的に「ハーレムです」
と主張していることは自明ですが、なにせ直近に「レビュアーズ」という極
悪な名作がいたせいで、しかもキャラが「ある意味同じ」なせいで、アタマ
が引っ張られること引っ張られること……。前述の様に本作のキャラはほぼ
異種族にもいて、「異種族」を丁寧に描くと「モンスター娘」になるといっ
た感じ。企画段階だと二作は多分重なってて、原作だとフツーに重なってる……
と思われますので、時世が時世なら「パクリだ」との声も聞こえてきそうで
すが、麻上が知る限りそれは無く。まぁ異種族がアレですので。世が世なら
本作の放送を遅らせて様子を見ても良さそうですが。寸評を書く上では非常
に有り難く助かります、ごちそう様でした。
 あと、「当たり前」と言えば当たり前なのですが、他作が意外と手こずる
のが「話に矛盾が無い」作り方。「御都合主義」ではありません、“作品の
中では”スジが通っている作り方です。スジ通ってないのに「スジ通ってる
様に作る」と、大体つまらなくなります。本作はそう言うことは無かった。
“空想”にいちいち「おかしい」と指摘していては空想は存在できません。
ので、「これこれこういう世界です」と説明を受けたら「はい、そうですか」
と受け入れて作品を楽しむのが作法です。これが「説明を維持できない(設
定破綻)」とか「不自然に説明を追加する(その場しのぎ)」とか「理由無
く前の説明を変更・削除する(設定飽和)」とか「説明と矛盾する(設定崩
壊)」となるとそれはヘッドスタッフの力不足です。即ち「おもしろくない」
となりますが、分かってても成るときは成るモノで、ヘッドスタッフの責任
とも言い難い事もありその時は「お気の毒」としか言えず、結局「残念ね〜」
となります。が、本作はそれも無い、全く無い。面白かった。そりゃ小さな
御都合主義はありますが、始めの4話で設定を説明したら、その世界観のま
まで最後まで話が進みます。後から出てくるキャラの説明はどうしたって後
付けになるのは仕方有りませんが、それでも話の本筋がブレていないのはえ
らい。“初志貫徹”は地味に体力使うことですから、ヘッドスタッフ疲れた
だろうと推察します、よくやった。
 でも、「それが普通だろう」と思うんですが、「仕事取るためには少々は
目をつぶる」が幅を効かせてるのはこの業界も同じなんでしょうねェ。でも
アルボはそっちに走らず、いつまでも面白い作品を追い続けてもらいたいも
のです。足元の米粒より対岸の桃の木。継続は力なり、気張りんさい、アル
ボアニメーション。サンライズや木幡やPAは無理ゲーとして、シルバーリ
ンクやライデンや五組、動画工房ぐらいのランクにはなれると思うよ。JC
は厳しいかしら。

#パッショーネやブレインズを追いかけてはいけない。このふたつは「智一・
 杉田」だ。追うとえらいことになる。

 因みに、この辺の問題をまとめて一気に解決したのが転生モノの超チート。
あたしゃあんまり好きではありませんが、力技で問題を「亡き者にする」の
も考え方としてはアリです。でもぉ、最近ん〜、影って来てませんか〜、転
生モノ。ちょっと工夫した転生モノは残ってますが。転生云々より「超チー
トから生まれる無双がおもしろい」と思われると先が短いんでしょうな、い
くらでもあるし。
 勿論本作は転生モノでも超チートでもありません。“まっとう”に本(脚
本)出来てますし、スジが通ってる。オーソドックスと言えばオーソドック
ス。でもそれが良い。
 ある程度は絵は話でカバー出来ます、つまり絵だけではアニメは成立しま
せん(それは紙芝居)。東方の様によほど革新的でなければ、ゲームも話の
しょーもないモノは「クソゲー」として葬り去られます。「クソアニメ生産
者」にならないようにアルボは精進してもらいたいものです。



●『SUGOI DEKAI 1期』(朝日放送<テレ朝系>)
 総合:3−(開始時評価:4)
 ストーリー:2 ビジュアル:3 キャスト:3 楽曲:3
 個人的評点 OP:3 ED:3              ENGI

#この作品からラッキースケベを除いたら何が残るのよ。

 鳥取県観光番組。
 本作は、制作技術として決定的に誤りがあり、最後まで改善されなかった。
大きな特記事項なので付記すると、「声が聞こえない」のである、それも主
役級の。周りのモブやNPCの声が聞こえないのなら「当たり前」ですが、
主役級のキャラが「何を喋っているのか分からない」とは前代未聞だ。でも
これは赤羽根(中の人)が悪いのではなく(音量を上げれば普通に話してる)、
調整時に意図的に音量を下げていると容易に想像できます。演出として、赤
羽根(中の人)に「ボソボソ喋らせたい」という考えかと推察しますが(確
かに普段は物静かで怒ると普通にハッキリ喋るキャラだが)、「聞こえない」
のは本末転倒だ。全体的に音量が小さいのならマスターが失敗でテレビの音
量を上げれば良いのだが(CM時だけ元に戻せば良い)、赤羽根(中の人)以
外のキャラは普通の音量で聞こえている、それはおかしかろう、ヘッドスタッ
フよ。「寝ゲロ」の新しい表現を実践したのは加点だが、それだけではねぇ。

#「2期の需要があるほど面白い」とはどうしても思えないのだが……。



******敵機襲来!敵機襲来! バルキリー隊全機スクランブル******
                         karura@occn.zaq.ne.jp
アニメアールを応援しています           麻上 迦楼羅(竹田 貴博)
********六星占術だと、私は土星人になるらしい***********