一気見したと言えばそうなんですが、ちょこちょこ観てたんですよ。3月
あたまから観始めて「やっと書けた〜」が3月26日。書いては消して録画
見直してまた書いて。メカ屋の性分、矛盾の跡を残したくない。
不肖・麻上。近年珍しい、渾身の一筆です。鈍器用の原稿は少々手を入れる
んですが、fj用の原稿の方が「正直」です。
もう2本後ろで控えていますんで、追いかけfjに投下します(今から書くん
ですが)。





おはようございます。
大和郡山のブラストマインダー、麻上@ZAQ大阪です。


 関西地上波限定(一部ニコニコあり)かつ麻上の守備範囲内の作品で、
12月から1月にかけて修了した「テレビ用(一部は配信用)アニメー
ション作品」の寸評です。
いつものようにf.r.a公式採点方式&公式記号方式(バカ)で採点
しています。

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●『つうかあ』(KBS京都<独立U局>)
 総合:4(惜しい!) (開始時評価:3)
 ストーリー:5(OK) ビジュアル:5(メカ屋的にOK)
 キャスト:3 楽曲:3(これも惜しい!)
 個人的評点 OP:4よりの3 ED:3   SILVER LINK.


#救急車もオート三輪(改造済み)とは恐れ入った。ミニパトだけ4輪車。
 因みにミニパト(兼・マーシャラー)は251−110(にこいち(原作
 者)の110番)。細かいわ〜。


# お見事!


 すんません、ナメてました。「デッキ内(もしくは円盤避難)に『全話』
置いとこう」と思ったのは久しぶりだ。画がいちいち細かい。

#これと妹いいをよく同時に出せたな、シルバーリンク。

#スフィアである必要は無いと思うんだが、営業か。3声要るとして、合う
 ユニットは他にいそうだが。


 この作品、『前段』が必要でして。劇中でも「側車」と言ってますんで、
出てくるのは「サイドカー」です。キカイダーみたいな、宇宙刑事みたいな。
サイドカーですから、現実には原則「2輪車」になります、排気量600ク
ラス、1万4千〜6千ぐらいまで回します(高回転の金属音もちゃんとしま
す)。そしてタイヤが「平タイヤ」(踏面が平)。4輪(もしくは多軸)車
に使うあれです、ドライ用タイヤが「スポンジ」なアレです。通常の2輪車
(除くピザバイク)や自転車で使う「丸タイヤ」(踏面が円弧)ではありま
せん。ですので「車体を傾ける」というイメージが“基本的に”ありません。
また本作では「3輪限定」という『レーシングライセンス』が存在します。
ミゼットみたいな「3輪自動車」も運転可です(これが不思議)。2輪車の
感覚で本作を見ると違和感が付きまといますが、4輪車だと思って(Byke
と言うよりCar )観る方がしっくりきます。ドリフト走行が得意な方でした
ら「・・・!?」かもしれませんが。その上で高校物理程度の知識は必要です
(と思われる)。麻上世代の御仁や理工系の若い方は「普通でしょ?」とお
思いでしょうが、人文に走って高校1年程度の物理は「忘却の彼方」になっ
てる若人はおそらく「?」と思われます。故に、スクータータイプの2輪車
しか乗ってない人or2輪車を知らない人、もしくは側車に乗ったことがある
方『以外』の方にとっては、本作は「ポカーン」に陥りやすい作りになって
います、少なくともメカに関しては。でも、

側車付き2輪車のレースは現実に存在します(勿論2人乗車)。


逆に留意点が判っている方にとっては「意外と丁寧」と飲み込めるかと思わ
れます。ということで本稿。


#意外。丁寧だった。
#タイトルが残念。イメージはよく分かるんスけどね。


 よく出来てるわ、この作品。1週目がガッチリ「1週目」になってる。本
編から恋愛要素とインターミッション抜いて“蒸留”したらちゃんと「1週
目」になってるもん。でも本編は「還元」とか「×2」じゃなくて、本編は
ちゃんと「本編」になってるし。
 かつ、「ポカーン」を極小にしようと試みる努力は評価できます。ディス
ク殺したカウンターモーメントで姿勢制御するなんてオフロードの発想ぜよ、
普通は思い付かんて、、、ってのはありますが(そもそもオンロードなら宙
に浮かない)、あれは他に説明のしようが無い。非論理的でも良い、思い付
いただけで十分エラい(半分はSFだし)。ご都合主義大いに結構、少なく
ともここにいる評者のひとりは十分『納得』しました。カツヒコさんだから
S5ではありません、カツヒコさんでも外す事はあります。でも本作は良く
出来てます。

#金入ったら原作買いに行くか。
#円盤は、、、中古で良いか。

#おにゃの娘しか出て来ない(三木眞除く)のに、「モーメント」だ「トラ
 クション」だ「ピッチング」だと機械用語聞けるとは思わなんだ。原作者
 殿の趣味か(誉め言葉)。
#前半やたら風呂があるのに <邪> が無いとは不思議だ、おにゃの娘しか出
 て来ないのに。高校生らしからぬ(と麻上は思う)良い(ケシカランとも
 言う)体型「すぐる」のは絵描きさんの趣味か? 今の娘はこんなもんな
 のか?(分かるのが四日市氏と東広島の先生しかいない)


 まず、12週の1週目を切り離します。次に2週から9週を2話縛りの4
コマに分けます。最後に10〜12週でメカ要素と主人公バディのキールに
話を戻します。1話(1AB)と10話のB(10B)が被りますが。極論、
10〜12話のみ観れば粗筋は掴めますが。するとこういう構成になります。

1週:エキシビジョン(作品説明と構成展望、軽度の人物説明)
1コマ:起、主人公バディからサブ1(分かりやすい百合)
2コマ:サブ2(ドMとドS)
3コマ:サブ3(ツイン)
4コマ:サブ4(外野)からインターミッション
10週:エキシビジョンand 起に戻って、承
11週:転、心理
12週:メカ、物理、結

 本作の場合、1コマ目が「1コマ」ではなく「3/4コマ」なんですがこ
れはいわゆる“貧乏くじ”というやつなんで、当人達には諦めてもらうとし
て「1コマ」とカウントします。


 最近の構成法にままある手法です。特に1週目を切り離すのはよくありま
す。利点は、初回を逃がしても2週目から追いけることが出来る点。欠点は、
それに乗じて真面目に初回を作らないスタジオが出てくる点(ネト充はこっ
ちの匂いがする)。「ハナから初回を真面目に作る気が無い」とは思いたく
ありませんが、2週目から「別作品のようだ」な作品があるのも事実、「大
人の事情」ってやつ。
 本作の場合、1ABを圧縮すると10Bになるのが目新しいか。切り離し
た1週目をもう一度出してくるんで、「“理屈”は分かりましたね? じゃ
行きますよ?」って感じでしょうか。では「10Bは再編集か?」と言うと
さにあらず(と思う)。気付かないと「再編集」ですが、どうも描き直して
るっぽい。話の流れはほぼ同じ(微妙に違う)ですが、10Bにあって1A
Bに無い画があったり、画はあるんだけど10Bの方が枚数多かったりする
んです。逆なら「再編集」ですが、「再編集」じゃないんです、10Bの方
が明らかに手が入ってるんです(事実、実によく動いてる)。「円盤になる
とキャベツがキャベツになった」という話は聞きますが、放送中に(製作時
期はいつか知りませんよ)手が入ったというのは聞いたことが無い。初回の
物理エンジンは「?」と思いましたが、そこそこ丁寧な初回でした。それが
10Bはがぜん「観てて面白い」。だから「これ初回に見た」とは思えど、
「手抜きやがった」という気は一向にしない。10Bを「圧縮」しても1A
Bにはならないし(むしろ膨張だし)。むしろこういう手法は現場で嫌われ
ると思うんですが、敢えてなのかたまたまなのか、この手法は勉強になった。

#1AB→10Bが代表例ですが、2輪車技術的に説明し難い一部を除き、
 ほぼ必ず伏線が用意されていて、全部回収出来ています。用意から回収ま
 での時間が短い伏線はありますが、「なにそれ?」っていうのが基本的に
 無いのが素晴らしい。


 また、OPは1週目から出来ていて、本編の“時間稼ぎ”もしてません。
OP絵が1話の継ぎ接ぎな1週目なれど2週目は本気で作ってる・・・なん
てのもあり、「逃げた」とも「わざと」とも解釈できますし、ネタばれ防止
の演出法とも解釈できます。なので判断するのは全部観てから、、、という
のが麻上の最近のスタンスですが、

#よくやった。よく考えた! よく判断した!! 諸般の事情で5を付点でき
 ないのが何とも口惜しい。

##タイトルはもうちっと何とかならんのか?

###欲を言えば、ゴール前で2人喋り過ぎ。再起動からジャンプ後まで無
   言という最高の判断だっただけに残念、“眼”が十分語ってた。


 野郎が三木眞(中の人 敬称略 以下同)しかいなくてあと全員おにゃの娘
(一部“ばばァ”有り)

#さっこさん(玉川 砂記子(紗己子の方が馴染み深い)中の人)に怒られ
 る。だって30越えは“ばばァ”だって聡(日野 聡 別作品の中の人)が、
 待ッタ!ピラ(平松 晶子 中の人)げんこつヤメ!!!!!!!!!!!!あぶねェ!

 グェ!(以下、自主規制)。


ってのはどうよと思わなくはないですし三宅島っつーリアルの中に「速度制
限∞」ってのは「もはや標識不要だろ」など色々ツッ込みたい要素は過充電
なんですがそれはさておき。

#それは国道標識。都道府県道標識が六角形か。市町村道標識って規定あっ
 たっけ?


 予備知識皆無でとにかくメンバーに走らせて「こういう作品です」と“お
披露目”して、「これからこういう作品をやります」って『大見栄』切って、
「付いて来られる方だけどうぞ」っていうやり方もアリだなと考えるように
なりました、最近。内容に自信があって“客”が付けば良いのですから。た
だ本作の場合は、1ABが先なのか10Bが先なのかで捕らえ方が少々違っ

てくるのですが。願わくば「同時」であってほしい(あってくれ)。
 最近の麻上の場合、「What? 来たか?」と思ったら、まず直ぐにスタッフ
ロールを見直します。ヘッドスタッフ見た時に「大見栄」に釣り合う内容で
あれば○。逆に片目が釣り上がると様子見の上で「出直して来い」宣告して
後は流します。本作の場合「前者」。これが「ヘッドスタッフは自信があっ
た(と思われる)が麻上に合わなかった」場合、それはヘッドスタッフの責
ではありませんので責めはしませんし、そもそも寸評を書きません。

#2や1を付けていた頃は寸評でさんざ責めましたけどね〜。



 この手法と紙一重なのが「一見さんお断り」。内容提示をはしょって「予
備知識がある方だけど〜ぞ」的発想で話が始まるタイプ。けいおん!やユー
フォもある意味「一見さん〜」です(麻上私見)。「ギター属や管楽器はあ
る程度知られてるから前段不用」(ユーフォニウム(又はユーフォニアム)
は微妙すぐる)という前提ですしだから奏法の説明も最小限。だから「ある
意味」なんですが、でも知らない人は必ず存在していて、知らない人にとっ
ては「何がスゴいの?」でしてそこが損益分岐点。例えばユーフォやハルチ
カの場合。麻上は吹奏楽はそれなりに分かりますので、その上で付点しまし
たが、弦楽器はサッパリ(理論は分かる)なので、実は「唯と澪」は分から
なかった(楽器的に)、その上で付点しました。

「損」をどうフォローするか。

ある程度の益が見込めるならば「一見さん〜」に走るのも分からなくはない
ですが(手間ですし)、

     テレビアニメは美術作品ではないので。


ある程度はどうしたって「ある程度」ですよ。

#分からない“客”をどこまで取込もうと『考える』か。
                    本作にはその『心意気』がある。


「じゃあどこまで説明しましょうか?」という天秤が発生した時、天秤をど
う使うか? しかもこいつが超厄介。失敗する作品は大体ここの見極めで失
敗するのが通例(だと思う)ですが、本作の場合は「一見さん」に頼らず正
攻法で来たか?と考えます。あたしゃそっちの方が好きだな。本作で側車の
数が増えるとはとうてい思えませんが(多分アレ大型免許だし)、ライダー
(not 杉本ゆう姐さん)の数が増えてくれたら嬉しいな、2輪乗りとして。
仮に「一見さん〜」されても麻上は中身理解できますが、寸評書く気になっ
たかどうか怪しいですな。まぁ本作に「一見さん〜」は向いてないな。

 本作の場合、サイドカー=2輪車なんで○(ばくおんと同じか w)。元請
がシルバーリンクで本書きがカツヒコさん(高山カツヒコ 氏)だから大外
しは無いだろうという○。後は「演者と内容か」と考えて様子見。そしたら
案の定。“曲乗り”は物理法則なんですがドリフト用の『物理エンジン』が
やたらと非・物理的で微分できない非定常運動。「そうはならんやろ」と片
眉が上がった所で4コマ分の“側道”という構成、なんか上手く逃げられた
感。
“側道”に入ったら「メカ」と言うより「人」ですから、ニーラー(本作で
のサイドカーのこと。日本の法律ではレッキとした2輪車)はおまけ気味。
「側道にいる間に『エンジン』どうにかするかな?」と思ってたらどうにか
しやがった。物理エンジン止めやがった(それで正解)。

#いや、『物理エンジン』じゃないし。見た目に物理的じゃなかったし。

##でも後半の手描き(いや“手”じゃないですが)のカウンターやドリフ
  トの方がはるかにリアルで説得力があった。ヘッドスタッフが分かって
  ないとあぁはならない。ラストは明らかに枚数多いし(倍速しても画が
  粗れない。分かってるわ〜)。


 ある意味「スジの動かし方がウマい」。1コマから3コマ担当のバディが
別々の宿舎で「なんか意味があるのかしら?」と思ってたら「そういうこと
か!!」。なる程「2週1縛り」要るわ。話の要にあるのがニーラーなんで、
「人」メインの“側道”とてニーラーは除外出来ませんが(したら切ってた)、
よく「凌いだ」という感想。「我慢した」と表しても良いか。過もダメ不過
もダメ、本屋さんのウデですな。その反動がラストラス前の描き込み、「あ
〜〜〜カツヒコさん『手綱』放したわ〜(誉め言葉)」(それは後述)。カ
ツヒコさんが両手上げて指をニギニギしてる姿が思い浮かぶ。

 作中の設定の場合、チーム(=ニーラー)は7台です。1台は主人公のバ
ディですからあと6台。用意しているコマは6台に対して3つ。コマ外で動
いてるチームが1ついるんですが、それでもコマが足りません。ということ
は、そもそもピックアップ『されない』ニーラーが最低2台は発生します。
1台、頑張って2台なら映像特典で、、、という「大人の話」も無くは無い
ですが、やってみたら“お披露目”以外で日が当たらない“お賑やかし”が
やっぱり2台(ないし3台)発生しました(ただしインターミッション後に
フォロー入る)。しかし「え〜?」と言うなかれ。確かに少し前なら「何と
か全員に“当番回を設けよう”」という“習慣”があって、おかしな“圧縮”
をしたために、「トラバサミ」を踏んだお馬鹿さんが散見されましたが、麻
上はそういう作品に対してはたいてい「詰め込み過ぎ」とコキ下ろして来ま
した、「時間がある時にやれ」と。ところが本作がエラいのは、2台(ない
し3台)をスッパリ切ったんですな。1チームの持ち時間を1週としたら切
らずに入ったのに、3チーム(+主人公)に絞って2週1縛りを組んだ。こ
れはエラい、よく判断した。
 さらにエラいのが、従来の“お賑やかし”たる実況組の2人をピックアッ
プした判断。この判断は素晴らしい。ただの「やかましい娘」じゃなくて、
「この子達もニーラーだ」として1週を割いた明、実に天晴れ。その判断、
お見事です、鮮やかでした。そのヘッドスタッフで1.5クールあればと思
うと残念でなりません。2クールだと冗長、1クールだとカットが発生する
(実際した)んです。だから5が付点出来ないんです、実にもったいない。
ユーフォみたく最初から「無理筋」と判ってて「その他大勢」を設定したの
ではありません、「泣く泣く後ろに回った」ニーラー達がいます。カットし
たニーラー達の“身の上話”も見てみたいものです(いよいよ原作を・・・)。
カツヒコさんが両手上げて指をニギニギしてる姿が(以下略)。

#大阪府立で「生駒」とはこれ如何に(分かってるわ〜)。
##雪月花の2人はどうしてくれようか。兵庫県であの設定ということは、
 「多可」って「宝」?


 ハーレーに時々ある「側車付き」で、

#ばくおんだとデュカッティでしたな。伊勢道で「軍団」をちょいちょい見る。


側車付きのスピードレースに合うように空力(というか空気抵抗)重視のカ
ウルを被せたのが本作の『ニーラー』です。

#側車付き2輪車のレースは現実に存在します。こっちもニーラーと言うの
 かは知らない。

基本的な挙動は「2輪車」と言うより「4輪車」です。4輪のレーシングカー
同様「軽く造って、ダウンフォースでトラクション稼ぐ」という発想のよう
です。また同様に、ニーラーの乾燥重量はエンジン位置よりちょい後ろかほ
ぼエンジン位置、運転者の体重負荷はほぼエンジンの上、側車乗員の体重負
荷はエンジンより後ろにあります。側車輪はエンジンのほぼ真左にあります。
ので、全体にはニーラーは、「前が軽く後ろが重い」重量配置です。これが
高速走行に効いてきます。現実だと3輪バギーが近いですが基本的には「側
車付き2輪車」、駆動輪は1コです。そのためか、マフラー(サイレンサー
も?)が「側車の前」にあります。左右どちらにせよ駆動輪の横にあると単
純に側車乗員が危ないので、これは理にかなってます。また側車の前にラジ
エターらしき装置が搭載されており、それ用と思わしきインテークもありま
す。ラジエターだとして、冷却能力として通常の搭載だと不能と思われます。
何せ前から見たら「低く薄く」しないといけませんから、「薄く」が背反す
る様です。さらに燃料タンクも側車にあります(多分)。通常の位置にタン
クらしき大きな物体があるんですが、リッドが無いんです、不思議な「箱」
です。麻上が見た(側車にある)リッドはラジエターのクーラントかもしれ
ませんが、どっちにせよ側車に有るんです。排気管が一番前にあるのが「?」
ですが、燃料タンクが「パッセンジャーに一番近い」のもそれはそれで危な
くないかい?とも思う(あ、現実もそうか)。レース中の途中給油はしない
ようです。

 というようにある程度リアルなんですが、側車ごとほぼ全て『フルカウル』
です(インテークはあります)。分割出来るのですが組み立てるとほぼ「のっ
ぺらぼう」になるのが特徴です。

      側車も。


だから側車乗員(これがパッセンジャー)

#どうも「パッセンジャー」(旅行者とか旅客の意)っつーのが馴染めない
 んですが。操縦者が「ドライバー」ってのはまだ分かるんですが。

は直進では体を小さくして空力を避け(座板の上に正座)、カーブではカー
ブの度に重心を変えて側車輪の接地圧を加減します。通常、2輪車はステア
を回して旋回することは少ないです(無いと困りますが)、旋回したい方に
車体を傾けて曲がります。車体を傾けると車両重心は旋回中心側に移ろうと
します。これを旋回遠心力で打ち消して(完全には消さないのがミソ)コケ
ないようにします。故に速度があるほど車体を傾けてもコケない、起こすの
はスロットル開けてジャイロで起きる、という理屈で我々2輪乗りは「鉄の
馬」を操作しています。

#スラロームなんて最たる例。ステア+スロットル+後輪制動+傾斜角(重
 心移動含む)が釣り合った所で連続曲がりをクリアします。強者だとここ
 にドリフトを被せてくる。
 教習はスラロームが一番楽しかったような。次が1本橋。だって教習車が
 ホンダのS4だし。


 でもニーラーの場合、少なくとも左には傾斜できません(側車ありますし)。
なので現実にはステアで左曲するんですが、慣性質量を殺さないと曲がれま
せんし(ニーラーは直進しようとする)、曲率によっては慣性で側車が浮き
ます(小さく浮いてる画は何回か出てくるので許容はある様ですが)。最悪、
進行軸線(通常はZ軸で表現します)右回りのローリングで転覆します。と
いうことは減速しないといけません。でもレースですから、いかに減速せず
にカーブをクリアするかが課題です。
 ここがおもしろい所で(現実にもほぼコレのよう)、パッセンジャーが側
車の「左側」に身を乗り出して、側車輪の接地圧を増圧させて高速のまま左
曲します(ただし曲率による)。現実の側車付き2輪車でもそうですが、側
車にはブレーキが無いようです。どうやら、少なくとも「左曲」については
「カウンターと横滑り理論」のようです、いよいよ「Car 」です。つまり側
車輪の接地圧を増圧させてエンジントルクを出すと(スロットルを開けると)、
側車は留まろうとするのでエンジンは前に出ようとします。同時にステアを
左に回すと(切ると)、エンジンの前と左に抵抗があって右は空いているた
め、駆動輪は右に滑ろうと動きます。これらを足すとニーラーには上から見
て「左回り」の偶力(Y軸回りだからヨーイング?)が生まれ、これで左曲
してるようです。「ブレーキで曲がる」のではなく「アクセルで曲がる」と
作中で説明していますので、積極的にドリフトを起こして左曲します。これ
が“前輪駆動”(もしくは4駆)であればタックインですが、2輪車ですか
ら“後輪駆動”で、タックインではありません。でも2輪車で普通に考える
「傾けて曲がる」と言う概念は(基本的に)ありません。明らかに「滑り」
で曲がってます。左曲の場合はエンジンが“浮く”事は無いので(あり得ま
すが)、タイヤは「全部接地」ですからドリフトし放題です(この理屈、右
曲の場合に重要)。
 ただし接地摩擦は必要だったり不要だったりするんで、丸タイヤより平タ
イヤの方が合理的です。滑らせるだけなら丸タイヤですが(接地抵抗少ない
し。でも「少な過ぎ」でも滑りを制御できない)、次の瞬間にはトラクショ
ンが必要で「滑るな」になるので、平タイヤになるのも合点です。ただしス
タビライザーたるパッセンジャーが必要というのが大前提ですが。だからパッ
センジャーが“曲乗り”するほど曲率がデカくなる画になって、「そうかな?」
と解釈できます。

#レース場で、左のヘアピンでパッセンジャーが側車輪より大きく左にせり
 出してて、しかもヘルメットが芝面すれすれで左曲している様子を「芝刈
 り機」と称するそうです(そもそも側車輪がバンクの内側に入ってるし)。


ステアは明確な画がありませんが、ステア角は「“0”ではない」みたいで
す(でないと明らかにおかしい画が(特にピット周辺で)あちこちにありま
す)。

 ジャックナイフを制御できれば偶力を得られるんですが、危険極まりない

#ばくおんではやってましたが。あ、あれも三木眞だ。


ので、実際はステア+『後輪』ロックで後輪がステア角と逆に滑るんで、ス
テア角以上に車体がステアする、というのが2輪車のドリフトです。でもス
テアはあくまで「きっかけ」(および、「きっかけ」以降の姿勢制御)で、
ほぼ「滑り」だけで曲がります(アレを「曲がる」と言って良いのであれば)。
本作も「よく滑って」ます。ただ「そこまで曲率出るか?」と考えると、そ
こはロマンですなぁ。どこぞのドリフト厨の豆腐屋の様です。ドリフトで曲
がる、パッセンジャーはZ軸左回りのローリングをかせぐ、左曲なのに、、、
と、麻上は側車に乗った事が無いんで実感が湧かないんですが、言われたら
「そうかな」と思います。ドリフトが無いと説明出来ませんが、作中ではそ
うやって描いてますし(物理エンジン以外)。
 麻上が思うに、左曲の場合(高速通過するならですよ)、側車乗員が「エ
ンジンの「右」に重心を移すと、Z軸「右回り」のローリングが出来ます。
すると側車が地面から「浮く」んで、ドライバーはエンジンを「左」へ倒そ
うとして「普通の2輪車の左曲」の様に左曲するんじゃない?と最初は考え
たんですよ。ニーラーは全く傾いていないか、わずかに『右』に傾いている
のに『左』に曲がるという一見不思議?ですが一応成立します。一応「慣性
質量殺さなくてもステアで曲がる事が出来る」としましょうか、我ながら不
思議ですが。エンジン荷重鉛直に対しドライバーの体重は旋回方向側にあり
ますから一応「旋回力は発生している」。説明はつく、一応。しかし、5、
6回見て物理検証してみると、ドライバーは重心移動『していない』(と言
うか「出来ない」?)んですよ。それだと旋回力が発生「しない」んで麻上
の想像は棄却されます。また、側車が地面から「浮く」というのはかなりヤ
バい様でして(ただし曲率と速度による)、双子がローリング起こして転覆
してます。一度「浮く」となかなか戻らない様です(だって下に走行風がい
るし)。ただしここにもテクがある様で、分かってて「わざと」小さく浮か
せることは普通に行われています。双子の場合、左曲で側車輪が浮いた→ス
テアを右に当ててパッセンジャーも右曲の姿勢になった→カウンターが成立
して側車が沈んだが今度は沈みすぎた→側車がバウンドして再びローリング
起こした→転覆した、、、みたいです、木の葉返りも同時に起こしてます。
ヘッドスタッフ(原作者殿?)が採った「カウンターと横滑り理論」。決し
て“お遊び”ではないようです。
 さらにドリフトしてで希望のステア角までニーラーが回った後、ステアが
「左」のままだとニーラーがヨーイングで回り「過ぎる」可能性があります。
ので、ステアを「戻す」か、カウンター当てるイメージで「右」に切る方が
合理的です。ニーラー全体は左曲だけど、駆動輪は右前に出ようとするし前
輪が右にステアしてたら、本車(「側」車に対して「本」車)としては右に
行くはずです。こうなると「どこで力が釣り合ってるの?」か不思議ですが
(麻上のオツムでは説明出来ない)、でも「ですよね〜」とは思いますし、
実際左曲で右にステアしてる(ように見える)画があります。4輪車で「右
カーブでケツが左に振ったら(滑り過ぎたら)、ステアを一瞬左に当てて姿
勢を立て直す(いわゆるカウンター)」つーテクがありますが、あんな感じ。
実際作中でもそういう処置してる画が出てきます。因みにこの部分だけは右
曲でも「対称」の様で、右曲でニーラーは左に滑ってて左にステアしてる画
が何回か出てきます。
 ここが納得出来ると、続きはよくある回転力場です。直進の慣性で「曲率
を小さくする」力学と向心力で「曲率を大きくする」力学が釣り合ったとこ
ろで「公転力が発生する」+側車輪は「点」だから「自転力が発生する」と
いう中々に玄人な理論ですが、地球が自公転するのは大まかにはコレ。曲が
り始めはステア要るんで非定常ですが、左曲中はステア無しでも「滑り」だ
けで左曲出来る(ステアを戻してパッセンジャーが曲乗りを止めたら直進す
る)ことになって定常運動です。中々ディープです、こういうの好き。最早
2輪車っぽくないですが、本車は『2輪車』なんですよね〜〜〜、平タイヤ
ですが。棒式のキルスイッチもあるんですよね〜〜〜、変速機と後ブレーキ
が逆ですが。

「後輪駆動」ですから、駆動摩擦をかせぐには「後輪の上」にパッセンジャー
がいると有利で、

#理論上は、構造が許せば「後輪『よりも』後ろ」のハズ(倍力理論)です
 が作中にそういう絵が無かったので「後輪の上」とします。
#ここで「トラクション」が出てきます。これも説明が付く。


 話を戻して、同様に右曲の場合。

#右の方がめっちゃ厄介。麻上も右旋回は少々怖い、特に減速右曲の時(左
 曲は特に何も思わないけど)。


側車は有りませんからエンジンを「右」へ倒せば右曲するんですが側車が引っ
張る(側車の自重分のモーメント)んで倒れません。そもそもドライバーは
重心移動出来ない(多分)ので、パッセンジャー頼みになります。
 ここからまた推論。本車をフツーに鉛直に立てて側車を固定すると、本車
から見れば側車は“抵抗”ですから、真っ直ぐ走ってるつもりが左に湾曲す
るんじゃないかと。ならば本車のアライメントは“抵抗”をキャンセルする
ようにするハズで(パッセンジャーの体重含む)、

ステアをわざと「右」に振っておいてもアライメントになりますが、低速で
良い場合だけです(丸タイヤだと振れてても「気付かない」ことは無くは無
い。日曜大工感覚で素人が自転車イジるとちょいちょい振れます)。前に走
るための「右のステア角」(左もですが)ってのはフツーやらない。走ると
必ず「ステアを中立にしようとする力」が生まれますんで、支えないと「右
のステア角」が維持できませんし、支えるとステア自体が不安定になるし、
タイヤの磨耗が変になるし構造に変な力かかるし。およそ良い事はありませ
ん。

本車の重心(ドライバーの体重含む)を「右」へずらす様な何かを仕込んで
ると考えられます。故、パッセンジャーが側車上から駆動輪上に移動するだ
けで右曲の旋回力が得られると考えられます。左曲の「カウンターと横滑り
理論」ともカチ合いません。作中でもそういう画になっています。この「移
動する“だけ”」というのがどうもクセ者のようで。操作としては「左曲よ
り楽なんじゃネ?」と見えますし、曲率を稼ぐには大きく重心移動すれば良
いんじゃネ?と考えがちですが(実際、一時考えた)、大き過ぎると側車が
錐揉み(きりもみ)を起こして転覆するんですよ(左曲のローリングとはち
と違う)。4輪車で「ゆっくり」片輪走行というのはスタントマンは出来る
んですが、「高速で」片輪走行ってのはまず不可能(わざと錐揉みさせたい
場合を除く)、片足浮いた瞬間に錐揉みが起こるんで(これを逆手に利用し
たのが西部警察。しょっちゅう吹っ飛んでた)。高速だとジャンプ台の高さ
が滅茶シビアなのと、反対のローリングは運転者の体重でしか調整出来ない
(なので片輪走行は運転者側が「下」に限る)→調整代が小さいのと。だか
ら本作でも、右曲の場合も側車を「浮かせる」というのは基本的には「危な
い」という認識の様です(ただし曲率と速度による)。なら、左曲でも「危
ない」んですから、右であれ左であれ「側車は浮かさない(少なくとも浮か
せ“過ぎない”)」方が良い様です(ただしテクニックの許容内であればO
K)。
 元々「本車の重心を「右へ」ずらす何か」があるとして、パッセンジャー
が右に動くだけで、そもそも側車は浮きやすい状態になると思われます。そ
してパッセンジャーの重心移動は「(人が考えうる)一瞬」ということになっ
てますんで、側車を“さらに浮かせる”力が働きます(有限の時間が存在す
るんで力が存在する→慣性質量が存在する)。となると平タイヤの「角」で
走ることになるんで、加減が過ぎると(2輪でも4輪でも)姿勢制御として
「単純にヤバい」。「左曲の対称が右曲」に『ならない』んです。
 また、ニーラーは直進慣性で「左へ」行こうとしますから、ステアは「右」
で駆動輪と側車は「左」へ滑ります。この時平タイヤの角で走ってると、接
地摩擦が少ないんで、滑り過ぎてドリフトが成立しなくなる可能性が大です。
パッセンジャーが定位置に戻ってる時を除き、右曲の時の側車は「軽くなっ
てる」んで左斜を止めるブレーキとしては期待できません。「左曲の対称が
右曲」に『ならない』し、姿勢制御として「単純にヤバい」なら、力学的に
安定してるからドリフトが成立するんであって、成立しないということは力
学的に不安定を意味する訳ですよ、ヤバいでしょ。ニーラーが安定する前提
で高速走行してて、実は「不安定でした〜」でカーブ突っ込んだら、錐揉み
するかスピンするかない(前輪ロックしたら木の葉返り)でしょ。テクニッ
クの許容量は勿論各ニーラーでまちまちとして、画を観てる限り、どう考え
ても左曲より右曲の方が難しいんですよ、高速通過するなら。これを裏付け
るのがラス前の主人公バディの右スピン。作中では右カーブで石灰粉で滑っ
た(油漏れの応急処置。普通イエローでしょー)事になってます。滑った→
ステアは右でパッセンジャーは駆動輪上→上から見て時計方向にスピン、側
車浮く→パッセンジャーが左後ろへ吹っ飛ぶ(左足負傷(左なのがミソ))
→側車が再接地してもしばらくスピン。側車が浮いてて平タイヤの角で走っ
てる最中に滑ったらそうなりますわな。
 偶然なのか狙ったのか分かりませんが、三宅島のコースは島の周回道路を
「左」回りです。もちろん右曲もありますがコースは全体的に「左曲」です。
「右曲の方が高度だから」とうかがえます。
 では「右」のドリフトは無いのか? あります。画も、見てる分には右曲
も基本はドリフトでクリアしてます、当たり前にドリフトしてます。ただし、
おそらくモーメントが釣り合うところなんぞ“点”でしょうから、たいがい
難儀でしょう。だから“調整代”がパッセンジャーの重心移動な訳で、駆動
輪の上の『やや左側』にいると有利(錐揉み転覆するくらいならZ軸左回り
をプラスにする方がマシ)じゃろ?と思うんですが、“点”を攻めるのがト
レンドのようです。と言うか“点”を攻めないとタイムが出ない。「右曲」
するのにパッセンジャーがエンジンより「右」にいたら危なかろうと思うん
ですが、「転覆『しなければ』良い」と解釈すれば(だから“点”を攻める
必要がある)、側車を積極的に浮かせればニーラーとしては曲がりやすくな
ります、理屈の上では(右曲の場合ですよ、側車は“抵抗”なんですから)。
で、ドリフトするなら駆動輪は全部接地、、、が望ましいワケですよ、角は
滑る(滑りやすい)んですから。全部接地が成立する位置にパッセンジャー
いたら最高ですが、ズレたら? 右へ行き過ぎてたら? だったら、平タイ
ヤを扁平させて「角」を「角」じゃないよう出来ない? 扁平させて「接地
幅をなるべく稼ぐ」と、稼いだ分ドリフト域が出来るんじゃネ?と考えられ
ます。パッセンジャーが右へ移動するだけで右曲出来るとして、同時に駆動
輪を上から押し潰すように体重をかければ、かけた分角が扁平してドリフト
域が生まれます。従って右曲ドリフトは不能ではないんです。ただし左曲の
時ほど路面の接地摩擦は期待できないし(ただし全部接地はあり得えます)、
側車という「保険」がありません。また左曲は「引っ張りの釣り合い」でド
リフトして、本車の重心アライメントも引っ張り側に働きますが、右曲は引っ
張り『だけじゃない』ような気がしてならない。「側車が軽い(パッセンジャー
がいない)」んで左曲より『繊細』←調整代が小さい=ドリフトが成立する
範囲は狭いと考えられます(全部接地でなければですが)。ので、左曲でス
ロットルを開けるという画はあるのですが、右曲はスロットルはそのままっ
ぽい or ブレーキ踏んでる画が1回だけある(これが覆るのがラス前ですが
後述)。スロットルを戻すと減速します(これがエンジンブレーキ)し、ブ
レーキ踏みゃ勿論減速します。でも、ドライバーは当然減速したくない。と
は言え「進入速度」っつーモノはあるんですよ、「これ越えたら危ない」っ
てゆー「しきい値」が。右曲の方が難しいんですから、相対的に右曲の「し
きい値」の方が厳しいと考えられます。左曲は“遊び”があるけど、右曲は
“きっちり”と言うところでしょうか(ほら、右曲の方が難しいでしょ)。
パッセンジャーが側車を浮かせ「過ぎる」と『点』を越えて転覆、逆に「足
りない」とアンダーステアする可能性が大でドリフトしないし、そもそも旋
回力が生まれないから左へコースアウトするんじゃネ?と。
 この“理屈”を踏まえて、洗練して「欠点」を全部「利点」に置き換えた
のが『コーチの嫁』バディです。何がすごいかと言うと、150行ほど上で
書いた「ジャックナイフ」で曲がるんですよ。「ンなワケ無かろう!」と思
うんですが、一応成立するんです。条件は「適度に後ろが浮くこと」。つま
り前輪だけで「1本立ち」するんです(え〜〜〜!)。「ニーラーを振るヨー
イングはどこから得るのか?」という疑問が無くは無いですが(1本立ちす
る直前に僅かでもヨーイングが存在したら慣性で回りますがさてさて)。浮
けば良いので、進入速度は速くても良い(その分カーブに突っ込める)→手
ブレーキ(普通は前輪ブレーキですが詳細は後述)で前を半ロック→側車ご
と後ろを浮かせる→前輪を支点にしてヨーイングを時計方向に起こす(この
間ニーラーは『前』に動いてる)→速やかに後ろを再接地(半ロックを緩解)、
っていう「いやいやいやいやいやいやいや!」って手順で一応説明できるん
ですよ(画は右曲の場合=難しい方)。これを“物理的に”一瞬で解決させ
てます。“物理的に”一瞬ということは、時間微分が発散しますから、余裕
時間が「存在しない」。だからジャックナイフは普通コケるんです。ジャッ
クナイフ起こして制御不能になる前に存在する「一瞬」で全て解決できるの
であれば「ジャックナイフ曲がり」も出来なくはありませんが(いよいよタッ
クインみたいです)、分かっててもやりませんし、“物理的一瞬”の間に横
転します。10ccのポケットバイクなら真似事ぐらいはできるかな。
 しかも再接地直前にスロットル全部開けて駆動輪の慣性モーメントを稼ぐ
と、再接地した瞬間に(摩擦不足の間は一瞬ホイルスピンしますが)、ドリ
フトより速くダッシュ出来るんです(結果、右カーブ攻めが短時間で完了す
る)。
 一見良い事ずくめのようですがいやいやいや、ジャックナイフって(ごく
僅かに安定域があるとはいえ)不安定挙動でしょ。(作中では)避けたい事
を全部利点に変えて高速通過するんですよ。もはや「曲」を越えて「折」。
「へ」ですよ「へ」。そりゃ速いでしょうよ。側車ごと浮くんで右も左もお
ケーですよ。でも「『側車も』浮く」ジャックナイフって何?? フロントフォー
ク折れるぞ。浮いてる間パッセンジャーはどうなるんだ?

 この走法って、「ドリフト使わない」んです、お分かりでしょうか。ドリ
フトする前提でカーブしてるのに。しかも高速通過が難しいヘアピンであれ
ばあるほど有効です、『机上では』。反射媒体が無いのに“反射”するんで
す。空中で「へ」ですよ「へ」。


 つーことでパッセンジャーは走行中は何かしらゴソゴソしてるという訳で
す。だから側車には座席が無くて「座『板』とステー(にぎり棒)」。多分
聖は乗らないでしょうな(それはばくおん)。見てるだけで玉ヒュンですわ、
あたしゃ乗りたくない(怖い)。

 と言う具合に、単に曲がる(ただし高速)だけで「曲乗り」になるという
香ばしい乗り物がニーラーです。言われなければ「スキー・ジャンプ(ペア)」
並みのサーカスです。タイムアタックじゃなかったら芸術点があっても良さ
そうです。


 で、

カツヒコさんが隠してたのか、原作者殿が隠していたのか存じませんが、三
宅島の周回道路をコースに設定しています、本作は。もちろんカーブもあれ
ば「坂」も有ります。「谷(底)」もあれば「山(頂)」もあります。ニー
ラーは「側車フルカウル」です。山(頂)を高速で通過すれば

「飛ぶ」よね。

 飛ばなくても「浮く」よね。
(バウンドはしますが、「バウンド」と「浮く」は違います)

 走行風の逃げ場が基本的に無いんで(フルカウルですから)、車体下に入っ
た風は車体(主に側車)を持ち上げます。ニーラーは前が軽いんで、前が上
がりやすいと考えられます。つまり浮き(又は飛び)やすい。あれだけ投影
面積があれば浮きそうですが、ダウンフォースが十分なのか、そういう絵が
出てこないんでラス前まで「?」だったんですよ、右左曲はあれだけリアル
なのに。そしたら、

       やりやがった。(かなり誉め言葉)

       やられた。


 ラスト「だけ」に適用する前段がありますので再び講釈。
 現実の2輪車は、

右手:前輪ブレーキ
左手:クラッチ
右足:後輪ブレーキ
左足:変速機


で操作します。ブレーキは油圧で倍力させます。クラッチはクラッチ板の方
にバネが入ってます。変速機は通常クラッチと併用しますが、クラッチ使わ
ずに無理矢理変速することも不可能ではないそうです。実際麻上の4輪車は
クラッチ踏まなくてもアクセル合わせで変速できます(勘でシンクロさせて
ます)が、2輪車はクラッチ切らないと変速出来ません。大型4輪はインター
ロックが効くのでこれもノークラッチでは変速出来ません。
 これが、前述の様に作中では足が入れ替わってます。また左手の画があり
ません(レバーは有るので“何か”してる)。ので、

右手:前後輪ブレーキ(予備ブレーキと称している)
左手:?(レバーはある)
右足:変速機
左足:前後輪ブレーキ(予備ブレーキがあるなら「主」ブレーキか?)


というのが11話(ラス前)までです。どうも油圧は使ってない模様です。
手力より足力が強いのは承前、手と足で制動力を使い分けているようです。
これを改造して、

・右手と左足を入れ替える(予備と主を入れ替え。力が弱い手力で制動)

・右手のブレーキユニットを3つに増設(レバー3本をレバー端で無理矢理
 1本にまとめる)


それでも制動力が足りないのでカーブ前での減速を強いられます。そこでも
う1改造。

・油圧器搭載(ブレーキの倍力装置)


#これらがそのまんま伏線になります。


重くなるためなのか、そもそも必要無いのか(カンチレバー式で十分なのか、
でもディスクブレーキではある)、ここで油圧が出てきます。ということは
普通は「人力」でニーラーを止めていることになります(梃子は使ってるで
しょうが)。つまり、前後同時に制動がかかり油圧で倍力することで

・ロックが可能になった(前後の倍力比は不明ですが、後輪もロックしてる
 画があります)


で本稿に戻って。
 さすがにカツヒコさんがこれだけ「理論武装」出来るとは思えないんで原
作者殿の“隠し玉”だったんでしょうな。あの発想はバイク屋かレーサーの
発想でしょう。
 主人公(達)がレースを一度“放棄”したのに、雨でイエロー出てセーフ
ティで他車が並んでたという「偶然」。それをイエロー解除と同時に後ろか
ら全速力(600ccの全速力!)でまくったという「超ご都合主義」。時
間的に明らかにおかしいけど、

#そういうご都合主義は大好きだ!
#高いエンジン音もっと被せてたら完璧だ!

##エキゾーストのドップラーが分かってるーーー!


・改造が活きるその1

 麻上が「?」と感じてた「山」(ジャンプ台)、やっぱりあった、ラスト
まで隠してやがった。あの「山」が相似形で存在したとして(作中の山は大
き過ぎる)、ほぼ停まらないと鼻先と側車のテールが引っかかる、、、ぐら
いの「山」があり、だから作中でもわざわざ「立体シケイン」と注釈入れて
いて、各車「そろそろ〜〜〜」っと通過してるのに、主人公バディは全速力
で「山」に突っ込んで、鼻とケツ引っかけながら(としか見えない)大ジャ

ンプ(誇張あり)。

#やっぱり隠してたか!

##鼻先アンダーカットしてる! 今気付いた(ダウンフォースが甘くなるぞ)。
  ついでに鼻先に補強が付いてるのも今気付いた(実は初回からなってる)。


 ジャンプですから前が上がります。そのままだとケツから“墜落”します。
接地が離れてから全力でブレーキかけて(手力ですが空中で油圧付き)前後
輪を瞬間でロックさせると(後輪だけでも可ですがここでは前後とも)、前
に回ってたフライホイール(車輪ね)を止めますから、前を下げるように慣
性モーメントが効きます。つまり空中で姿勢制御が出来るんです。X軸回り
だからピッチングか? ヨーイングも効いてるハズですが、慣性質量の方が
勝つか。

#よく思い付いた!!

##この間スロー。魅せ方分かってるわ〜。



 後輪から接地したらよりリアル(飛行機は『絶対』前輪から着陸しない)
ですが、前輪から接地しても『転覆しなければ良い』ので、緩解していれば
可。前向きの慣性質量で車体は前へ出て、ニーラーの自重で自然に後ろが接
地します。接地する直前に駆動輪を全力で回せば、接地した瞬間にダッシュ
出来ます(だからフロント折れるって)。
 全力でジャンプして姿勢制御できて着地点が確保できれば、跳躍内にいる
他車はごぼう抜き。

#そういうご都合主義は大好きだ! 何回見返しても飽きない。

##惜しい!ロック音がちょい低い、それはアスファルトとタイヤのフルブ
  レーキ。合成シューとディスクでフルブレーキ高音なら激アツ確定(た
  だし一瞬ぞ)。


・改造が活きるその2

 ブレーキは手力で前後同時に効いて油圧使用中、足も使えるけどドライバー
は足負傷中で「足温存中」という状況です。ウエットですがホーム有利で順
位は2。直ぐ前にリーダーがいます、残り半周切った、攻める所が無い、、、
という所で「油圧」と『足』が活きてきます。同時にラス前の伏線が活きて
きます。分かってるわ〜。
 手力で(空中なら)ロック出来るんですから、(負傷中ですが)足なら無
問題。温存してきた足でフルブレーキ→

 右曲(折?)で前輪半ロックでジャックナイフ。から「木の葉返り」。


ラス前で『コーチの嫁』バディが伏線張ったワザです。綺麗に回収しました
(お見事!)。リーダーは減速(足踏んでた)するもこっちはノンブレーキ

で前へ突っ込む→フルブレーキ→ほとんど木の葉返り。前輪も浮かせて(つ
まり“空中”にいる)ヨーイングで旋回→側車から接地、ダッシュで“折”
脱出。ですから完全に「飛んで」います。「飛んで」いますから、「フロン
トフォークが折れる」とか考えなくて良い?
 普通の感覚だと、単に前輪ロックで制御不能という『事故』です(飛んだ
らどうしようも無い)し、ジャックナイフは「前輪ロック」ですから、前輪
の方が油圧が大きいという前提が必要です。

『コーチの嫁』バディの時は“前後別”のブレーキのF4車(現実の2輪車
はコッチですね、2話でみんなが乗ってたニーラーはこっちのタイプ)。今
乗ってるのはレース用の“前後同時”ブレーキのF2車、という設定です。
通常は足で操作するとの事ですからいよいよCar です。ただし手でも操作可
という事になってまして「予備ブレーキ」として扱われています。「油圧」
が搭載されていないのは前述。ワイヤー引きで操作するなら“梃子比”がど
うなってるのか知りたいですが、まぁ「足の方が力強いよね」です。


が、「前輪の方が油圧が大きい」という画はありません。前述の改造を条件
にジャックナイフが説明出来るか、、、。1つだけあります。ラス前にある

レーシングバイク(ニーラーではない普通の2輪車と思われる)は
            前の方がブレーキ強い。後輪ブレーキは姿勢制御


コレが生きていれば説明出来ます。かつ、乗員が前のめりになっていれば後
ろが浮きます。(設定上)400kgの車体が(ほぼ)フルスピードで足力
油圧でフルブレーキして重心が前にあれば、簡単にジャックナイフ。からの
木の葉返りしますよね〜〜〜(あまり考えたくないですが、怖くて)。条件
が合っているのであれば、ジャンプ後のピッチングの姿勢制御とも矛盾しな
いからすごいんですよ。よくそこまで思い切った(作品として)。
 突入速度が大きいほど木の葉返りになりますが、ギリギリ木の葉返りにな
らない「1本立ち」ならぬ『0本立ち』とは恐れ入った(ジャンプは別とし
て、空飛んだらおわりじゃん)。こうなったら点『でもない』ですよ、多分
「0本立ちなど成立する条件は存在しない(ヨーイングが存在しえない)」。

ありうるとすれば、「1本(あるいは0本)立ちする直前に僅かでもヨーイ
ングが存在するのなら(存在する余地があるのなら)」の1点直撃です。そ
こが最高におもしろい!


なぜに側車から接地したのか不思議だ!(重心は駆動輪にあるから本車後ろ
から落ちるハズ)。でも


#そういうご都合主義は大好きだ!!


本編残り3分!

#30秒の後日談あり


時間割りお見事!




既にコーチ権限が離れてる三木眞(中の人)が「意見」出来るのか、という
のが唯一疑問、「アドバイス」ならともかく。そこの「ご都合主義」だけが
気にかかる、分からなくはないですが(生天目(中の人)は棄権を進言して
るし)。


#ホームストレートでなんで減速する? 動画のコンピュータの設定間違え
 たな(ヌルヌル過ぎるんでもしや)。

##3輪免許? そこは触れてはいけません。禁則事項です。



******敵機襲来!敵機襲来! バルキリー隊全機スクランブル******
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アニメアールを応援しています           麻上 迦楼羅(竹田 貴博)
********六星占術だと、私は土星人になるらしい***********