おはようございます。


f.r.a の水の人担当で樹瑠マスター、
大和郡山のブラストマインダーこと、麻上@ZAQ大阪でございます。


 関西地上波限定かつ麻上の守備範囲内の作品で、6月から7月にかけて終
了した「テレビ用アニメーション作品」の寸評です。いつものようにf.r.
a公式採点方式&公式記号方式(バカ)で採点しています。

#コレ書いてるのは9月末・・・

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●『響け! ユーフォニアム』(サンテレビ<独立U局>)
 総合:5(開始時評価:4)
 ストーリー:5 ビジュアル:4 キャスト:3 楽曲:4 京都
 個人的評点 OP:5 ED:3

#ギリギリを攻める京都

(以下、吹奏楽経験者の弁)

 よくもまぁ、よくこれだけギリギリの所を攻めたなぁ、京都。
「けいおん」みたいにユルくないんで、4班(仮称)じゃなくて3班(仮称)
だと思うんですが、本作はSF要素は一切無いので、自ずと『ガチ』1本勝
負になる訳で、従来の1班(仮称)2班(仮称)3班(仮称)4班(仮称)
のどの守備範囲でもない気もする。5班(仮称)を創ったか?
 そもそも、「ユーフォニアム(若しくはユーフォニ『ウ』ム)」をメイン
に据えた所からしてギリギリです。チューバは知っていても、ユーフォニア
ムを知っている非・吹奏楽経験者が何人いるだろう?「中学生で(体格的に)
チューバは無理なんでユーフォで代用」という話は聞きますが、「ザ・マイ
ナー」ことユーフォニアムにピンスポが当たる日が来ようとは・・・。しか
も、サブの1人がチューバで、もう1人がダブルベースだと(しみじみ)。
フツーに「低音パート」やん。これを「ギリギリ」と表現せずして何と言わ
んや(誉め言葉)。
 本作は、吹奏楽部や、学生吹奏楽団、ブラバンと呼ばれるいわゆるスクー
ルバンド経験者にとっては、最初から最後まで「あー、あるある」のオンパ
レードです。かと言って、「非・経験者の方は立入禁止」にしないところが
京都の仕事の良さです。ライトノベルを読む(おそらく中学生以上)世代な
ら概ね理解できるであろう、しかし影でコッソリ経験者ウケするアレやコレ
やを仕込み・・・、と、両者の境界線を出たり入ったりする実にギリギリな
作り方をしています。まぁ、他のスタジオだったら出来ないでしょうな。
「話」もギリギリなら「絵」もギリギリです。「話」を見ると、子供達(麻
上の目には子供に見える)の成長期を「描き切る」ために“大人”の説明を
バッサリ省いたのは注目に値すると考えます。大人は2人(コレも絞ったん
だろう)出てきますが、桜井(中の人、著作権違反で吊されたあの人ね)は
カスる程度に触れただけ、久川サン(中の人)は数カット出てくるだけ。実
にギリギリで潔い。2期があれば大人2人の身の上話も見てみたい(特に久
川サン(中の人))。

#でも反面、中二病の二の舞になるから2期は止めとけ、と考えてみたり。

 また、およそ吹奏楽部とは関わりが薄いと思われる学校行事もカット。学
校モノなのに「1年1単位1クール」と解釈しなかったのは、従来の作品が
1クールで1年分を扱っていたのと比べると、「10点しかない的を射抜く」
様なギリギリ具合です。おそらくコレは、リアルだと7月下旬〜8月頃に行
われる吹奏楽コンクールの都道府県予選にテレビ放映(配信も)も合わせよ
うとしたものと考えます。放映はリアルで4月スタート、主人公達高校1年
生が入学する所からスタートで、コンクール一点集中の様に話を進めた所を
見ると、狙ったように時期が合い過ぎます。ヘッドスタッフはリアルに1クー
ルで勝負しようとしたんでしょうな。さらにそこで京都府予選で話を切った
のもこれまた潔い。リアルにはこの後に近畿予選があって、その後に全国本
選ですから、全国までやろうとすれば1クールで収めるのは到底ムリ。なら
ばあの様な纏め方を選択したのは賢明と考えます。
「絵」の方もギリギリです。人物描写は京都なら安心ですが、「管楽器をど
う描くか」。これは、ギター族のような弦楽器とは訳が違います。一番簡単
と思われるテナートロンボーンでも、完全に描写しようとすればけっこうな
線数になります。ポジションも一応気にした様です(6番7番が(単純に長
いから)画角的に描き切れなかったか? 1番と3番ばかり見覚えている)。
他の金管楽器なら簡単に役満・倍満に跳ね上がります。

#フレンチホルンを全部メロフォンに置き換えたら幾分楽ですが、それはそ
 れで「左右が逆だ」と言い出す“早とちりサン”が出るだろうな。
#ダブルリードとリップリードは唇を描かなくていいから、シングルリード
 とエアリードよりは楽か。

木管楽器なんて、再現性を追求したら「やってられるかーーー」的な事態に
つながります。なので、吹奏楽経験者からツッコミが出ない程度に描写を省
略、あるいは「引き」の絵でしのいでいまして、この「省略の境界線」がか
なりギリギリです。しかしそこは京都、「省略できない線」と「省略『でき
る』線」の見極めが実に巧み(匠)です。ヘッドスタッフはおそらく管楽器
の実物を見てる(だってヤマハが協力ですよ)と思われますが、他のスタッ
フさんはカタログか何かの写真を見て管楽器を描いているでしょうから、忠
実性を求めると被写体が小さ過ぎて無意識に楽器が大きくなってしまったん
でしょうな。たまにスケール(身長比)がおかしくなって(設定表にはある
と思うんですが)、ユーフォが「チューバ?」並に大きく見えたり、チュー
バがデカ過ぎるなど「ギリギリ、アウト」になることもしばしば。そんな中
でヘッドスタッフは「管楽器のリアルさ」を求めたようで、描いたは良いん
ですが持続時間がどうしても短くなってしまいました。量より質を選択した
と考えますが、楽器(打楽器含む)の描写時間(マッピまでだったらそこそ
こ有るんですが)となると果たして。さすがにメインの楽器であるフーフォ
ニアム、サブであるチューバ、ダブルベース、トランペットは何とかした様
ですが(それでもヲゃ?と思うところはあった)、それ以外の特に木管楽器
の省略加減は実にギリギリな所で乗り切った感があります。京阪(京都とし
てはココは譲れないんでしょうな)をあそこまでリアルに描く体力が有るの
なら、中二病の京津線レベルで留めておいて余力を楽器に回してくれという
気がしなくもないですが。麻上もソプラノフルートとトランペットとテナー
サックスを所有していますが、「絵にしてくれ」と言われてもムリとお断り
します。しかも絵画じゃなくて「動画」ですからねぇ。何枚原画を描いたん
だろう? どこまでコンピュータの力を使ったかは存じませんが、「サンジ
ゲンだったら出来るのかなぁ」と思ってみたり。

#管楽器はムヤミに分解してはイケマセン(一応、ツッコミ)。


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