2007.01.20 Palace of Arts, Bartok National Concert Hall (Budapest)
Gabor Hollerung / Dohnanyi Orchestra Budafok
Budapest Academic Choral Society (2)
Budapest Youth Choir (2)
1. Bernstein: Divertimento
2. Vajda: Variations
3. Grofe: Grand Canyon suite

最上階3階(日本で言う4階)の最後列という,ステージから最も遠い席を
初体験したのですが,正面だったので,これが意外と悪くない(そもそも,
楽団員用のチケットを工面していただいたので,贅沢は申せません)。
オペラグラスで見てもまだ小さいという舞台の遠さはどうしようもありま
せんが,ステージ全体はよく見渡せ,音的にも問題ありませんでした。

さてこの楽団は,1970年リスト音楽院の学生らを中心に結成され,1989年に
著名なハンガリー人作曲家エルンスト・フォン・ドホナーニの名を冠して
「ブダフォキ・ドホナーニ・エルヌー交響楽団」と改名,1993年にプロ化
した,比較的歴史の若いオーケストラです。実演を聴くのは初めてでした
が,演奏会スケジュールを見るにレパートリーに節操がなく,日程も過密な
ようなので,慢性的練習不足に陥りやすい楽団なのかなと,正直言って
あまり期待していなかったところ,なかなかどうして,立派な演奏でした。
指揮棒を使わず,振り方が何となく「テキトー」に見えるのですが,出て
くる音はパートバランスがしっかりして,メリハリも効いて,勢いが感じら
れる演奏でした。団員のほとんどは若く,管楽器は正面突破めざして撃沈,
みたいなキズも多々ありましたが,オーボエなどなかなかよい音を出して
いて感心しました。開演30分前に指揮者による楽曲解説があったのですが,
20分間絶え間なく,まーよくしゃべること。その憎めないキャラクターと
話術で,楽団員を乗せるのが非常に上手い人なんでしょうね。

バーンスタインのディヴェルティメントは全体的によく鳴り,ちょっと
重めの演奏。ヴァイダはもちろん初めて聴く曲だったのですが,出だし
こそハンガリー民謡調だったものの,あとは古典のカンタータ風で親しみ
やすい曲でした。メインの「大峡谷」は,ステージ後方のスクリーンで
スライドショーを上映しながらの演奏だったのですが,このスライドショー
がイケてなかった。もちろんグランドキャニオンの写真が中心なのですが,
鳥のさえずりでは鳥のアップ,ロバの行脚ではロバのアップ,日の出,
日没,雷雨でもそのまんまのシーンが恥ずかしげもなく出てくるという,
あまりにもベタな写真選択。加えて,安直なトランジット効果の多用が,
いかにもパソコンのソフトで取り急ぎ作ってみました,という空気をぷん
ぷん醸し出し,会場の失笑を誘っていました。こういう自然描写を音楽で
表現するのが素晴らしいのだし,演奏もそれなりにがんばっていたのに,
スライドショーは気を散らすだけ,正直言って邪魔でした。無い方が
良かったかなー。笑いを取るのが目的だったのなら話は別ですが。

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はっしー@ぶだぺしゅと 演奏会備忘録
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