ハンガリー国立歌劇場:皇帝ティートの慈悲
2006.11.26 Hungarian State Opera House (Budapest)
Gyorgy Vashegyi (Cond), Daisy Boschan (Dir)
Tomothy Bentch (Titus), Monika Gonzalez (Vitellia)
Andrea Melath (Sextus), Eszter Wierdl (Servilia)
Eva Varhelyi (Annuius), Ionel Pantea (Publius)
1. Mozart: La clemenza di Tito
「モーツァルト祭り」の2つ目は最晩年のオペラ・セリア「皇帝ティート
の慈悲」です。モーツァルトの後期作品の中では最もマイナーな曲と言わ
れていて,実は私も,見るのも聴くのも今日が初めてでした。1回だけ
ではよくわからんですが,アリアの美しさとオケの渋さは,十分円熟を
感じさせるものだと思いました。
本日も歌手陣はセルヴィリアが時々うわずり気味だった他は総じてレベル
が高く,特にセスト役(元々はカストラートの役だったんですなー)の
メラート・アンドレアは,前日の「魔笛」に続き連チャン出演だったにも
かかわらず,豊かな声量で素晴らしい熱唱。最大の喝采を持っていって
ました。今日はなかなか国際色豊かな歌手陣で,ティート役のベンチは
アメリカ生まれ,ヴィッテリア役のモニカ・ゴンザレスは,その女子プロ
レスラーみたいな名前とはうらはらにほっそりした容姿のイタリア・ハン
ガリーのハーフ,プブリオ役のパンテアはハンガリー系ルーマニア人だ
そうです。特にベンチはハンガリー系アメリカ人でありながらも,その
外見と,専門的なことはわからないのですが歌い方そのものが,他のハン
ガリー人歌手と比べて明かに異質で,その「異形さ」が今日のティート
という孤高の皇帝役にはよくマッチしていました。アメリカで学ぶ発声
方法が,何か欧州のそれとは根本的に違うんでしょうかね。
オケは,序曲からぴしっとひき締まった好演で,決して歌手よりも出しゃ
ばらない,ほどよく抑制の効いた渋い演奏をなにげに聴かせておりました。
バセットホルンのソロが非常に上手くて感心しました。今日と比べると,
やっぱり昨日のコヴァーチおじさんはオケの統率がイマイチでしたな〜。
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はっしー@ぶだぺしゅと 演奏会備忘録
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