マズア/ロンドンフィル:シューマンP協(ホワン),ブラームス2
2006.10.26 Palace of Arts, Bartok National Concert Hall (Budapest)
Kurt Masur / London Philharmonic Orchestra
Helen Huang (P-2)
1. Mendelssohn: Hebrides overture, Op.26
2. Schumann: Piano Concerto in A minor, Op. 54
3. Brahms: Symphony No. 2 in D major, Op.73
チケットを買ったときにはプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」抜粋
とブルックナー4番が演目のはずだったんですが,気付けばガラリと曲目
総入れ替え。ただでさえ日本から戻ってきたばかりで時差ぼけが残って
いるのはわかっていたので,最初からこの演目だったらチケット買ったか
どうかわからないです。ヤラレタ!特に「ロメ・ジュリ」は昨年もバレエ
の公演を出張のため逃してしまったし,どうも縁がありません…。
まあ,とは言ってもロンドンフィルもマズアも生で聴くのは初めてなので
貴重な体験ではありました。来年もう80歳を迎えるマズアは足どりが時々
ふらついていて,顔の表情もさえず(いつもこうなのかもしれませんが),
調子があまり良くなさそうに見えました。ロンドンフィルは,弦などは
非常に綺麗な音色でアンサンブルも良かったのですが,管楽器がどうにも
迫力不足,ソロもヘタリが多く,全体的にはメリハリなく淡々とした演奏
という印象です。「目の醒める」ような演奏ではなかったので,途中で
時差ぼけに負けてしまいました。昨年,シューマンP協+ブラームス2番
というまさに同じ演目でブダペスト祝祭管を聴いたのですが,私の感想
では祝祭管のほうがよほどしっかりした音を出していて心に残り,圧勝
です。
日本生まれでアメリカ育ちの台湾人若手ピアニスト,ヘレン・ホワンは
これまたさらりと淡白な演奏で,オケの伴奏と妙な一体感がありました。
アンコールで弾いた「トロイメライ」を聴いても,名人芸的な演奏より
表現力を大事にしているのがわかりましたが,ちょっと大人しすぎる
ような。昨年同曲で聴いたルプーのように百戦錬磨,変幻自在の表現力
には及びませんが,男勝りで直線的なグリモーとは正反対の女性らしい
曲線的な個性で,対比はなかなか興味深かったです。
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はっしー@ぶだぺしゅと 演奏会備忘録
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