足立区教委が、学力テストの成績で、上位の学校には予算を手厚く、下位の学
校には予算を薄くつけるように決めたそうだ。
公立学校の教育行政の馬鹿さ加減もここまでくるとサジ投げ状態だな。
大体、公立学校というのは、どこの学校に行っても、まあそれなりの同じよう
な教育水準にあるということから、親は安心して公立に子供を入れるのだ。
そもそも公立の小中学校の児童・生徒の学力レベルというのは、おおむね地域
間格差である。高級住宅が建ち並ぶような地域の学校の学力水準はおおむね高
いが、木賃アパートが密集しているような下町地域の学校の学力水準は大体低
いものと決まっている。学校自体の努力で、このような平均的傾向が修正でき
るというようなものではない。
足立区の学校が23区で一番成績が悪かったという話だが、足立区は後者の傾
向が強い典型的な地域であり、成績が悪かったとしても当たり前の話で、あわ
てるようなことではない。
予算というエサで競争させれば学力が低いところもあがるという考えなのだろ
うが、そんな安易なものではない。そもそも予算がどうのこうのという話は、
児童・生徒にとっては無関係な話である。教員にとってはそれは予算は多いに
越したことはないだろうが、教員にとっても、予算が多かろうが少なかろうが、
やるべきことをやるだけだ。
このような措置は単に地域間格差を拡大させるだけで、決して学力レベルをあ
げることにはつながらない。
こんな措置は、より一層公立の地位を低下させるものでしかないということを
足立区教委は理解すべきだろう。