2006.04.14 Palace of Arts, Bela Bartok National Concert Hall (Budapest)
Ivan Fischer / Budapest Festival Orchestra
Miklos Perenyi (Vc)
1. Mihaly: Concerto for Violoncello and Orchestra
2. Kurtag: Stele, Op.33
3. Bruckner: Symphony No.9 in D minor, A.124

国立コンサートホールは最近ホール名にベーラ・バルトークの名前を
冠する決定をしたそうです。今後はバルトーク・コンサート・ホール
と呼ばれることになりますが,バルトーク記念館ホールがすでにある
のでしばらく混乱を招きそうです。

さて,ミハーイ・アンドラーシュのチェロ協奏曲は予想に反して非常に
古典的な構成の曲で,スラブ風のロマンチックな旋律が随所に聴かれ,
19世紀後半のロシアのバレエ音楽のような雰囲気です。ペレーニさんは
相変わらず背を丸めてよぼよぼと登場し,大丈夫かいなと思ったのです
が,いったん楽器を取ると打って変わって若返り,なめらかで艶のある
音でハツラツとした演奏を聴かせてくれました。

Steleは「墓碑」を意味するギリシャ語で,アバド/ベルリンフィルに
捧げられた曲だそうですが,そう難解でとっつきにくい曲ではなく,
どこかプリミティブで不思議な雰囲気を持った曲です。舞台後ろに
ずらっと並んだ12人のコントラバス奏者が圧巻でした。実はクルターグ
の曲も聴くのは初めてなのでした。

私はマーラー好きのくせにブルックナーはその冗長さがどうも苦手で,
普段は敬遠しているので演奏の良し悪しとか「ブルックナーらしさ」に
ついてははっきり言ってよくわからんのですが,重心が低くダイナミック
レンジの広い,骨太でちょっと重めの演奏でした。重厚な弦と馬力ある
金管に挟まれて,木管の印象が非常に薄かったです。最後はもうちょっと
デリケートに終わってくれた方が良かったかなと。

以上3曲とも祝祭管にとって今回が初演奏だそうです。フィッシャーは
これが今シーズン最後の演奏会になりますが,アンコールも挨拶もなく
やけにあっさりと終わりました。何にせよ今シーズンは数多くの好演を
聴かせてもらったので,心からブラヴォーを送りたいです。

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はっしー@ぶだぺしゅと

演奏会備忘録 <http://www.ne.jp/asahi/hot/space/concert/>