ご回答大変ありがとうございます。
>> すいません。"図式"というのは上記のような概念の理解を
>> 視覚的に捉えるための表記法の事で
>> その図式が"可換な"というのは何ういう意味なのでしょうか?
> 矢印に沿って写像を合成したものが, 途中の経路に依らない
> ことです.
"経路に依らない"とは f=ι_w^-1○ψ_A○ι_vと風に写像が等しくなるという解釈でいいのですね。
>> 可換な図式を調べてみたのですが "可換な"とは
>> どういう図式の事か分かりませんでした。
> # 「圏」の話でも可換な図式は出ていました.
ええーと,
http://www.geocities.jp/merissa0/study/linear_algebra/diagram_20090816.jpg
のようにobjects a,b,cがあり,fとgが合成可能対で,dom(g○f)=domh,cod(g○f)=codhの時,
"合成射g○fとhは可換である"といい,この時の図(式)は可換図式と呼ばれるのですね。
>> つまり,Vの任意の元Xに対してfを辿ってV→Wと写しても,
>> ι_w^-1○ψ_A○ι_vを辿ってV→Wと写しても f(V)=ι_w^-1○ψ_A○ι_v(V)
>> となる時, この図式は可換であるとか言ったりするのでしょうか?
> 直接には V から K^n への写像,
> ψ_A○ι_v と ι_w○f が等しいことが
> 可換であるということですが,
必ずしも逆写像が存在するとは限らないので,逆写像を使わない場合での2つの合成写像が等しい場合にそれら2つの合成写像は可換であるというのです
ね。
ここでの"可換"とは群論とかでの"可換"(順序を入れ替えれる)という意味ではなく,"置き換えれる"という意味なのですね。
> ι_w は(又, ι_v も)同型写像ですから,
> f = (ι_w)^{-1}○ψ_A○ι_v としても
> ( ψ_A = ι_w○f○(ι_v)^{-1} としても)
> 構いません.
ありがとうございます。納得です。
>> ここで{v_1 v_2 … v_m}はVの基底で xはx=t(x_1,x_2,…,x_m)は
>> v_1,v_2,…,v_mの係数ベクトル (つまり,X=Σ_{i=1}^m x_i v_iという関係)ですよね。
> (残念ながら)普通そう書きますね.
ええ!? つまり,f(v_i)=Σ_{j=1}^n a_ij w_j (但し,i=1,2,…,m)と定義すれば
http://www.geocities.jp/merissa0/study/linear_algebra/matrix_representation_20090816.jpg
とそのまま行列表示できシンプルですが
f(v_j)=Σ_{i=1}^n a_ij w_i (但し,j=1,2,…,m)と定義してしまった為に,行列表示する際に
http://www.geocities.jp/merissa0/study/linear_algebra/transpose_matrix_representation_20090816.jpg
という具合に転置する必要があるのですね。
f(v_j)=Σ_{i=1}^n a_ij w_i (但し,j=1,2,…,m)ではなくf(v_i)=Σ_{j=1}^n a_ij w_j
(但し,i=1,2,…,m)と定義しても差し支えは無かったのですね。
>> 今,X=Σ_{i=1}^m v_i x_iの意味なさっているのですよね。 どうして(v_1 v_2 …
>> v_m) xという風に右から係数を掛けれるのでしょうか? (v_1 v_2 … v_m) xもtx
>> t(v_1 v_2 … v_m)も1×1行列ですが 係数とベクトルは一般には可換ではない
>> (v_i x_i=x_i v_iは成り立たない)ですよね。 Vは左加群であって右加群ではありませんよね。
> いいえ, 今, V は右加群と考えています.
なるほど。Vは線形空間ですよね。線形空間の定義は左加群でスラーが可換体をなすものですよね。
勿論,右加群として線形空間を定義する事は可能でしょうが,ここのVは右線形空間とみなすのですね。
> 体 K の元を係数とする n×m 行列 A を
> m 次のタテベクトル x ∈ K^m に左から掛けて
> n 次のタテベクトル y = A x ∈ K^n を作り,
> x に y = A x を対応させる
> K^m から K^n への写像 ψ_A を考える時,
> それが線形写像になるのは, K^m, K^n を
> 右ベクトル空間と考える場合です.
なるほど。もしf(v_i)=Σ_{j=1}^n a_ij w_j (但し,i=1,2,…,m)と定義すればA:=(a_ij)はm×n行列ですか
ら
K^mをm次の縦ベクトルの線形空間,K_mをm次の横ベクトルの線形空間とすれぱ
K_m∋∀x→ψ_A(x):=xAと定義でき,VとWの基底をそれぞれ[v_1,v_2,…,v_m],[w_1,w_2,…,w_n],
これらの基底に関する線形写像f:V→Wをf(v_i):=Σ_{j=1}^n a_ij w_j と定義すれば
v:=v_1=(1,0,…,0) t(v_1,v_2,…,v_m)の時
http://www.geocities.jp/merissa0/study/linear_algebra/commutative_diamgram_20090816.jpg
のようにf(v)の像は直接fを施した場合とι_w^-1○ψ_A○ι_vの場合の像いずれも
(a_1j,a_2j,…,a_1n) t(w_1,w_2,…,w_n)となり,一致するので
f(v_i):=Σ_{j=1}^n a_ij w_j と定義した場合でも可換図式になっていると言えると思います。
> 実際, K が四元数体などであれば, そう考える他,
> 仕方がありません.
:
> 「〜の〜倍」という言い方に慣れることができなかった
> 西欧人を怨んで下さい.
つまり,f(v_i):=Σ_{j=1}^n a_ij w_jと定義しても
http://www.geocities.jp/merissa0/study/linear_algebra/commutative_diamgram_20090816.jpg
という風に可換図式をなし,更には
http://www.geocities.jp/merissa0/study/linear_algebra/matrix_representation_20090816.jpg
とそのまま行列表示もできシンプルですが
西欧人の文化的背景により,(常に行と列の逆転に気を配らなればならない)不便な
f(v_j)=Σ_{i=1}^n a_ij w_i (但し,j=1,2,…,m)という定義が定義が定着してしまったという訳ですね。
これは実に興味深いです。漸く,f(v_j)=Σ_{i=1}^n a_ij w_i (但し,j=1,2,…,m)という定義の謎が晴れそうです。
> 結局, K^m と同型である V も右ベクトル空間として
> 扱うのが「正しい」のですが, 普通の体 K については
> 区別が付きませんので, 左ベクトル空間であるかのような
> 記法が通常使われます.
ありがとうございます。
結局,f(v_i):=Σ_{j=1}^n a_ij w_j (但し,i=1,2,…,m) と定義しておけば行列表示した場合にそのまま記述できた
のですね。
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