超進歩的文化人たちが政党を結成しました。
彼らは自分たちの政党を「超進歩的文化党」と名付けました。
超進歩的文化党は次第に躍進し、ついに選挙で多数をとりました。
彼らが最初に実施した政策は、かれらにとっての最優先課題「金持ちの税金を高くし貧乏人に篤い保護を」でした。
自分で汗水たらして働いて収入のある人間たちの税率は99.999999%になりました。
そしてその税金は働かずに怠けて収入のない人間達にばらまかれました。
働く人間たちは「働けど働けど我が暮らし楽にならざりし、じっと手を見る」生活になりました。
働く人間の子供たちは、つぎはぎだらけのボロボロの服をまとって、いつでも腹を空かしておりました。
栄養失調で頬はこけ、目だけが異様にぎらぎらしておりました。
彼らのまわりにはいつでも蝿がぶんぶんとたかっておりました。
飢えのあまり餓死する子供たちも少なくありませんでした。
一方で働かずに怠けた人間たちには国家から篤い保護が与えられました。
現金がバラバラと洪水のようにばらまかれました。
彼らはその現金を湯水のように浪費します。身の回りのものは超高級品やブランド品ばかりです。
働かずに怠けた人間の子供たちはヨットを趣味にし、ポルシェやベンツを乗り回していました。。
自分たちが汗水たらして働いたお金をばらまいたのではありません。
他人が汗水たらして働いたお金を取り上げて働かない人間たちに配ったのです。
そしてそういう自分たちをサンタクロースや義人や聖人と考えました。自分たちを「ススンデイル」と高らかに誇り、それに対して疑問を表明する人たちをは「オクレテイル」と呼んで馬鹿にしました。

 そのような状態が恒常的になりました。
いつしか働かずに怠けた人間たちは「貴族」と呼ばれるようになりました。なかでも最も働かずに怠けた人間は「皇帝陛下」と呼ばれるようになりました。
働く人間たちは「奴隷」と呼ばれるようになりました。
このようにして超進歩的文化人たちの理想の国家「大ローマ帝国」が出現しました。