渋谷@家から です

『乙女はお姉さまに恋してる」第10話「二人のジュリエット」に関して
恒例のゲーム-TVアニメーション間の異同集やります。
その前に決め事の整理をしておくのも無駄ではないでしょう。

原作ゲームでは「第五話 華麗なる陰謀劇(マスカレード)!?」
というサブタイトルで11月のイベントとしてとりあげるのが自然な学園祭
の準備から当日のちょっとした騒ぎが進行します。

一方アニメでは前回である「第9話 まりやの気持ち」と今回第10話の2回
で原作ゲーム第五話相当の時間経過が描かれています。

…というかAパートは異同どころか何から何までゲームと持って行き方は
違います。ゲームと背反するとまではいいませんが。違いばっかりを強調
したらどっちみちアニメとゲームは別物ですしね。

前口上はここまで。

・まりやが学園祭直前に寝込むほど体調くずしていない。

だから必然的に瑞穂が看病するシーンはどこにも居場所がないです。

・上記シークエンス欠如が不自然にならないように
 いつのまにかまりやの自覚で瑞穂との不仲が解消している

というのがゲームのまりやエピソードの盛り上がりに比べると必然的に小ぶりですね
でも見方を変えるとまりやさんを自制心のある人物として描いているという
積極的な評価も可能なのかも。

・貴子さんが学園祭前の食堂でお姉さまに「例年この時期は教室が展示準備のため生徒が」
 などと穏やかに話しかけている。

奏の服装を注意するとかエルダーに生徒会劇出演をお願いするといった
形ある用件でないのに瑞穂に話しかけるシーンというのは
ゲームでは世界史の授業中以外ありなかったのに脚本は大胆に手を入れてますね。
前回終わりで貴子がまりやに質問した「お姉さまはわたしの敵味方どちら?」の答が
ゲームとも違った形で進行していることを匂わせていることにもなるでしょうか。
まだアニメでは明かされていませんが、貴子はまりやに何を言われたんでしょうね?

・まりやのクラス展示のプラネタリウムのお披露目

貴子とまりやの不仲な関係解消は学園祭が終わってから開示されるはずなのに
学園祭前からそうなっているし、ここで瑞穂ちゃんにもお披露目してしまったら
学園祭デートというイベントを1個つぶすことになってしまいますね。
じっさい学園祭デートというバカップルお約束のイベントがアニメでは存在しないし。

・瑞穂が寮の自室でパンツルックでまりやと生徒会劇の立稽古をしている

ゲームで瑞穂ちゃんは寮でもずっとワンピース型の制服着用だった。
パンツ(ズボンのことです)着用のイベント絵はまりやルート確定後のデートだけ
芝居のセリフ稽古は台本のページがめくれない一子か、互いに相手のためにも
がんばろうと張り合いの出る奏がゲームでの本読み相手。
ゲーム異同の最初に挙げたように、まりやがずっと瑞穂を避けていて、
風邪で寝込んで学園祭直前に仲直りして復活だからこういう場面は想定できなかった。

・学園祭の展示を一人で回って、どっちの妹もお持ち帰りしない瑞穂ちゃん

ゲームではまりやと一緒に見学に出かける、紫苑さんと一緒に見学、または
ビーズ製の手作りロザリオの展示をひとりで見学後に奏をお持ち帰り帰り、
ケーキとお茶のサービスのクラス展示をひとりで見学後に由佳里をお持ち帰り
の4択です。第五話がルート決定の最終段階なのでパラメータ微調整もできたかも。

Bパートもなにもかもゲームとは違うかな?

・まりやはクラス展示の受付

生徒会劇みないでその時間帯にクラスメイトに替わって展示の番を受け持つ
…結局クライマックスの前に緋沙子先生に受付を勝手に割り振ってしまい
ロミオとジュリエットを上演している講堂に向かうのだけど。
ゲームの「薄荷」「真夏の夜の恋人たち」が尺の関係で(だけではないのだが)
削られているので緋沙子先生登場場面をこんな風に新たに起こすというのも
ありなのかな。プール対決のときみたいにマイク握らせる方がいいのに。

・開幕前の緊張する貴子さんをリラックスさせるお姉さま

おまじないって「鼻つまむ」んじゃないのか。ちょっと期待したのだけどな。

・ロミオ役エルダー宮小路瑞穂にキスシーンの判断を任せる舞台監督の小鳥遊圭

圭さんの変人ぶりはアニメではほとんど見られません。
それ以上に美智子さんのすごいところもまるで語られていないというのも大きいか。

・ロミオとジュリエットの初対面はマスカレードだったはずなのに素顔だし。

ゲームでもその辺は明示していたわけじゃないですがサブタイトルから、ね。

・舞台衣装の破けるハプニングシーン

ゲームではベッドの中で後朝の別れを抱き合いながらするシーンで舞台道具に
細工がなされていることに気がつかないジュリエットの衣装がひどいことになる
というものだけど、アニメでは立ち姿の貴子さんが鈍くさい動作をしたために衣装を
引っ掛けて破いてしまいパンツとブラが見えるということになって生ぬるいです。

ゲームではお姉さまに生乳をさらけ出してしまい、瑞穂さんは観客の目をそらしかつ
貴子さんを落ち着かせるためにセリフの前後をあえて変更して生キスシーンを敢行する
という機転の利いた選択だったのになあ。

それに、予告編ではもっとあった貴子の劇中劇のセリフが削られていているし。

・芝居が終わってから貴子に瑞穂がキスを奪ったことを謝るシーン
瑞穂は楽屋のドア越しに貴子の顔を見ないでごめんなさいと一人で謝ってますが
紫苑といっしょに話している瑞穂のところに貴子がやってきてキスされたことを
気にしていないというのがゲームでの会話の進行です。
その直後に貴子の揺れ動く乙女心を紫苑は察するけど
瑞穂さんはまるでわかってないという風につながるのですけど。
…アニメでは学園祭前ののどっかの日の紫苑と瑞穂の会話に紛れ込ませてますが。

次回「第11話 戸惑いの練習曲(エチュード)」は「第12話 ラストダンスは永遠に」
ともども原作第六話「落ち葉の軌跡・雪の降誕祭」相当の時間経過なのでしょうか。
一部の人が期待しているように第二期につなぐのが必然な構成にするのだろうか?
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mailto:shibuya@dd.iij4u.or.jp           渋谷伸浩