渋谷@家から です

Shinji KONO wrote:

> 河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
> 
> 数学シリーズと言えないこともないか....

Message-ID: <401A25AA.9FB4DBB8@dd.iij4u.or.jp>
Date: Fri, 30 Jan 2004 18:36:42 +0900
Newsgroups: fj.engr.civil

2年ちょっと前なぜか fj.engr.civilでも"理想的な小選挙区制は?"
という Subject でこの話題がありましたね。盛り上がりませんでしたけど。

> fj にも定期的に書いているかな。

なるほどです。定期的な啓発投稿記事としては適切なお題の1本かと。

> ケネス・アロー先生の定理。簡単かつ強力な定理で「公平な選択と、
> 良い選択は両立しない」ことを示しました。

わたしはArrowの不可能性定理を公共経済学、社会政策の講義で
一橋スクール出身ロチェスター学派の専門教官に教わったのですが…

> と言うわけなので、選択の順序を適当に選ぶことによって任意の順
> 序を多数決で決めることが出来ますこれがアローの逆理の本質で
> あり、

「多数決の横暴」が操作可能なことはアローの逆理の要請をいくつか
簡略化しても導かれる系のひとつでなかったかな。
専制君主ルール、貴族制ルールなんかのおまけで論じられてました。
ボルダルールがどうこうというセクションでついでに紹介された気がする。

> これに関連した定理で渡辺慧による「みにくいアヒルの子の定理」
> というのがある。

アローの不可能性定理は統計学抜きで証明可能なので
関連性について考えたことはありませんでした。

> いるだろうな。これは、政治とか民主主義自体あるいは市場原理を
> 否定した定理でもあるわけなんだけど、人々は、あまりシリアスに
> 受け取ってないらしい。数学的な定理を否定して楽観的とは言えな
> いので、単に知らないだけ、つまり馬鹿なんだと思う。

民主主義や市場原理のまっすぐな信奉者はこんな事実知っていたら
やってられないという気分になる毒薬だから敬して遠ざけているのでしょう。

> でも、この二つを知ると世の中の見方が、かなりシニカルになるの
> は、やむを得ないところか。

ファンタジーに逃避したり、エンジニアリングに邁進したり、学究の道を
極めたり…表現はさまざまでしょうね。
-- 
mailto:shibuya@dd.iij4u.or.jp           渋谷伸浩