"Shibuya, Nobuhiro" wrote:

> 渋谷@家から です
> 
> 先週は下記のような小説を読んでいました。
> 
> 『さよなら、いもうと。』        新井輝     (富士見ミステリー文庫)
> 『世界は悪魔で満ちている?』    相原あきら (電撃文庫)
> 『電撃!!イージス5 Act II』     谷川流     (電撃文庫)
> 『電撃!!イージス5』            谷川流     (電撃文庫)
> 『熾天使たちの5分後』           木ノ歌詠   (富士見ミステリー文庫)
> 『カラっぽの僕に、君はうたう。』木ノ歌詠   (富士見ミステリー文庫)
> 『絶望系閉じられた世界』        谷川流     (電撃文庫)
> 『セカイのスキマ』              田代裕彦   (富士見ミステリー文庫)
> 『SHI-NO -シノ-アリスの子守唄』 上月雨音   (富士見ミステリー文庫)
> 『SHI-NO -シノ-黒き魂の少女』   上月雨音   (富士見ミステリー文庫)
> 『推定少女』                    桜庭一樹   (ファミ通文庫)
> 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹   (富士見ミステリー文庫)
> 
> ・・・というか、かなり富士見ミステリー文庫を偏愛している傾向あり。

読んでいて、桜庭一樹や谷川流は発表作品も多く安定して読ませる力量があるので
その辺は心配していなかったのですが、新井輝の本作は会話部分の中だるみ
やモティーフの処理が硬直的だったような気がしてちょっと不満が残ります。
(自動車事故で亡くなり死葬儀を済ませた妹が生き返ってという内容は受容してます)
妹喪失小説としては先行する『Last Kiss』(佐藤ケイ)が念頭にあるので
評価が厳しくなって当然なのでしょうが発表作品数が10本くらいあるわりに
読みにくいのが意外でした。

木ノ歌詠の2作品はわりとよかったかな。特に『熾天使たちの5分後』は
甘酸っぱい読後感が数日残りました。『カラっぽの僕に、君はうたう。』
の方は、設定に一部受容できない不快な描写があった。

田代裕彦の『セカイのスキマ』は米澤穂信の『氷菓』を彷彿させる展開でした。
でも最後に一ひねりありました。

・・・でも新井輝、木ノ歌詠の作品はどの辺がミステリーだったのかが謎のまま
残るなあ。
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mailto:shibuya@dd.iij4u.or.jp           渋谷伸浩