第二次世界大戦・太平洋戦争、ドイツと日本
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ドイツは欧州の盟主的な立場にあり、日本は
アジアから孤立している。
戦後処理を見れば、日本はとても独り善がり
な論理を展開しているのが目立つ。
ドイツでもナチスの党員の墓地は存在し、そ
こに慰霊目的で首相が訪れたことがある。し
かし、この墓地の性格は非宗教的なものであ
り、いわゆるA級戦争犯罪者にあたるナチ党
の12人の高官の霊はそこに弔われてはいない。
靖国神社についていえば、その前身ができた
のは明治2年のことであり、それほど日本の
伝統文化を伝える存在でもない。伝統的な神
道とは相容れない性格の存在でもある。
1975年以来、昭和天皇が参拝することもなく
なり、1978年のA級戦犯合祀以来、侍従長徳
川氏は靖国神社のありかたを非難していた。
A級戦犯がA級戦犯であるのは、敗戦国の戦争
指導者であったからではない。
太平洋戦争を振りかえると、驚愕に値するい
くつかの事実が浮かびあがる。
日本にはまずまともな戦略がなかった。さら
には、戦争の目的、外交に必要な情報網・通
信網、損切基準、国家意識など、全てが欠け
ていた。
一見、大東亜共栄圏なる似非大義名分はあっ
たのだが、朝鮮文化抑圧により理念破綻して
しまう。この戦争特有の目的は早期に失われ
たのだ。
近代戦争一般の目的は、外交で自国に有利な
状況を作り上げるための手段であるが、情報
網・通信網がないというのであれば話になら
ない。終戦時、日本の政府は、マスコミが持っ
ていた通信網を借りて交渉している。
戦争ではかならず勝てるという保証はない。
正しい戦略には、必ず、負ける際に被害をで
きるだけ小さくするための方策が含まれなけ
ればならないが、日本にはこれも欠けていた。
しかし、もっとも深刻なのは、指導者層に国
家意識が欠けていたことであろう。国家の第
一の責務は国民の生命財産を守ることである
ので、特攻隊を組織したことは完全に本末転
倒であり、それを指導した戦犯は国家の敵な
のである。
責任の所在を明白にしないから、日本はいつ
までも顔の見えない国であり、アジアのリー
ダーにはなれない。
ドイツは欧州で統一通貨を立ち上げることに
成功した。一国だけで西欧に匹敵する経済力
を持ちながら、日本はアジア通貨基金設立に
すら失敗した。
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