Re: 還って来たライダー
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Thu, 02 Jun 2005 11:27:43 +0900,
in the message, <z8une.3$rZ3.0@news7.dion.ne.jp>,
Tsuiki Hiroyuki <kamiture@f7.dion.ne.jp> wrote
> 法律屋さんではないですが、通常はこういうのは請負契約なので「28万で
>治す」という契約である以上、治らなければ債務不履行ですから少なくとも全
>額支払う義務はありません。
> ただ、二輪業界はその辺の常識が通用しない面があって、おそらくバイク屋
>側は「28万で出来ることはやる」程度の認識しかないでしょう。
まあ見積りはあくまでも見積りで、後から悪いところが見つかって値段が上る
というのは極普通の話ではあるわけですが。
その意味では、本当に「(何があっても)28万で直す(「治す」じゃない
よ。:-))」という契約かどうか自体が疑問ではあります。
多分、違うでしょう。
「最初の見積り金額でやれというのならその範囲でできることはやるがそれ以
上はできない」というのも合理的意思解釈として全然おかしくはないです。
と言うか普通はそうでしょう。
もっとも、「28万と見積もってばらしてみたら過分の費用を要するという場合
は、通常再見積りを提示するのが当り前」ではあります。
まあ通常の合理的意思解釈としては、「修理費用28万円掛るよ」というのは、
「現状判明している範囲で見積もった金額が28万円であるが、実際の修理で費
用が増加する可能性があるのでその場合には再度見積りを提示するからそれで
よければ修理を続行するけどその増加分の費用は負担してくれ」という留保付
きだと思います。
ばらしてみたら修理不能だったという場合も「現状判明している範囲では修理
可能と見ているが、修理不能という場合もあるからその場合は諦めてね」とい
う留保付きと解するべきだと思います。
# 医療契約のような準委任に似た内容になるな。
ちなみにこれは「事情変更の原則」ではないので念のため。
事情変更の原則は例外中の例外で、一般的にあるような修理契約でそう簡単
に認めるものではない。
問題はまず、費用が増えてそこで修理を止めた場合にそこまでに掛かった費用
は誰が負担するのかという点。
普通は、最初の見積り金額「全額」分の費用は掛からないにしてもある程度の
費用は掛っているはず。
請負の規定をそのまま適用するのなら、費用の増加を理由に修理を止めるとい
うのは注文者側の都合による解除なので請負人は損害賠償請求ができることに
なるはず。
そこで、最初の見積りが甘いとかそういう話はおそらく過失相殺の問題。
次に、修理不能ということなら、原始的に不能な契約だったとも考えられるけ
ど、そもそも修理可能かどうかを確認し修理可能であれば修理するというのが
契約内容と考えるべきだから原始的不能とは言えない。
とすれば、調べた結果修理不能という結論を出したところで契約を履行したこ
とになる。
ならば、そこまでに掛かった費用は注文者が負担すべきと考える方が原則だと
思う。
あるいは、「修理不能なことを解除条件としている」のかも知れない。
その場合にそこまでに掛かった費用の扱いは……、どう考えるべきかな?
ちょっと考えがまとまらないので保留。
いずれにしても契約の解釈の問題で単純に請負の規定を当てはめて解決が付く
話でもないのではないかと思います。
修理契約って単純な請負ではなくて、いわば「特定物請負」なんですよね。
だから単純に、請負の規定そのままでいいのかというのは大いに疑問のあると
ころで、合理的意思解釈により契約内容を明らかにする必要が大きいのではな
いかと。
あるいは、「慣習」も考慮すべきだと思います。
とは言え、実際には、「見積り時に予見できなかった事情により修理が不能と
なった場合」にはそこまで費用を請求しないということもあるだろうけど、こ
れも場合によるんじゃないかな。
ところで実際問題として修理品の引渡しと代金支払いが同時履行の関係にある
ので、代金支払わないと修理品を受取れないんですよね。
そうすると、受取った修理品の修理が不完全で瑕疵担保責任が追求できると
言ったところで「既に払った金を取り戻すとかちゃんと再修理させるとか別の
業者に修理させて費用弁償させるとか」するにしても非常に労力がいる話にな
るんですよね。
受取る時にきちんと確認できればいいのですが、実際にある程度乗ってみない
と判らない部分に問題があったとか言うと……。
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