Emma #5
ども、みやこしです。
いきなりですが、何と、メイドロボがわずか$10で買えるそうです。
(注意:いきなり音声付動画が再生されます)
↓
http://www.the-robo-maid.com/
何というか…これを「メイドロボ」と呼ぶのは、かな〜り憚られるのですが、
商品名が「ロボメイド」らしいので仕方がありません。更に、これに「萌えら
れるか?」と言うと…(^_^;
と言うか、これ、ちゃんと拭き残しが無く掃除してくれるのだろーか…。
「英国戀物語エマ」第五章「晩餐会」
■ロンドンの雨
雨がそぼ降るロンドンの街。台所でお茶の用意をしているエマが想うのは、
やはりと言いましょうか、坊っちゃまの事なのです。
短い場面ですが、振り向くエマのスカートがふわっとなる所とか、相変わら
ずどーでもいい所(でも本作品的には大事な所(^_^;)に手間をかけてます。
それにしても、お湯を入れたばかりのポットに、直に手を当てると熱いんじゃ
ないだろーか。
居間で居眠りをしていたケリー先生。何年振りかで、旦那様の夢を見ていた
ようです。
写真を撮る(撮られている)男女のやり取りや、先生が目を覚ます辺りは原
作通り。ただ、原作では、先生はどんな夢を見ていたのかを忘れた、みたいな
事を言ってます。
先生にショールを掛けようとした姿勢で固まっているエマが、何か可笑しい(^_^;
「奥様は18歳の時に結婚、二十歳の時に旦那様を亡くされ、寡婦となられまし
た。お子さんはいらっしゃいません。以来30年余りをガヴァネスとして働か
れた後に引退されて、今に至ります」
本作品では珍しいモノローグ。内容は原作とほぼ同じですが、原作では、先
生のモノローグになっています。アニメでは、エマの視点に統一するために、
エマのモノローグに変更されたものと思われます。
原作では、先生がエマを気づかうモノローグが入ってますが、この変更のた
めカット。ただし、後で別の形で示されることになりますが。
お茶を飲みつつ、突然、今日のディナーにノックス夫妻を招待していた事を
思い出す先生。先生は、料理をエマに任せて、自らはテーブルの用意をし、身
支度を整え、ネックレスを着けます。料理も「お見事!」と言うほどにほぼ出
来上がり、テーブルの用意も整った所に来て、何と居間の天井に雨が滲み出し
て、壁紙が剥がれてしまっているのに気付きました。剥がれた壁紙を見上げて
弱る二人。
先生が、招待の事を忘れていたのは原作通り。ただし、原作では、二人して
指貫を探している時に、エマが落ちていたメモ用紙を見つけ、それを見た先生
が思い出す、という流れでした。アニメだと、何か本当に唐突に思い出してま
すが(^_^;
ちなみに、ノックス夫妻が何者なのかは謎です。が、ワインに関する先生やア
ルの台詞からすると、あまり親しいという訳でもない感じですが。
慌ただしくディナーの用意をする所も、ほぼ原作通り。先生が、ワインを見
て「ちょっと勿体ないわね」と言う所はオリジナルです。
先生がエマに言う、
「あなたの腕で何とかしてちょうだい」
という台詞が好きです。先生のエマに対する信頼感と、それに応えるエマの
優秀さとが、端的に表わされているようで。
雨漏りによりダメージを受けるのも原作通りですが、雨樋が壊れて部屋中水
浸しになってしまった原作と比べると、かなり被害が少なくなってます。原作
では、雨漏りとディナーとは別の話になっているので、アニメでそれを合わせ
て再構成した改変の御蔭で、被害が少なくなったと言えるでしょう(^_^;
■先生は何でも知っている
雨が上がったロンドンの街。パブ「RUTH & BEAR」の店先では、いつもの如く、
アルが仲間二人とカードに興じています。
仕事はいいのか、という仲間に、
「構やしねえよ。俺がここにいるのを知っている奴なんか、いやしねえんだから」
などとうそぶくアルですが、その前に、息を切らせてエマがやってきます。
アルの居所が、しっかり先生に把握されているのは原作通り。ただ、原作で
は、先生が直接、パブに電話をかけてきてアルを呼び出してます。ここは、第
一章でも改変があった通り、アニメでは先生の家に電話が無い事になっている
ため、エマが呼びに来る事になってます。
どちらかと言うと、「5分で来てちょうだい!いいわね!!」と言って有無を
言わさず電話を切る原作の方が、先生の気の強さや何かがよく出てて面白いと
思うのですが、まあ致し方無い所。
呼び出されたアルは、とりあえず剥がれた壁紙を直します。ちょうどノック
の音がして、先生は出迎えの為に玄関へ、エマはアルに飲み物を出す為に、ア
ルと台所へ。
アルと先生とのやり取りはほぼ原作通り。お互いに遠慮のない言いように、
この二人の関係がほの見えて良いです。
また、原作では、アルはこの後も水浸しの部屋から家具を運び出すのを手伝
わされるのですが、アニメでは被害が少なかった為、重労働を免れてます(^_^;
台所で、ディナーに出すワインを見て「勿体ない」と先生と同じ事を言うア
ルに、思わず笑ってしまうエマ。
話は、亡くなった先生の旦那様−ダグの事に。ダグと親しかった縁で、先生
とも昔からの知り合いだったアルに、先生とダグが、親の決めた相手で、会っ
て3回目で結婚した、というのを聞いて、意外そうなエマ。
そこにやって来た先生が、ノックス夫妻が来られなくなったという知らせを
持ってきます。それを聞いて、調理台に並ぶ料理を前に固まるエマとアル。
そんな二人に、「料理は三人でいただきましょう」と言う先生なのでした。
アルがする昔話は、ほぼ原作通り。あの気の強い先生でさえ、結婚に関して
は親の決めた相手と、というのが普通だったというのは、エマでなくとも意外
な所で、いかにも「時代が違う」というのが感じられます。
■その頃の坊っちゃま
その頃、クラブでビリヤードに興じている、坊っちゃま・ハキム・ロバート
の面々。調子の悪そうな坊っちゃまとは逆に、絶好調のハキムが対照的。
それにしても、坊っちゃまが撞く時に咳払いをしたり、「エマに」と言って
乾杯したりと、ハキムがますます意地悪になってきてます。
それに合わせて「エマに」と唱和するロバートも同様。
意味判って言ってんのかおめーは、とツッコミ入れたそうな坊っちゃまの、
げんなりした顔が可笑しい(^_^;
■晩餐会
一方、先生・エマ・アルの三人の晩餐会もたけなわといった感じで、アルは
すっかり出来上がっている様子。
これを機会にとばかりに、昔話をエマに吹き込むアル。それをたしなめる先
生。そんな二人の様子を楽しそうに見ているエマ。暖かな雰囲気が流れる良い
光景なのですが、健啖家振りを見せるアルに対し、食の細そうな先生がちょっ
と心配です。
やがて、酒を取りにアルが台所へ行ってしまい、二人きりになると、先生は
エマを見つめて話しだします。
「十五のあなたがここに来たのは、私がジョーンズ家のガヴァネスを辞めて、
家に入った年だったわね。あれから5年。あっという間ね」
久し振りの小エマ登場です(^_^) 髪を三つ編みにして、小さな鞄一つを手に、
まだベッド以外何も無い部屋を、それでも嬉しそうに見回す様子は、ほとんど
グリーン・ゲイブルズのアン・シャーリーかといった感じですが、その様子と、
汚れた靴とが、それまでの彼女の生活を物語っているかのようです。
この先生の台詞から、エマは現在ちょうど二十歳である事が判ります。一方、
冒頭のエマのモノローグから、先生は50台前半〜半ばといった所。
また、先生がジョーンズ家の家庭教師を辞めたのも5年前。仮に、坊っちゃ
まがパブリック・スクールに入学する13歳まで家庭教師をしていたとすると、
坊っちゃまは今18歳という事になり、ちょっと計算が合いません。坊っちゃま
は、どう見てもエマより年上に見えますし。
坊っちゃまが先生に会いに来たのが10年振りぐらい、という話がありますの
で(アニメでは明確に出ていなかったと思いますが、原作ではそのぐらいのよ
うです)、坊っちゃまが先生のもとを離れてからも、少なくとも5年ぐらいは、
ジョーンズ家で家庭教師を続けていたものと思われます。おそらく、グレイス
と、もしかしたらアーサーも、少しは先生に学んだ時があったのではないでし
ょうか。
(ちなみに、小説版では、明確にグレイスも先生に教わっていた事になってい
ます)
と、やや唐突ですが、エマに、坊っちゃまに対する気持ちを聞く先生。
「不思議な人です。ジェントリの生まれの方なのに、私がメイドだという事を
全然気にしてなくて。
他の人みたいに、イエス・ノーを聞くわけで無し、ただ楽しそうに話すだけ
で…」
というエマの答はほぼ原作通り。「ジェントリの」という所が、原作では
「ああいう」とやや抽象的な表現になっている所が少し違いますが。
結局、何でエマが坊っちゃまの事を好きになったのか、という理由は、こう
いう事だったわけです。ラブレターを送ってきたり、ハキムのように直接迫っ
たりという、積極的な相手にはかえって気持ちが引いてしまい、自然体で付き
合っていけるような人に惹かれてしまう、という感じでしょうか。
ある意味、坊っちゃまのヘタレな所が良い方に働いたような気がしてイマイ
チ釈然としませんが、好きになってしまったものは仕方ありませんね(^_^;
この辺り、アニメでは原作より坊っちゃまとエマとの付き合いが多く描写さ
れていますので、エマのこの台詞に説得力を持たせるのは大変だったことでし
ょう。何せ、坊っちゃまの言動をあまり積極的にさせる訳にはいきませんので
(せいぜい、買い物帰りを待ち伏せて、偶然を装って家まで送るとかするぐら
い)。
前回で、坊っちゃまにはっきり「好きだ」と言わせなかったのも、結局は、エ
マのこの台詞に説得力を持たせる為だったのではないか、という気がします。
#もちろん、坊っちゃまのヘタレな感じを出す為だった、という事もあるかも
#ですが(^_^;
そして、先生にはっきりと「好きなの?」と聞かれて、何も言えずにただ俯
くエマに萌え(爆)
さらに、そんなエマの様子を見て、「そう」と優しげに微笑む先生に激萌え
(核爆)
■執事も何でも知っている
またその頃、最近の坊っちゃまの様子について、執事のスティーブンスに聞
いている父リチャード・ジョーンズ。
父リチャードは、坊っちゃまがハキムと遊び歩いている事に懸念を抱いてい
るようですが、スティーブンスから、最近先生の家を訪問している事を聞き、
更に懸念を深めるのでした。
さすが有能な執事スティーブンス、坊っちゃまの行き先などとっくに把握し
ているようです。父リチャードには、「心配には及ばない」などとフォローを
入れていますが、はたしてエマの事まで知った上で、そう言っているのかどう
かは謎です。
(ちなみに、小説版ではとっくに知っていて、色々と気を回している(坊っち
ゃまがもし「手を付けて」いたら、とか(^_^;)様子が描かれています)
■先生の災難
さて、酒を取りに行ったまま、一向に戻ってこないアルを見に行くエマ。
キリがいいとばかりに、先生は先に休むと言って、自室へと上がっていきま
す。
台所で寝込んでいたアルに毛布を掛けようとして、アルを起こしてしまった
エマですが、その耳に何かが落ちる音が。慌てて階段を上がると、先生が踊り
場に倒れ込んでいました。
先生は、骨折は免れたものの脚を痛めてしまい、先生がしていたネックレス
は、糸が痛んでいたのかバラバラになってしまいました。
日が変わって、エマが先生の所に持ってきたのは、元通りに直ったあのネッ
クレスでした。
「どうやって?」
と不思議がる先生に、エマは、暖炉の上に飾っている写真を見て、と答えま
す。そこには、若き日の先生とダグが写っていて、先生の首にはあのネックレ
スが掛かっていたのでした。
そして、先生はネックレスをエマに譲ります。
「あなたが貰ってくれたら、きっと、ダグも喜ぶわ」と言って。
先生が階段を踏み外して怪我→ネックレス壊れる→エマが写真をもとにネッ
クレスを直す、という流れは原作通り。ただし、原作では、階段を踏み外した
のは、雨漏りの為に物を運んでいて気を取られたため、という事になっていま
す。
アルが、「ざまあねえな」などと、相変わらず遠慮のない事を言うのも原作
通り。
その後、先生がエマにネックレスを譲るのはオリジナルです。冒頭のモノロ
ーグが、先生のからエマのに変わり、先生がエマを気づかう部分がカットされ
た代わりに、この部分が付け加えられたのではないか、という感じがします。
ダグから贈られたネックレスをエマに譲る事で、先生がエマの事を、まさに娘
のように思っているというのがよく判る場面です。
また夢を見る先生。
撮ったばかりの写真を見る、若き日のダグとアル。お茶を淹れようとして、
砂糖が無い事に気付き、アルに買ってくるように言う先生。
「ダグに頼めよ」
「ダグは旦那さまよ。使い走りなんてできないわ」
「ああ、旦那さまだからな」
何ていうやり取りがあって、結局お使いに行かされるアル。
この部分は、原作第五話の後にある「Sequel」から。三角関係、などという
単純な言葉では言い表せない、若き日の三人の不思議な間柄を示すエピソード
で、「Sequel」の中でも大好きな話です。これをちゃんと入れてくれたアニメ
版のスタッフには大感謝。
ちなみに、若き日の三人のキャストは、先生が野田順子さん、ダグが森岡弘
一郎さん、アルが千葉一伸さん。
そして、眠る先生にショールを掛け、赤々と燃える暖炉を見ながら先生に寄
り添うエマが良いなぁ、と思いつつ、続きは次回。
■次回予告
第六章「訪問」
遂に、父リチャード・ジョーンズがエマの前に現われる話です。坊っちゃま
とエマが結ばれる為には、この難攻不落の要塞を突破しなければなりませんが、
さて。
■全体をみて
今回の話は、原作単行本第1巻の第五話と、副読本「エマ ヴィクトリアンガ
イド」に収録されている「特別編 ある日の晩餐」とを合わせてアレンジを加え、
さらにオリジナルの場面を追加した構成となっています。
サブタイトルから想像して、てっきり原作単行本第2巻に収録されている、
別の晩餐会の話を持ってくるものと思っていたのですが、まさか、副読本から
まで話を持って来るとは驚きました。
#ちなみにこれ、放送を観る前に聞いた「エマ総合ラジオ」で、「アルとケリ
#ーとエマが同じテーブルで…」云々と話していたので、観る前にこの特別編
#をやるのが判ってしまいました。これからは、本編を観る前に「総合ラジオ」
#を聴くのはやめようと思います(^_^;
この「特別編」は、原作の時系列的には、第二話の「Sequel」、エマが坊っ
ちゃまからハンカチを贈られた直後から繋がるようになっています。元は、
「エマの連載準備の時の没ネーム」だそうで、「時代説明もイントロもなしに
いきなり猫がしゃべる」という、原作者自ら「没らないほうが不思議」なもの
だったようです。それを、どういじくったらこういう話になるのか、ものすご
く謎です(^_^;
今回の話、この「特別編」を入れてくれた事自体は凄く嬉しかったですし、
アニメ版の方も、これはこれで良いと思うのですが、原作と比べてしまうと、
先生とエマとの関係の描き方が、ちょっと薄めな感じがして残念かな、という
気がします。まあ原作の、先生に言われて同じ食卓に着いたものの、「…なん
だか、変な感じですね」と戸惑うエマと、向かいあって食事をする二人のカッ
トが象徴する、先生とエマとの暖かな主従関係の雰囲気が観たかった、という
だけなんですけど。
#その為には、言っちゃなんですが、アルは邪魔(^_^;
それでも、最後の、うたた寝している先生に寄り添うエマ、という画は凄く
良かったです。こういった、主人とメイドとの関係を見せてくれる画、という
のが原作の見所の一つだと思うのですが、本当に、「こういう画が観たかった」
というのを見せてくれるのが嬉しい所。
では。
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宮越 和史@大阪在住(アドレスから_NOSPAMは抜いてください)
BGM : 小さな祈り by 岡崎律子
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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