Wed, 30 Mar 2005 08:33:47 +0900,
in the message, <4249E5DB.8DBDEDDE@ht.sakura.ne.jp>,
IIJIMA Hiromitsu <delmonta@ht.sakura.ne.jp> wrote
>自然科学系だと、研究ノートは毎日上司が署名する、もちろん持ち出し禁止。
>日本の研究機関で同様のことはできないか、という相談を、知人から持ちかけ
>られたことがあります。

米国流ラボノートは今や日本の研究機関でも導入が始ってると聞きますが。
従前、米国外からの米国への特許出願は、出願日が発明日
(優先権主張を伴う場合は自国での出願日。)
となっていた
(だから特許内容を見て自分の出願にクレームを追加して先発明を主張すると
 いうのが横行したりしたわけで。)
ので米国流ラボノートは無意味でしたが、現在はそういう区別はありません
(日本では着想については記載しないのが普通だったらしいが、米国流だと、
 発明日が最大で着想の日まで遡る可能性があるから記載するのが当
 然。)。

その結果、北米市場を無視できない国々は米国流の先発明主義に対応する方法
論を実施せざるを得ないことになり、その意味で先発明主義は事実上、世界中
に広ったのと同じになっている
(で、先発明主義を担保する抵触審査手続は手間隙が掛かりすぎるので、実
 際には適当なところで手を打つ企業が多い。
 後願者が利益を受けるのも0.2%程度にすぎないというのは前回指摘の通り。
 そうすると結局のところ、先発明主義の事実上の最大の影響は米国流ラボ
 ノートを作らなければならないという点にあるので、それを世界中に事実上
 強制している米国特許法は、結果的に先発明主義を世界中に押広めて
 いることになる。)。

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SUZUKI Wataru
mailto:szk_wataru_2003@yahoo.co.jp