愛国心と宗教心、今回は宗教心擁護
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前回、*過剰な*宗教心を問題視し、愛国心を
一方的に擁護している印象を与える文書を投
稿しましたので、今度は宗教心を擁護してみ
ようと思います。両者のバランスが大事だか
らです。
さて、宗教心が低く、宗教がどちらかという
と神話的な前宗教状態にあり、愛国心がとて
も強かった例といえば、キリスト教を国教と
認める前のローマ帝国があります。
世界史において多くの国に奴隷制度がありま
したが、ローマ帝国は特に徹底していました。
ギリシア由来の「気概」の概念は支配階層だ
けのものでした。*過剰な*愛国心は強国を作
るかもしれませんが、周りの国や他の民族に
対する粗暴な振る舞いに国民を駆り立てる傾
向を生みます。
皮肉なことに、「気概」を更に昇華させた「尊
厳」の宗教であるキリスト教は、ローマ帝国
時代に生まれ、最初は奴隷たちの間に広まり
ました。いうまでもなく、キリスト教は自由
主義の生みの親で、自由主義そのものも一種
の宗教です。自由主義においては、尊厳を尊
重してもらう権利、すなわち、基本的人権は、
法ではなく神から賜ったものということになっ
ています。ですから、人によって奪われては
ならないことにもなっています。(私たちが
通常「民主主義」と呼ぶ考え方は、正確には
「自由民主主義」で、自由主義の達成する手
段として民主主義を用いているのです。)
自由主義の哲学的な成熟過程は割愛します。
自由民主主義が何を達成したかというと、そ
れは戦争のない2国間関係です。双方が自由
民主主義体制を取る国の間では、これまでの
歴史上――つまり、歴史時代が始まって以来
今日まで――、ただの1度も戦争は起こって
いないのです。
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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