通常、国内だと、公共投資は
国民総生産=消費+投資
でGNPをあげる、上がったGNPが消費をあげる。
消費が上がればまたGNPが上がる・・・・
という乗数効果で投資した額を呼び水としてGNPは大きく伸びる。

今回のイラクへの支出は、上で言えば公共投資。
莫大な金額の多くをどこの国の企業が受注するかで、その国のGNPは、その国の金
を使うことなく跳ね上がる。
この原理は確実に存在しているが、
試算をどのメディアも出さない。チェイニーの傘下企業をサンプロで放映していた
が、一企業のレベルではお話にならない。対テロ云々の大義名分ばかり放映する
ニュースには、片手落ちと感じるものは多いはず。
マスコミは、各国総生産を、イラクへの投資で試算せよ。

韓国は、ノムヒョン大統領が、国連の決定を軸に派兵を決定した。国連至上主義は、
やはり大義名分の価値路線上での判断。出すか出さないかの二値論の話。多くの多国
籍軍参加国は、その国の総生産に、マイナスの試算が出るだろう。その国の消費には
影響を及ぼすことはあっても、乗数効果は期待できないもので捨象。むしろ財政赤字
になる。だが、イラク投資は、すべての国にマイナスになるのではなくその国の消費
に向けられた財は、巨大であればその国の財政負担以上の巨大な投資により、その国
のGNPに乗数効果をもたらす。
もしわが国が巨大な受注をすれば15億ドルの支出どころか何倍ものGNPの引き上
げにいたる乗数効果にいたる。だが、わが国はその分には預からないはずだ。

国際経済学者よ、その筋の専門家よ、試算をだせ。各国の該当NPOが有れば、試算を
発表せよ。テロというものが、本当にテロ撲滅対策なのか、それとも、テロ対策が、
本当はテロを餌にしたマネーゲームの要素を含むのか、監視する機構を世界舞台で本
来なら国連がやらねばならないはずだ。世界の大学も試算を出す必要がある。国連が
兵を出す出さないの二つに一つの挙手集団では、あまりに、幼稚である。マスコミが
それに踊らされるのは情けない。国連がすでに腐りきった機構であることは、落合信
彦氏なんかも言っている。もはや国連に真摯な作業を期待するのが無理というもの
だ。
派兵するにしても、何も、経済効果をタブーにすることは無いではないか。経済効果
に蓋をした情報で派兵を大儀名分でのみあおっていたのでは、真にテロ撲滅の戦略に
はならない。南北問題が厳然と横たわっている限り、また、世界不況が常に問題であ
るかぎり、金の問題を隠した、大義名分のみでの問題把握は、危険極まりない方向に
いく可能性を否定できない。