日蓮の思想というのは、法然、親鸞、道元の上を行く。

法然は、一般大衆が経典に接することも出来ない世の中において
念仏を唱えれば、経典を読まなくても救われるといった。庶民に救済の
光を与えたことは意義がある。時代の反逆者だね。
だが、誰でも念仏を唱えれば救われるとはいわなかった。
次に登場した親鸞はご存知悪人正機説。阿弥陀仏の本願は悪人を救うこ
とが目的。悪人こそ往生するにふさわしい機根であると説く。時代の反
逆者だね。進化している。

次にお出ましの道元は、他力本願はだめだ、己で禅による瞑想をして自
己変革により己を救済しろと説く。これも、一つの方法だろう。時代の
反逆者には違いない。

極めつきは日蓮。自己変革のみではだめだ、政治、文化を変えなければ
人は救済されないと説く。ここで宗教は社会への反逆の地位を持つに至
った。時代の反逆者は社会への反逆者に進化した。内から外に踏み出し
た。治世者から見れば危険な思想だろう。
現代では、日蓮のような、社会、文化を変えるという時代の反逆者魂の
念仏は、変質してしまった。今、日蓮がいたら、念仏を捨てよといって
もおかしくはない。時代の反逆者は、念仏で救済されるとか社会変革が
出来るなどという時代錯誤を、そのような怠惰念仏を、容認しないだろ
う。

念仏をすてよ。社会への契機である民主主義に日々参加せよ。念仏で一
日のおつとめがおわるなどとする愚かな怠惰念仏は、もはや現代に日蓮
がいたら容認するはずもない。




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