「詩と思想」などで活躍している詩人、平川綾真智の詩集
「市内二丁目のアパートで」(詩学社)を買った。

 彼女は1979年生まれで鹿児島出身、現在は熊本の大学に
在学中らしい。縦横15センチ少々のハードカバーの詩集
には、23編の詩が収録されている。

「一人は寂しい/二人は嬉しい/多くの中だと言い様なくて/
私は気を狂わせて/皆をひいた/皆はひいた」(「混沌」)
といった言葉の使い方は、いかにも若い女性らしい感覚で
あると思う。

 以前に紹介した島田奈都子の詩と同じく、男性には書く
ことのできない女性独特の視点というものが確かに存在
するのだと、この詩集を読んであらためて思った。熟成
した言葉によるベテラン詩人の詩集を読み慣れていると、
荒削りな部分が気になるかも知れないが、年齢を考えると
将来が楽しみな詩人だと思う。


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