いいじまです。

> > 3.10 でなく 3.05 を選んだのは、内接正 12 角形でなく正 8 角形を使っても
> > 正解にたどりつけるように、という配慮ですね。
> そうですね。これが出題意図なのでしょうがπ^2との比較になって中学生にはやや
> 面倒になりますね。

結局は (3.05/6)^2 か (3.05/4)^2 との比較になるんですが、この2項展開って
いま中学生ではやらなくなったんでしたっけ?

ちなみに解は、

半径 1、角度 30°ないし45°の扇形(つまり、単位円に内接する正 12 角形
   または正 8 角形の一部を切り出したもの)を考える。
弧の長さは当然 π/6 か π/4。

一方で弦の長さは第二余弦定理より √[2-2cos(30°or45°)] となる
  (第二余弦定理を知らなくても初等的に計算可能ですけど、その計算は
   第二余弦定理の証明にほかならない…)
√を外すのが面倒なので、つまるところ (3.05/6)^2 or (3.05/4)^2 と弦の長さの
        比較問題。
ギリギリの数値になる 45°のほうでいくと、
        (3.05/4)^2 = (3/4 + 1/80)^2 = 93/160 + 1/6400
                ここで 93/160 = 0.58125 だから、1/6400(<1/5000=0.0002)
                を足しても足さなくても有効数字 3 桁まで 0.581 で確定。
        2-2cos45° = 2-√2 = 1-1.414... = 0.585...
となって、弦は 3.05/4 より長いことになる。弧の長さ π/4 は当然に弦より
長いことになるから、π>3.05、と。

で、あらためて解答を書いてみたんですけど、(3.05/4)^2 の計算のときに 1/6400
の計算を省いて 0.581 で数値を確定させてから 1-1.414... = 0.585... と比較
するセンスとかは、高校の数学じゃ教えてくれないですね。

このへんをきちんと扱うとしたら現行カリキュラムだと、3 年生で習うことが
前提の「数学 C」の中に「数値計算」という項目があるんだけど、大抵の理系
学部は数学 C では「楕円曲線と種々の曲線」「行列と行列式(線形変換は扱わ
ないが簡単な対角化は行う)」の2項目を要求してて、それにあわせてカリキュ
ラムを組まざるを得ないし。

#ちなみに数学 C の内容は、上記 3 項目と「統計」の計 4 つから 2 つ選択。

#旧カリキュラム(93 年までの高校入学者に適用)の「確率・統計」は現行カリ
#キュラムでは数学 I、数学 B、数学 C に分散していて、理系の人も文系の人も
#受験制度上、数学 I レベルは必ず履修するけど、B・C レベルは以前より履修
#者が少なくなっている可能性が大。まあ、旧カリキュラムで文系の人(当然、
#経済学・社会学の人も含む)が確率・統計を全く勉強しないで大学に入るより
#はマシだと思うんですが…

あとは誤差を扱う学問としては物理、化学、天文学あたりですけど、これは高校
レベルだと誤差の扱いはかなりズサンだからなあ…

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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま   http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta           mailto:delmonta@ht.sakura.ne.jp