Mitsutaka Nakamura wrote:
> In article <3EE3599F.A277A3CD@yahoo.co.jp>,
>         kaz hagiwara  <kazhagiwara@yahoo.co.jp> wrote:
> >ジーコのやり方は、選手に自由にやらせる分、チームの戦力向上が結
> >局選手任せになるという意味で、本当に勝てるチームになるまでには、相当長い
> >目でみてやる必要がありそうです。
> 
> まだ1年ですから結果を求めるのは酷かと思いますが、
> 2年目で進歩が出ないようなら手を打つべきかと思います。

ジーコのチームの場合、この「進歩」というのは、選手本人、あるいは、
チームを構成する選手間での「気づき」によるほかないというのが、前任
者のチームとはだいぶ違う部分なんですね。だから時間がかかる。無論、
「気づき」は一瞬にして起こるわけで、そういう意味では、あっと言う間
にチームが成長する可能性はないわけではないですが、逆にまったく気づ
かない選手がいる可能性もあるわけです。さらに、気づいたら次にどうす
べきかということも、分かっている選手とまったく分からない選手、分かっ
ていてもできない選手、といろいろいるわけで……。

"片倉@OMA同盟参上" wrote:
> まぁ、選手も当然、そのことに気づいていると思うんですが、
> 後半は、ラインをフラットにしながら上げていって、
> タイミングを見て(大体ラインが相手の先頭と接触したくらい)、
> 1人が下がって、裏を見る、といった守備をしていたように思います。

あと、前任者のトルシエの場合、この時期戦術的にはディフェンスの約束
事の徹底に費やしていましたが、ジーコの場合、逆に守りのこまかい約束
事は選手同士で決めるようにということでやっているように見えます。そ
れは、まあ、トルシエの築いた基礎の上にやっているということだから、
悪くはないんですが、だからといって、試合前の合宿でシュート練習を延
々やるというのも、ちょっと違うんじゃないかという気がします。

で、ジーコについて今一つ見えないのが、精神面での強化を具体的にどう
やるかという部分なわけです。

そりゃ、攻撃の意識を徹底しようということで、シュート練習をやったり
したんでしょうが、それ以外は、「頑張れ」「恐れるな」「自信を持って
いけ」と言うだけで、トルシエみたいに、「(自己表現の苦手な小笠原に)
もう、帰れ」と言い放つような挑発的な精神鼓舞行為まではしないんです
ね。

ジーコは基本的に優しい人なんでしょうが、それ以前に、精神的な面での
強化が必要だと認識したときに、そのやりかたを習っているトルシエあた
りのコーチングスクール出の監督と違って具体案がない。ジーコのスタッ
フに、サイコロジストいるという話も聞きませんし。

だから結局、精神主義で行くしかないというのがジーコの限界でしょう。
無論、だからといってジーコに精神力の強化ができないというわけではあ
りません。強いチームとの試合をしていくなかで、「慣れ」と「反省」を
通して強い精神を身につけていくことは勿論できます。しかし、このやり
かただと、合宿を精神力強化の場として使うことはできないので、当然時
間がかかるわけですし、これもまた、選手の「気づき」に頼るという意味
では、効率的ではないわけです。

Mitsutaka Nakamura wrote:
> 加茂監督の方がプレスに関してのコンセプトっていうか意思統一はされていた
> と思います。今はそれが足りないし、取ってからの約束ごともないみたいだし。

この「約束事」もジーコのチームでは自分達で作っていかなければならな
いわけで、「そのためにはコミュニケーションが必要だ」ということから
して、自分達で気づいていかなければならないわけですね。これは大変。

このチームに関しては、だから、一試合、一試合の結果に一喜一憂せず、
大会毎のノルマも課さず、気長に、暖かく見守ってやることがどうしても
必要になるわけです。しかし、暖かく見守ったからといって、ドイツ大会
に出られる保証もないなかで、マスコミも、ファンも、耐えられるかどう
か、協会がジーコを守りきれるかどうか。そのあたりは注目したいところ
です。

> コンフェデ杯恐いですね。

「コンフェデには期待しない」というのが、ジーコの日本代表チームを支
持する立場としては、正しい態度でしょうね。

萩原@グリフィス大学