いいじまです。

> 教育は社会的事柄でも有ります。現に小中生は義務教育でも有ります。
> ですから教育自体が語られればそれは自動的に社会的側面をも照らすものでは
> ないのでしょうか?

その通りです。

その通りなんですが、fj.education だけでなく fj.soc.education ができた
経緯は、教育のことを論点に入れなくても十分議論できるはずの各種時事問題に
ついて、「これは教育の問題でもあるから」と強弁して fj.soc.politics、
japan.jiji と fj.education のクロスポストで言いたいことだけ言い放つ輩が
少なからずいるので、はっきり言ってしまえばそういう記事を隔離するために、
fj.soc.education が新設された、ということがあります。ただ、現状では、
fj.education も、約一名の傍若無人な投稿者のせいで、いまだに fj.soc.politics
や japan.jiji とのクロスポストの餌食になっています。

> 例えば、今回教えていただいた「社会的側面が議論の中心」と言う場合と
> 「教育自体が中心」と言う場合の違いも言葉上のみならず実際上になると
> 分からないのです。

たとえば、英語や数学を教える上でどういう教え方がいいか、どの学術理論を
子供に教えるべきか、という話題は fj.education の担当です。「教えること」
が話の中心だから。

一方たとえば、問題行動を起こす青少年を減らすために何ができるか、という
話題や、徳育の問題は fj.soc.education が相当です。この問題は学校の中の
問題という側面は少なく、そらに言えば、地域社会とか警察とか、場合によっ
てはそらに立法者との連携抜きには語れませんので。

文化祭などの地域開放型学校行事のあり方、とかいうトピックはグレーゾーン
です。

「受験」だと、「受験」という制度そのものの是非を問うなら fj.soc.education、
受験というシステムがすでに存在するという前提を動かさずに「今の受験制度では
採りたい学生をきちんと選別できない、うまい選別のための改善案をさぐりたい」
とか「受験のためのよい勉強法は?」とかいう話題は fj.education です。

> とりあえずfj.educationを購読してみようと思います。ありがとうございました。

そうですね。
それで「自分の望む議論が行われていない」と判断すれば(小田原さんは高い問
題意識をお持ちですから、おそらくそう結論づけると思います)、ネット上に散
在する教育系メーリングリストに参加するのがいいと思います。

fj はもともと大学や研究所のコンピュータ関係の研究者が中心に作ったネット
ワークで、今でもその色彩は残っているので、広汎なコンピュータ関係者が興味
を示しやすい分野以外の議論の場としては弱いです。

高校以下の教育の話題もそうです。また、私の大学時代の専攻は心理学ですが、
fj.sci.psychology にはまともな記事が全く流れていません。コンピュータ関係
者が興味を示しそうな fj.sci.ai すら閑古鳥が鳴いています。

#そもそも心理学は、一般の人がイメージする中身や巷の三流の本に書いてある
#中身と、学術界で行われていることの乖離が激しく、また学術界も考え方の違
#いによってかなりひどい分裂状態にあるので、単に「心理学」の看板では使い
#にくいというのもあります。このへん、
#http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/profil/psychologie.html
#に書きましたのでお時間のあるときにでも見ていただければ。

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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま   http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta           mailto:delmonta@ht.sakura.ne.jp