常泉です。

絶対静止系を認めないのは、ニュートン力学と決別した相対性理論の特徴です。
一方、T理論が絶対静止系を(ほぼ)認めるのは、
ニュートン力学の拡張理論と考えることのできるT理論の特徴と言えるでしょう。

絶対静止系の定義には、エーテルの存在の有無が問題にされることがありますが、
物質の存在状態という観点からもその定義を考えることができます。
エーテルは無視することにしましょう。
仮に、宇宙は無限に大きく、何処をとっても実質的に変化が無く、
物質は一様性を保つようにランダムに存在し且つ運動しているとすると、
宇宙物質のマクロな分布状態には何処にも偏りというものが無いと見なすことができます。
すると、絶対静止系というものを考えること自体が無意味となり、
絶対静止系などというものは考えない方が良いことになるのかもしれません。

そこで、絶対静止系を考えるための新しい発想のきっかけを探すことにし、
宇宙の始まりとされる所謂ビックバンを絶対静止系を与えるための根拠の一つとして
取り上げることにしてみましょう。
但し、従来のビッグバンの考え方は多少変更し、
ビックバンは1回だけ起こったのではなく無数回あったのだ、と考えることにします。
これを言い換えると、現在我々が住んでいる宇宙の素になるビッグバン(の主体)は、
従来言われているビッグバンそのものなのですが、
そのビッグバンの前・後に起こった別のビッグバンも無数にあった、
ということになります。
区別のために、従来言われているビッグバンをビッグバンAと呼ぶことにしましょう。
すると、我々の宇宙空間はビッグバンAで形成された宇宙に、
それ以前(または以後も含む)の無数のビッグバンXで形成された宇宙も
多少混じった宇宙で成り立っている、と考えることが正しいことになるはずです。
混じり気の無い(例えばビッグバンAだけで形成された)宇宙を小宇宙と呼び、
それ以前(または以後も含む)に形成された小宇宙も混じった宇宙の全体を大宇宙
と呼ぶことにすれば、大宇宙の中には異なる小宇宙が無数に存在している、とも言えます。
但し、我々の棲む宇宙は特定のビッグバンで形成された
特定の小宇宙が主体の大宇宙であることは確かですから、
我々を宇宙人Aと呼ぶことにすると、宇宙人Aは、
正確には大宇宙の中で生活しているのですが、
実質的にはビッグバンAで形成された物質を主体とする小宇宙Aの中だけで棲んでいる
(と言っても良い)ことになるでしょう。
結局、小宇宙は生まれて間もない時は(体積が未だ)小さい宇宙ですから、
(大宇宙は既に十分大きいので)大宇宙の中での小宇宙を原因とする物質の偏り
というものを考えることができます。そして、その結果、
大宇宙の中のその小宇宙に限って意味を持つ絶対静止系を考えることが
可能になることが分かります(T理論では、この小宇宙に限った絶対静止系を
部分的絶対静止系と呼ぶことにしています)。

以上のような仮説は十分な物理的意味のある仮説としてたてることができます。
しかし、現段階で、小宇宙と大宇宙が存在し、特定の小宇宙に限った絶対静止系が
少なくとも存在するという仮説を一般的に証明することができません。

ところが、回転系に関してだけは、現段階でも絶対回転静止系の存在を証明できます。
その証明は「天動説は誤りである」と断定することで可能になると言っても良いでしょう。
この点に関しては天動説とGPS衛星搭載の原子時計に関連し既に説明しました。
http://groups.google.com/groups?dq=&hl=ja&lr=&ie=UTF-8&group=fj.sci.physics&selm=39f687a2.0408110351.a84a012%40posting.google.com

GPS問題を検討すれば、明らかに唯一の正しい回転静止系
−「絶対回転静止系」−
を決めることができ、天動説は誤りであることが分かります。
GPS問題では回転静止系を一つに決めざるを得ないのです。

小宇宙には絶対回転静止系があるに違いないことはGPS問題から分かるのですが、
では次に「何が絶対回転静止系を決めているのか?」という点が問題になります。
ここが重要なポイントです。

さて、T理論では波動関数は素粒子の関数であり、
「実在」と考えるべきものになりますが、
その事実を認めると「何が絶対回転静止系を決めているのか?」が
直ちに理解できることになります。
そのために次のことを考えます。
即ち、素粒子の波動関数がもし回転したら、何が起こるか?
波動関数は小宇宙全体に拡がって(場合によりほぼ無限に拡がって)いる関数です。
するとその関数が回転したらどうなるでしょう?
無限大の速度というものを認めないとすれば
(これは力の伝達速度に無限大は有り得ない―力の伝達速度とは光速度と等価である―
と考える方が正しいことに注意されたい)、
回転中心から遠く離れている部分の回転速度に十分な大きさを与えることができない結果、
波動関数の回転角にズレが生じ、
回転する波動関数には捩れ現象がたちどころに生じることになるでしょう。
(飴を捏ねる様に)波動関数が捩れるという物理現象は合理的な物理現象とは思えません。
そこで、「波動関数の捩れ現象は起こらない」換言すれば
「素粒子は回転できない(しない)」と考えることが妥当になります。
素粒子が集まったマクロな物質は、勿論、回転できます。
しかし、素粒子は回転できないと考えるべきなのです。
以上から明らかなように、
要するに、T理論では、素粒子が回転していない系が回転静止系なのです。

以上の考察から、「何が絶対回転静止系を決めているのか?」という問題が
T理論で解決しました。
回転静止系は、素粒子の回転状況の直接的観測方法があれば決まるはずなのですが、
その直接的観測方法は現状では知られていないでしょう。
しかし、回転静止系が絶対系として存在することは間違い無いものであることは、
GPS問題を考察することから間接的に証明されていることになる訳です。

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常泉 浩志

相対性理論は間違っています。量子論も修正が必要です。
私は、新しい物理学の到来を告げる「T理論」を提唱しています。
「T理論」は、相対性理論の代替理論であり量子論も修正する理論です。
http://www.ni.bekkoame.ne.jp/tsuneizumi/

    − T理論を構成する物理の基礎 −
(1). 時間は普遍(絶対)である。
 従って、光速度不変という異常概念は不要となる。
(2). 物質の波動関数は実在であり、確率(振幅)ではない。
 これから、光は実在せず、仮想の物理現象となる。
(3). 質量エネルギーは不変である。
 速度が変化しても質量が変化することはない。
(4). 力の大きさは従来の2倍である。
 遠隔作用で交換されるエネルギーに関連し、量子論で重要になる。
(5). 速度の異なる系間では4(次)元座標が均等に収縮する「T収縮」が起こる。
 4(次)元座標は現実の空間の座標ではなく、作用空間の座標である。

    − T理論から得られるいくつかの結果 −
(1). 加速器における荷電粒子の加速運動は、相対論とT理論で一致する。
(2). 水星の近日点移動が軌道の数値計算から99.9%以上の正確さで計算できる。
 この軌道計算は任意の楕円運動で可能である。
(3).  原子時計は、重力ポテンシャルの変化に起因する時刻の変化を示す。
 GPS衛星搭載の原子時計の変化は時間の変化とは無関係に説明できる。
(4). 1次、2次のドップラー効果の理論値は観測結果と一致する。
(5). 水素原子のエネルギー準位が従来より正確な値として与えられる。
 2S(1/2)、2P(1/2)に関しては、ディラック方程式の解に比べ
 実測値との誤差が10%以下になる。
(6). 自己エネルギーと質量エネルギーが一致し、物理理論の整合性が高まる。
(7). 従来理論におけるボーア半径の異常性が改められる。
(8). 電子雲分布から、水素原子の正確なエネルギー準位を求めることができる。
 この事実は波動関数の実在の証拠となる。
(9). 質量不変の帰結として、繰り込み理論が不要となる。
 繰り込み理論を用いずにラムシフト計算が可能となる。
(10). ローレンツ不変量は、T理論で従来と同様の役割を果たす。
 ローレンツ不変量は相対論と必要十分の関係にあるのではない。
(11). デルタ関数は修正され、素粒子を表す大きさのある自由空間の波束として示される。
(12). 波動関数実在の帰結として、観測問題が解決する。
 波束の収束という異常概念は不要になる。
その他、数多くの興味ある結果がT理論から導かれる。

 「T理論改訂版」では、以前発表した「T理論」の内容の一部が修正され、
相対論の分野もさることながら、特に量子論の分野でのT理論の正しさが
定量的に鮮明になってきたため、従来の相対論と量子論に比べ、
T理論の理論的優秀さがより明確な形で示されている、と言えるだろう。