河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

これは、クラシカルなタイムマシンものと言って良いんじゃない
かな。ウェルズのタイムマシンのオマージュと言う感じ。

いきなり、話が二手に分かれて、両方がほとんど並行してノーダ
ス(生命が発生した時点の過去)を目指すという話なので、読みに
くいんですが、ゴールデン・エイジほどじゃないです。

アンブラセイン vs ヘリオセインという対立図式も、もはや陳腐
と言って良くて、それで続くわけはないだろうと思うけど、いた
って、そのまま話は進むわけだね。もちろん、丁寧に伏線がはら
れたどんでん返しもあるわけだけど、あっさり終ると言う感じ。

ポリーとタックの、殺され役 vs 殺し屋という図式もあるんです
が、どっちも微妙。ポリーはかわいいと言う設定らしいんですが、
あんまり、思い入れもなく。最初は馬鹿で、いろいろ修正されて
まともになるという設定だからかな。途中で、いきなり殺されて
もおかしくはないほど、存在感が希薄な主人公達です。

もっと良くわかっているはずの、カウルやヘリオセイン側、その
他の方が「背景」的な書かれ方をしているせいかも。

まぁ、あまり体調良くない時に読んだのと、ゴールデン・エイジ
の絢爛豪華な本の後だったので、あんまり印象が良くないのかも
知れないです。話に破綻があるわけではないし、二次元的な時間
のイメージ(可能性の坂)あたりのアイデアは面白かった。

---
Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科