河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

In article <800c7853.0409292020.6005be85@posting.google.com>, eurms@apionet.or.jp (M_SHIRAISHI) writes
> しかし、現在の量子力学は≪甚だ怪しい基礎≫の上に構築されている。

公理化されたって話が20年前くらいにあったと思うけど..

> 「確率が波動となって空間を伝播する」としているからである。
> 確率は、断じて、物理量ではない。 
> 物理量でない「もの」が物理空間を伝播する筈など在り得ない!

物理量と確率、それして波動関数、あるいは、状態は、量子力学では
区別されてます。

空間を固定した表現を選ぶと、状態は空間を伝搬するように記述さ
れます。されるけど、別に「伝搬している」ってわけじゃないんだ
よな。で、物理量は、状態から、確率分布として得られるってわけ。
でも、それが重要なんじゃなくて、重要なのは、

    観測と観測の間に確率的な関係があり、
    その確率は、線形合成則を持つ状態によって決まる

っていう量子力学の基本法則だけです。そこには、空間とか伝搬と
か実は出て来ない。で、この基本法則からだけで導出される量子力
学の成果は結構あります。これに、お決まりの空間対称性だの変換
群だのニュートン近似だのを組み合わせれば良いわけだ。どこが怪
しい基礎なんだ? 

そのあたりは、ディラックとかフォン・ノイマンとか読めば良いわ
けだけど。

でも、そもそも「空間」って何? そのあたりを反省しないとラッセル
以前に逆戻り...

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科