揺籃の星 (Cradle of Saturn)
河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
J.P.ホーガンの新三部作らしいです。ベリコフスキーの「衝突する
宇宙」のアイデアを書き直すってわけですか。1999年だから、そう
いう「ハルマゲドン」ものを書く年だったんでしょうね。
木星から地球型惑星みたいな彗星が出てきて、地球と衝突するって
な話なんだけど、まぁ、電磁気的な効果がどうこうとか、いろいと
付けてますが、そういう仮定のSFってわけですね。そここに、もっ
ともらしい言い訳みたいなのが入っているんだけど、「それは無理
だろ」ってのから「そういう問題もあるよな」ってのまでいろいろ。
そこに突っ込んでもしょうがないよね。
恐竜が滅んだのは重力が変化したからだってのはソウヤーの「さよ
ならダイノサウルス」でも出てきました。このあたりの恐竜の体格
の矛盾って今でも残っている問題なのかな。きっと「油ばっかりで
以外に軽く、もっさり動いていたんじゃないの?」ぐらいにしか僕
は思ってないんですが...
土星の衛星群に移住した「クロニア人」ってのが出て来るんだけど、
これは「断絶への航海」で出てきたのと同じ「ホーガン流理想主義」
ですね。そんなにうまく行くかってのは、そうなんだけど。原題は、
Saturn だから土星の方に重点があるわけね。
話としては、割りと単純なパニック小説かな。あんまり真面目に読
む気しない感じ。つまらないとまでは言わないんですけど。
ここまで「とんでもなく太陽系が変わる」って話だと、やっぱり、
裏に「そういうのを画策する(悪意のある)神」ってのがいるんだよ
ね。きっと。そういう風に話が展開するのを期待します。
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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科
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