河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

In article <c9s5dv$jq$1@news01.iij4u.or.jp>, ishihara@y.email.ne.jp (Yukio Ishihara) writes
>  にしても、M&M てのはやっぱり時間の概念の変革を迫るわけでしょう?
> # 当時はこれも「と」だったりして・・

M&Mはマイケルソン&モーレーですよね。かなり無視されていたんじ
ゃないでしょうか? 所詮、次の小数点の話なわけだし。ローレンツ
変換に関しては、おそらく大半の研究者は、電磁気学の細かい問題
点の一つぐらいに考えていたんだろうと想像します。ただ、なんか
おかしいことがあるってのは広く知られいたと思いますけどね。

ワシントン大学で、マイケルソン&モーレーが使った「石の台」っ
てのを見たんですが、かなり巨大で堅い花崗岩の塊なんですよね。
で、これを、90度回転させて測定するわけです。そのたびに、この
巨大な石の塊は、その方向にローレンツ収縮するわけなんですよね。
どっかのアホが「相対論では回転できない」みたいなこと言ってた
けど、まさに、その石の塊が相対論的な非剛体的回転をするのを、
マイケルソン&モーレーが測定したわけです。

でも、アインシュタインが特殊相対論でノーベル賞を取れなかった
のは、当時、受け入れられない人が多かったことの証だとも思いま
す。今も、ここでしつこく投稿している剛体絡みの反論が山程あっ
たらしい。アインシュタインは、ローレンツ変換を発見したわけで
はないので、オリジナルの仕事だと思われなかったってこともある
んだと思います。電磁気的な効果でローレンツ変換が説明できると
考えた人がたくさんいるだろうことも想像に難くないし。ポアンカ
レとかミンコフスキーとか不変量や非ユークリッド幾何に詳しい人
がアインシュタインをサポートしなければ、もしかすると自殺して
いたんじゃなかろうか。

じゃぁ、なんで、アインシュタインが画期的だったかと言うと、
やっぱり、
          E=mc^2
でしょ? 質量欠損は知られていたわけだし、核分裂時の高速粒子も
観測されていたわけだけど、その高速粒子のエネルギーが質量欠損
から来るとわかるのは画期的ですよね。実際にエネルギーが生み出
されるんだってわかるわけだから。

なんだけど、これも「質量欠損を予言」したわけじゃないんですよ
ね。アインシュタインは宇宙の膨張も予言し損なっているので、実
は、本人は割と保守的なんだと思う。もっとも、保守的でないドイ
ツ人がいるのかっていう気もするが... コペンハーゲン解釈に関し
ては、かなり抵抗してましたしね。

物理は「知られていないことの予言」みたいなのを重視するみたい
で、「今までの実験結果の再解釈」ではノーベル賞はなかなか取れ
ない。ここでの相対ト論の人達が評価されない理由も、結局、「検
証できる実験結果の予言」が出来てないことが大きいと思う。それ
があると、かなり「ト」な理論でも評価されるっていう側面もある
みたいです。

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科