河野真治 @ 琉球大学情報工学です。

そういえばバーホーベンは、次回作はなんだろう?

In article <20040522160202.A164.PCRDITO@myad.jp>, 伊藤正一<pcrdito@myad.jp> writes
> バーホーヴェンは保守主義でもなければ好戦的でもないでしょう。彼は人を不愉快
> にさせることが大好きな、イジワルおじさんと見るのが正しいんだと思う。しかも
> そのイジワルぶりってのが徹底している。

テレビ出身だとあーなっちゃうのかなぁ。なんだっけ、アメリカの
軍隊の海外侵寇を海岸をライトで照らして中継するみたいな....

ハインラインの原作も安易な軍隊礼讃に見えるような、そういうと
ころはあるけど、もっと格調高いんだよね。真面目にやっているて
いうかさ。訓練のシーンなんかも、そうなんだけど。

バーホーベンは、不道徳性とかスプラッタとか、はっきりそれを楽
しんでいるのはわかるんですよね。で、それを楽しむためには、
馬鹿にならないと楽しめない。スターウォーズ的な馬鹿さだったら、
問題なく入れるんだけど。

> 「インビジブル」にしても、透明化した天才科学者がまずやることが、覗きやストー
> カー行為だなんて、あまりに身も蓋もない感じ。そこも含めてあの映画に出てくる
> 登場人物ってみんなバカなんですよね。これもバーホーヴェンが人間所詮、みんな
> バカだとしか思っていない証拠。そこら辺、ぼくなんかはとっても正直な感覚と思
> えて、好きなんですけど。

「インビジブル」も「パルプフィクション」も、観客が犯罪に参加
している感覚みたいなものがありますよね。そこで「インビジブル」
には、その特有な後ろめたさみたいなのがないんだよね。一方で「
パルプフィクション」や「ジャッキー・ブラウン」には、「これか
ら悪いことをするんだ」みたいな感覚があるんだよな。

どうせ作り話だとして見るのが大人なのだとすれば、9.11 もイラ
ク戦争も「大人」は、そういうように見えているんだろうか? 自分
とは関係ない遠い話であって? 

> いっさいの権威とか正義とかが嫌いなのに、自分を高みにおかない人でもあります。
> 最低映画を選ぶラジー賞の授賞式に正装で出て、「ショーガール」での作品賞トロ
> フィーを受けて、スピーチまでしたのはこの人ぐらいでしょう。カンヌの審査員長
> になって喜んでいるタランティーノとはひと味違いますね。

たぶん僕は逆に、バーホーベンははっきり観客を馬鹿にしてそのレ
ベルでつくっていると感じているんだろうな。子どもの頃に、大人
の漫画を覗き見しているみたいな不道徳性かな。まだ生えてないの
に陰毛の写真を見るような、そんな感じ? 

タランティーノは、

> バーホーヴェンに比べれば、タラちゃんなんてまだまだ子供。自分の趣味をおもちゃ
> 箱をひっくりかえしたようにぶちまけて見せて喜んでいるだけでしょう。

そう、
           一緒に遊んでいる感覚

ですね。「キルビル」なんか、日本の映画で遊ぼうみたいな同時刻体験
がありますよね。

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科