河野真治 @ 琉球大学情報工学です。亀レスですけど。

In article <bo63tq$b49$1@news511.nifty.com>, gvo47068@mail.goo.ne.jp (SAMANUMA) writes
> で、この著者があげつらっている立花氏の発想というのは
>  ・インターネットが世界中のあらゆる人間を結べば、
>    人類は1つの巨大な脳となり、ガイアの一部として新たな進化を遂げる
>  ・人工知能が超知性のレベルに達すれば、
>    人工の脳を使いこなすことで人類は新たな進化を遂げる
>  ・人類が宇宙で暮らすようになれば、
>    超能力が発現して人類は新たな進化を遂げる
>  ・遺伝子組み換え技術が発達して人類に適用されれば、
>    人類は新たな進化を遂げる

ま、良くある話なんだけど、どれも「絶対そういうことはない」って
断言することはできないですよね。

例えばインターネットでの知識や意見の共有ってのは既に現実な
わけだし、コンピュータの能力は人間を越えつつあるし、寿命や
脳を発達させる医療技術は現実です。

一方で、ナノテクとか宇宙開発が「絵に書いた餅」だったのは、
なんとなく、みんな感じていることなんだよね。いや、もっと、
頑張れば実現するのかも知れないんだけど。

> もちろん、この本の著者にしても上にあげたようなSF的な発想そのものを馬鹿に
> してるというよりは、立花氏が根拠も論理もへったくれもなく「そうしなければ
> 人類の未来はない」みたいなことを言ってる点を批判しているようではあります。

文句を付けるのは簡単なんだけど、その結果が現状追認とか貧乏人
に金配れ(あるいは飢えをなくせ)だとすると、なんだかなぁ。月計
画だか木星計画だかをあきらめても、どうせ、そのお金が貧乏人に
いくわけじゃない。むしろ、仕事がなくなる分、貧乏人はより貧乏
になるだけ。

やっぱり、無理にでも「人類の未来」を見つけないとだめっていう
か、現状維持自体が不可能であることは誰でもわかるっていうか。

> でもねえ、そう思ってみると、確かに外から見たらSFもオカルトもファンタジーも
> 同じ穴の狢かもなあとか、いや外から見なくてもそうなんじゃないかとあらためて
> 思ったりして、ちょっと悲しくなったり。まあ、今更といえば今更ですけどね。

人類の未来って何かっていったら、「今は夢だけど、将来実現でき
ること」ですよね。同じ穴のむじなでもいいんだけど、いまいち夢
を示せない。それが今のSFの閉塞感でもある。立花氏がほらを吹くの
はそういうのをなんとかしたいからなのかも。

逆に人類の未来がいきづまっているなら、それだからこそ「人類の
最期に何をするか」が問われているんじゃないかなぁ。人類でなく
てもいいんだけど、自分は自分の人生で何をするんでしょう?

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科