Re: 波動関数は数学的実在だと考えます
河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
In article <befon4$1sv1$1@news.jaipa.or.jp>, "Kenji Kobayashi" <kenji@nasuinfo.or.jp> writes
> 数学的実在、物理的実在などの言葉で、哲学のオントロギーを論ずる気持ちは
> ありません。その能力もありません。
そういう人が、結局、大混乱な議論を展開したり、自分勝手な存在論
を人に押しつけたりするんだよな....
ま、でも、そういう言葉で自分なりに納得できる区別ができるんだったら、
それでいいのかもね。
> 波動関数は複素振動をしています。直接には観察できない複素振動をしている
> とすること自体が通常の物理的実在であることを放棄していると考えます。
電波とか交流電流とかも複素振動なんだけど、どうします?
これは物理的実在の数学的表現だよね。数学的実在ってのは、たぶ
ん、対応する物理的実在を持つ数学的表現のことなのかも知れない。
数学者は整合的な表現でありさえすれば、それに対応する物理的実
在ってのは気にしないみたい。
> 私は、実験による直接的な観察・検証ができない波動関数は、自然数や幾何学
> 構造などと同様な意味での数学的実在だと考えます。
電子とか陽子とかを「直接的な観察・検証ができる」というのかど
うかと、波動関数(ってよりは、確率で表される物理状態だな) を
「直接的な観察・検証ができる」かどうかとは、僕はそれほど差は
ないと思います。
物理的実在とか存在物って、人それぞれにいろいろ思い込みがあって、
勝手な仮定が入り込んでいるものなんだよね。いわく、
物理的実在は連続である
物理的実在は物である
物理的実在は数学的実在とは違う
そのあたりの隠れた仮定を見抜いて見直すあたりが物理学者は得意
なんだと思うんだけど、実は、見抜くと言うよりは勝手な思い込み
なだけなことが多いかも。例えば、
光は追い抜けない
ってのはアインシュタインの勝手な思い込みだったかも...
僕は、
確率現象は、事実だ
と思うし、そういう意味で、実在だと思います。なので、別に波動
関数が実際に伝わっていたとしても別に困らない。でも、それを「
波動関数は物理量だ」みたいな言い方をするには、物理量って言葉
に余計な定義が入ってしまっているかな。
物理量は測定できるもの
なわけだけど、そこには「測定」の定義みたいなものがあるみたいね。
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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus,
PRESTO, Japan Science and Technology Corporation
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科,
科学技術振興事業団さきがけ研究21(機能と構成)
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