拝啓

日が長くなりまた夏本番の到来を感じさせる日和となりましたが
各位には御清栄のことと御喜び申しあげます

常日頃格別の御指導並びに御鞭撻を賜り厚く御礼申し上げます

さて私が好む小説の中に1960年代から1970年代にかけて
アメリカで盛んに書かれたSFがあります
近未来小説として技術者の中にはひそかにバイブルと仰いで
技術開発にいそしんでいる人もいるかもしれません
バラ色の未来を描く小説が多い中でフィリップディックの描く
悪夢世界には心惹かれるものがあります
テレビ電話が日常化しホバーカーが跋扈する世界とはなりませんでしたが
日常的に放射性降下物におびえないといけないところだけはそっくりです
科学の仮面をはぎ取ると管理社会に対する反骨精神が窺われます

翻って現実の世界を見るとコンピューター業界の書籍などに顕著ですが
非常に細かく細分化し誰も統合的俯瞰を持ちえる人はいなくなっている
と思います
専門分野の殻に閉じこもり新たな発明を行なうことは
科学進化の正当性を保証する人が見あたらないので
手放しに賞賛する気にはなりません
それでも電子機器の生活への浸透は着々と進んでいるようですが
コンピューター業界においてだけでも原点に立ち戻ったブレークスルーが
出てこないものかと待ち望んでいるのは私だけでしょうか

携帯電話など紀元前の人から見れば神のお告げと見えるかもしれません

便利な技術に対してただ使うだけでなく腑に落ちるだけの説明を開発者に
求めたいと思います

また管理社会を徹底する方向に進むのなら世界の恒久平和を誰もが
納得できる制度を作り軍事費を管理費用に回して自由で安全な交易を
実現させて欲しいと思います
そして諸国家を止揚する抽象概念を哲学者が提唱し
漢字一字で表せるようにして欲しいと思います

敬具
大城貴紀

追伸
クロスポストはしませんのであしからず
ポスト先がおかしいと思う方は御勘弁を