Re: 戦争で紛争解決する主義と、戦争で紛争を解決しない主義があるわけではない。
Tomoaki Akiyamaさんの<86d5r9tm5n.fsf@sun.akiyama.nu>から
>Great Sugawara <sugawara81@greatest.com> writes:
>
>> 戦争で紛争解決する主義と、戦争で紛争を解決しない主義があるわけではな
>> い。そうではなく、
>>
>> ・侵略する主義と、侵略しない主義があるのです。
>>
>> この視点で見なければならない。
>
> どちらがよくて、なぜよいのか説明していただけますか。
>
> 侵略されたくない主義、なんてのは認めていただけないんですかねえ。する
>かしないか、二元論なのか……。いや、なかなかアリストテレス論理学は超越
>できそうにありません。
正義の戦争ばかりですからね。
攻撃する側には常に大儀がある。紛争を解決する軍事力というのは、つねに問
題解決の能力を持つと信じられている正義の軍なんですよ、攻撃する側にとっ
てはね。
これでは戦争は防げない。
大儀などどうにでも作れます。情緒が生む価値の問題ですからね。人の情緒の
数だけ正義がある。何を解決しようとするのかというと、常に情緒が生み出す
価値を自分の想うように解決しようとするわけですね。実際は金儲けであって
も、純情な国民や青年をたぶらかすように情緒の感じる正義の問題に、国家や
支配階級を自認するものたちは、すりかえることなど朝飯前です。ナショナリ
ズムも常に情緒が生み出す価値。
つまり、情緒は麻薬でして、国民の判断力を国家が麻痺させることができる。
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正しい大儀だろうと、間違った大儀だろうと、こうした価値の問題はどうにで
も色塗りできるわけでして、結局、侵略したか、侵略されたかという事実の問
題で見ると、他国の軍が乗り込んでくるという事実は、ほとんどの場合、情緒
的な価値の問題としては侵略にあたるでしょう。解放軍というのも有るようで
すが、まあ、下心のない解放軍なんて、珍しいと思いますね。
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他国に乗り込むという軍事行為は基本的には、侵略ですね。
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紛争を軍事力で「解決する」というのは、情緒から出る価値の問題に土俵を明
け渡して、価値の問題として納得させて戦争するからこそ「解決する」という
概念が使われるのであって、「泥沼化する」という概念のために紛争に軍事力
を行使するなら、国民の頭脳は軍事力行使をすることができないようになって
いるでしょう。国家はいくらでも軍事力行使をしようとするでしょうが国民の
ハートがついていけない。しかし、「解決する」という、情緒から出た価値判
断を採用すれば、国民は軍事力行使で紛争が解決できるという情緒をもち、国
民感情として欲しがりません勝つまでは、という国民になる。同時に、この国
家戦略で実現できることは、事実の問題としてみれば、他国へ軍を進駐し、侵
略し、原油でも天然ガスでも、軍需産業物資の販売でも、国家とそれに連なる
政商は乗り込んで儲けることができる。事実の問題としてね。
つまり、国民の脳みそというのは大変弱いもので、情緒から出る価値判断の土
俵に引っ張り込まれたら、白とでも黒とでも大儀はなんとでも正当化させられ
る国民になってしまう。
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「侵略しない」というのは、「紛争を軍事力で『解決しない』」という以上
に、情緒から出る価値のあやふやさを制御することができるわけです。「解決
する」と言う概念は非常に価値の入り込む要素の高い概念ですが、「侵略しな
い」という事実の認定は、「解放する」という価値の入り込む危険はあるにし
ても、「解決する」という概念よりはるかに事実への縛りが聞く。
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自衛力という概念は、「侵略しない」主義だったわけです。
しかし、集団的自衛権というのは、これは、紛争を「解決する」という域に踏
み込んでいる。専守防衛は、「侵略しない」主義ですが、国際貢献は違う。
情緒から来る価値の問題を、徐々に徐々にスライドさせていくこの巧みさ。
ここには法哲学も心理学もあらゆる分野をフル活用した国民煽動の技術が加
わっているわけで、この方面の注意力をおこたれば国民への催眠効果はいくら
でも高まる。
昨今では、「『国民のため』に戦って戦死された兵隊さんに『感謝する』」と
いう、靖国問題での自民党の安倍らの発言。国家に殺された兵士ではあった
が、国民の支配階級のために戦争させられた兵士という国民ではあったが、そ
れは被害者であり、感謝どころか、国家への怒りでしかないのに、国家への攻
撃など忘れさせて、国民のために戦ったとか、感謝しろとかいう価値問題にす
りかえてきている。ここでも、情緒による価値操作が行われている。
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戦力がないと侵略されるから恐ろしいぞとか、負けさえしなければ戦争は間
違っていなかったからいい思いができたのにとか、情緒から出る価値の問題に
どんどんすりかえてきている。行き着く先はどういう世界が実現できるかとい
うと、結局、国家を支配する一部国民の大多数国民への支配。これが完了す
る。さらに、他民族の命をだしにして、金儲けにする者たちが大儲けする。同
じ民族が同じ民族に敵対して滅びていったり弱くなって消えていくという現
象。邪魔なモンゴロイドが消えていくという事実。
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戦争で紛争解決する主義と、戦争で紛争を解決しない主義があるわけではな
い。侵略されない主義というのは、自衛力を高めるという戦力強化になりはす
るでしょう。侵略されないために先制攻撃しておこうというプロパガンダにも
利用されると想います。価値の問題として情緒操作をすればね。
ここはやはり、事実の問題として情緒にブレーキをかけられる、「侵略しない
主義」というほうがよろしいと私は想うのです。
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> Tomoaki Akiyama 秋山 智朗
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Great Sugawara
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