civilって「市民」と言う意味ですよね。
今はスパムで埋まっているようですが、
もしここが社会工学のグループなら、
以下の事について皆さんの意見を頂きたいと思います。





小選挙区制は
オーストラリア式と
裁判官◯×審査方式と
どれが良いか(もっと良さそうなのがあれば、それも含めて)?

とりあえず、
国家という舟では
元首という船頭は
一人に絞らなければならないと仮定すると、
定数が一の選挙制度すなわち小選挙区制は
国家維持のために必要だという事になります。

ところが、日本や米英で使われているタイプ
(もっとも古そうなので、以降「古典小選挙区制」と呼ばせて頂きます)では
次のようなサイクルが働くはずです。

(0)
第二野党が当選するには第一野党が当選するのに必要な分より多くの票が必要。
このため、第二野党へ一票を投ずる場合の選挙結果への影響は
第一野党へ一票を投ずる場合より小さくなる。
一方、与党への一票は、
全ての野党へ一票ずつ投票する行為を過不足無く打ち消すので、
全ての野党へ一票ずつ投票するのと等しい影響力を持つ。
つまり、
確保している票が多い党ほど、選挙結果への一票の影響力が大きい。
(ボーダーライン上の候補への一票は重いの定理)

(1)
愚かな有権者は与えられた票を有効に使おうとする為、
投票を棄権した時に選ばれるであろう党と比較して
どれくらいマシかだけでなく、
選挙結果への一票の影響力がどれだけ大きいかも考える。
こうして、
一票の選挙結果への影響が小さい
つまり確保している票が少ない党は票を集めにくくなり、
一票の選挙結果への影響が大きい
つまり確保している票が多い党は票を集め易くなる。

(2)
(1)より、大きい党はより大きく、小さい党はより小さくなる。

(3)
(1)へ戻る。

(1)(2)(3)サイクルによって、
小政党から順に小選挙区からいなくなり、
ボーダーラインが存在できる最低限の政党数…二党にならざるを得ません。
新しい政党は基礎票0から始めますので、
それ以上票を集めるのは非常に困難です。
こうして、古典小選挙区制では有権者の意志に関係なく、
「固定二大政党制」に収束すると思われます。

これを防ぐ一つの方法として、
どの候補に投票しても、
必ず最後には票がボーダーライン上の候補に流れるような仕組みが
西欧などで用いられて来ました。

それを最も徹底しているのがオーストラリア式(と、私は呼んでいます)です。
オーストラリア式(オーストラリアで用いられているので)は簡単にいえば、

(1)
ビリの人を落とす。

(2)
ビリの人に一票を入れてしまった人にだけ、
他の候補者へ投票し直す権利を与える。
(開票時間短縮や秘密投票の原則を守るため、
実際は、最初の投票の段階で
候補者の優先順位を票に書いてもらいます。)

(3)
残った候補者の数が定数に収まるまで
(1)(2)を繰り返す。

というものです。

もう一つの方法は、
全ての候補者に一票ずつ投票するというものです。
そうすれば、候補者の違いによる一票の格差は無意味になります。
勿論、本当に全ての有権者に一票ずつ投票すれば
候補者間の票差が変わらないので、
誰にも投票しないのと同様、選挙結果に反映されません。
この方法で一人の有権者に与えられるのは
一票ではなく、一票差なのです
(この方法では、
一人の有権者が、ある候補には100票、他の候補全てには99票入れるのは問題ありません。
しかし、
ある候補に2票入れて、他の別の候補には0票しか入れないと大問題となります。)。

「与えられるのは一票差」といわれると、
有権者が投票所で何を渡されるのか想像できないので、
「与えられるのは一『ポイント』差」と読み換えてください。
最も嫌いな候補へ与えるポイントを基準にすると、
最も好きな候補者へのポイントは基準より多くなりますが、
その差は一ポイントに過ぎず、他の候補者が間に入る隙間はありません。
二択の問題が候補者の数だけあると考えれば良いでしょう。
「一票差」の正体は候補者毎の◯×信任投票です。

普通、信任投票は候補者が一人の時だけ使われます。
なぜなら、他の候補の信任率に関係なく、
信任率が半分を越えればその候補は落選しないと
「決まっている」が信任投票だからです。
全ての候補の信任率がみんな半分を越えると、
定数に関係なく全員当選してしまいます。
日本の裁判官の国民審査がそうです。

この方法による小選挙区制では、
当選には必ずしも半分の信任率を必要としません。
90%の信任率を誇っても落選するかも知れません。
当選の条件はただ一つ、
「全ての候補者の中で、最も高い信任率(最も低い不信任率)を得る事」です。




選挙制度を評価する基準の一つとして
「
自分の好きな候補の順番と、
自分の好みを投票結果に反映させるための、候補の投票優先順位は、
逆転してはならない。
最善の候補には投票しないのに
次善の候補に投票する方が
自分の好みがより強く投票結果に反映される、
という事があってはならない。
」
があります。
この基準から見ると、古典小選挙区制はおろか、
あのオーストラリア式すら、
候補者毎の◯×信任投票より劣る事になります。

立候補者   支持者(人)
A党         100
B党          80 (みんなA党よりC党が好き)
C党          50 (A党よりB党が好き 25   B党よりA党が好き 25)

B党の支持者についてだけ考えてみましょう。
B党の支持者が候補者の優先順位をそのまま
B→C→A
と書くと、当選するのはA党になりますが、
C→B→A
とB党の支持者みんながすれば、当選するのはC党になり、
B党支持者の好みがより反映される結果になります。
候補者毎の◯×信任投票はこのような事がありません。