私も岸田秀の「幻想の博士号」にすっかりだまされていたまし
た。

いろいろ教えてくれる人がいたりして、いくつか疑問がとけた
のですが、まだ疑問がある点を書きますので、コメントがあっ
たらよろしく。 fj.booksをときどきチェックしてみます。


疑問 ①  １００％ウソ？

岸田秀の博士号は、１００％ウソだったのだろうか？
すこしは「うっかりした」という面もあるのだろうか？
大学に就職するときに提出した資料をみるとある程度わかるは
ずだが。

思えば、岸田秀は、当初から「ストラスブール大学大学院を卒
業」と書いて、1980年からは「10年あまり前にストラスブール
大学に提出した博士論文を収録した」とか堂々と宣伝してきた
が、「心理学博士」とは一度も表記していないようだ。つまり
これは、「博士号を取ったつもり」が初めから無かったことの
現れか？


疑問 ② （挫折）本当の理由

岸田秀みたいに勤勉で頭の良い人がなぜ博士号がとれなかった
のだろうか？  フランス語が読めてもほとんど話せないからか
？  (きっと、これですね。）

学位に必要な単位はとったのだろうか？  フランスの大学でも
ほとんど授業に出なかったと書いているので、単位も皆無に近
いのでは？


疑問 ③ 「調べてみた」理由

岸田先生 曰く 「（３０年の間）ストラスブールで博士号を取
ったつもりでいたが、調べてみたら名前がなかった」
調べてみなければ永久にウソがばれずに済んだはずなのに、調
べてみた理由は何だったのでしょうか？ 何かの際に学部の教
員全員の学歴証明を集めた、とかでしょうか？  

？？？岸田先生は銀行口座の残高を調べるてみるのもやっぱり
３０年に一度ですか？？？


疑問 ④ （挫折）岸田の言う理由

岸田先生 曰く「指導教授が届けるのを忘れたのか、ストラス
ブール大学にはそのようなことは記録されていないと」
（『二十世紀を精神分析する』（初版は１９９６年）所収の「
フロイド讃歌」（文春文庫））
 博士号がとれなかった（とれない）理由をそういうふうに曖
昧至極に書いてあるのですか？   単なる手違いが原因なら、
それを是正するのは簡単に思えますが。


疑問 ⑤  文部省の資格

文部省が認定していて精神分析を教える教授に関する資格があ
って、（臨床心理士ではないはず）これを岸田は持っていたの
だが、文部省がこの資格を岸田から（1995−99年くらい
に？）剥奪したそうだ。これは何という資格か？  そして、こ
の措置はやはり学歴ウソに対応してのことか？

        ☆    ☆    ☆  

私は伊丹十三の本も好きなんですが、二人とも強烈な学歴コン
プレックスの持ち主だったと知って感慨深いものがあります。

博士論文を出版できる人もめったにいないのに、岸田秀先生は
、外国の大学に提出したと称する“博士論文”を、メジャーな
出版社から、（サルトルきどりでえらそうにひとに翻訳させて
）ベストセラー・ロングセラーの本の中に全文そのまま収録す
る、というトリプル（＋１）快挙をなされたわけで、こんなこ
とは日本の学術界・出版界の全歴史の中で唯一の例だと思いま
す。私はこの“博士論文”を２０年前に感服して読みましたが
、すべてが岸田先生お一人の幻想だったのですね。


色即是空、「一切は是、幻想」ですか？  岸田先生。





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