Kiwiです。ずいぶん前に見たので細部の記憶が不確かですが。。。

<m3ptlsggr4.wl@rs13.cable.nu.focv1.shin.nu>
rutabega@mailandnews.com wrote:

|こんにちは。
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|At Wed, 4 Jun 2003 21:56:39 +0900,
|Nobuhiko Iwaki wrote:
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|> 最後のシーンで結局あの宇宙人(?)の肉体は消えませんでしたね。
|> でも、
|> ・中身が抜け殻(緊張症?でしたっけ?)みたいになった
|> ・同じ病院内の女性(ベス)が忽然と消えた
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|> という事から考えるに、K-PAX星人は肉体を持たない存在で
|> あの可愛そうな境遇のポール(ケヴィン・スペーシー)の肉体を
|> 借りて地球に到着した。
|> というのがもっとも妥当な理解なのかな、と思いましたが皆さん
|> はいかがでしょうか?
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| 私は、彼は、単なる精神障害者であって、彼の周りの不可思議な現象という
|のは、ただの偶然である、っていうふうに感じました。

「ただの偶然」かどうかは解釈が難しいところだと思いますが、ポール
はある種の患者にすぎないというのは同感です。ただし、未知の天体知
識について驚くべき知見を発揮していたところを見ると、精神障害とい
うより脳障害患者として描いているのかなとも感じます。

『レナードの朝』の原作者のオリヴァー・サックス(脳神経科医)に『火
星の人類学者』という著作があるのですが、このK-PAX星人って、表題
の「火星の人類学者」と名乗る患者から発想しているような気がします。
(あまり根拠はないです)。ちなみに、この著書に出てくるのは7人の脳
障害患者。

|#「女性が消えた」という現象については、よくわからないですけど。(^^;

よくわからないというか、正直なところ、ストーリーとして破綻してい
ると理解すべきのような。。。で、破綻しているという前提で、では何
を表現したかったのかと邪推をすると、

「脳障害患者特有の人間離れした能力」が"奇跡"を産んだ!

というようなことなのではないかと。

別の言い方をすると、癒しがテーマの作品なので、脳障害患者の特殊能
力に聖性を感じさせるような曖昧なエンディングにすることで、西欧文
化の基底に流れ続けている「救い」のニュアンスを出したかったのでは
ないかと。。。もちろん、意図は失敗していると思いますけど。(笑)


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Kiwi / 川島  貴 <kiwi@do-z.net>
http://cinemasaloon.com/