一人の政治家にあらん限りの罵倒、中傷の十字砲火が浴びせかけられている。

「天下の変節男」「欺瞞の転載」「畜生以下の非道」「泥棒野郎」「銭ゲバ」「ヘビ」-こうしたおどろおどろしい文字が、
「公明新聞」(公明党機関誌)や「聖教新聞」(創価学会機関誌)に踊っている。
双方とも、「ヒューマニズム」を標榜し、「人権と平和」を守ることを自らの立脚点だと公言して憚らない組織の機関誌である。
それも尋常ではない執拗さである。数百万の部数を誇る新聞で、これほど大量の個人攻撃がなされたことはかつてなかった。

罵詈雑言を一身に受けることになった元政治家とは、竹入義勝元公明党委員長(72)である。
その攻撃の主たる原因は、竹入がこの夏、朝日新聞紙上で十二回にわたって発表した「秘話・55年体制のはざまで」と題する回顧録にある。

彼らがなぜ血道を上げて竹入バッシングに走ったのか。
理由は極めて単純だ。回顧録の内容が、創価学会の池田大作名誉会長の逆鱗に触れたためである。