2009 年 9 月最終回寸評
水野@元秋田です。
もう11月ですが未だに10月開始作品を1つも観ることができていない水野,
9月終了作品の感想をやっと取りまとめ完了して某所に投げたところで,
こちらにも抜粋の上で投稿してみます。
いや, 良く考えてみれば考えるまでもなく,
文章書いても投稿しないのならf.r.aにとっては無いも同然ですから。
[ハヤテのごとく!!]
総合: 5, 初回: 3, ストーリー: 5, ビジュアル: 4, キャスト: 3
第1期の時はパロディがメインで, ラブコメは基本的にハヤテとナギに
絞られ歩が時々絡む程度といった感じで, それが楽しかったものだから,
第2期でラブコメ全開になったら受け入れられなくなるんじゃないかなあと
心配していたんですが, 見事に杞憂でした。
それでいて最後にパロディが戻って来て, パロディとラブコメは
切り離せないハヤテの両軸だと実感した次第です。
第3期への期待が, 第2期待ちの時以上に高まりましたよ!
[あたしンち]
総合: -, 初回: 3, ストーリー: 3, ビジュアル: 3, キャスト: 3
すいません, 2006年8月5日放映分(第194話)まで観て, 以後全部積んでます……。
そんななので総合評価はできませんが, 敢えて付けるなら「3」でしょう。
自然体で観られるファミリー向けアニメです。
大地監督がやってた頃を含め最初の1・2年くらいは,
それ以上に力があったように感じましたが, 次第に落ち着いてきました。
でもタチバナ家の面々の個性に負けないだけの個性豊かな周囲の人々
(特に水島さん・しみちゃん・石田と川島)が時々一石を投じて来て
はっとさせられる事も多かったです。
[ティアーズ・トゥ・ティアラ]
総合: 4, 初回: 3, ストーリー: 4, ビジュアル: 4, キャスト: 3
ヒロインが供物に捧げられた魔王に一目惚れし,
挙げ句その魔王に妻が次々増えていくという,
イロモノ寸前の序盤でありながら,
その点を除けば最初から極めて正統派のファンタジーとして
駆け抜けて行きました。土日朝枠や夕方枠で放映しても
何も問題無かったと思いますよ(原作は問題が……無いか, PS3版ベースだし)。
オクタヴィアが自然に妻4号ではなくなっている事もあるし,
スィールやモルガンの件も削れたと思いますが……
考えてみると, リアンノンはさておき,
モルガンの時は最初に1回自称するだけ,
スィールの時は『妻』という単語すら使われない,
と少しずつ描写を削っていき, そしてオクタヴィアは
設定まるごと削るに到ったのか……良くできてるなあ。
作画も終始安定, 安心して観ていられる良い作品でした。
ついでに, 短編集「てぃあてぃあ。」で久々にささりょーさんの絵を
堪能できたのが, 個人的には最大の収穫です。
[咲 -Saki-]
総合: 4, 初回: 4, ストーリー: 3, ビジュアル: 3, キャスト: 3
麻雀にこんな描き方があるのか, と目から鱗の良作。
一歩間違えればイカサマになるというかイカサマそのものとしか
思えない『能力』も, こう示されると姑息さを感じませんものね。
その部分を除けば麻雀そのものは至極真っ当だし。
私, 参考にした本がローカルルール多用なものだったせいで
麻雀のルールを色々間違えて憶えてしまっているんですが,
この機に私の中にあるルールを洗い直すこともできましたし,
大変有用なシリーズでした。完結しなかったのは残念ですが,
区切りとしては丁度良いところかと。
敢えて苦言を呈せば, 女の子達の魅力はあまり引き出されて
いなかったのではないか, 記号化されすぎていたのではないか, という気が少し。
単に私の趣味と合わなかっただけかもしれませんが(← 絶対少数派)。
和の描き方がエロ方面に走り過ぎていた事とか, 観ていてかなり嫌でした。
[GA 芸術科アートデザインクラス]
総合: 4, 初回: 3, ストーリー: 3, ビジュアル: 4, キャスト: 3
本作は各話とにかく感想が書き辛いので,
その場その場で書き留めたメモをそのまま書き連ねるだけ,
みたいになってしまっていました。
やっぱり4コマ原作に忠実な作品なら, 無理して1話単位で感想をまとめず
4コマずつの単位でけらけら笑いながら観ていれば良かったのかな。
いや, 感想が書き辛いってだけで, 作品として悪い訳では決して無い,
むしろ面白かったんです。何しろ毎回付けていた評価が, 第8話のみ『5』,
他全部『4』ですよ。だだ甘に採点している私でも,
一度も『3』にならないのはあまり多くないと思います……多分。
我が神聖なる殿堂入り作品『Φなる・あぷろーち』だって,
一回だけ『3』を付けた回がありましたからね。
[化物語]
総合: 5, 初回: 4, ストーリー: 5, ビジュアル: 4, キャスト: 3
(つばさキャット其ノ參まで観ての感想です)
西尾維新作品とは今まで縁が無かったんですけど,
西尾ファンの某氏が絶賛されていたものですから,
良い機会だと思って観てみました。
いやもう, 何と楽しい会話劇であることか。
登場人物全員, 会話(台詞)だけで立派に特徴付けられますし,
掛け合いになるともう止まらない。
真宵の「TOMMMY」……じゃない「阿良々々木さん」とか,
翼の「知ってる事だけ」とか, 何度も何度も繰り返しているのに
なお厭きないというのは, 相当な魅力ある掛け合いだという証です。
少し変える事で新たな魅力を生み出す事にも繋がりますし
(「何も知らない」は実に深かった)。
つばさキャットで5話分も使うと思っていなかったので,
配信分のいくつかは傷物語やるんじゃないかと思ってたんですけど……
別途, 傷物語・偽物語などのアニメ化も期待できませんかね。
原作買ったけど封印中なので, 果して映像化可能なのか
どうなのかは判りませんが, 化物語でこれだけやって
次が無いなんて思いたくないです。
別作品ですがまずは刀語も観ることにしましょうか。
[懺・さよなら絶望先生]
総合: 4, 初回: 4, ストーリー: 3, ビジュアル: 3, キャスト: 3
ちょっと演出も落ち着いたかな。
良く言えば安心して観ていられる, 悪く言えばマンネリ化の気配。
でもそこで『絶望先生えかきうた』とかの新規要素を追加して,
毎回最後まで引き込ませるようになっているところは流石と言うべきところです。
[プリンセスラバー!]
総合: 4, 初回: 2, ストーリー: 5, ビジュアル: 2, キャスト: 3
本作を視聴対象に加えたのは, 実は勘違いだったんですけどね……
初回からイメージと全然違う話だったし,
エロ方面がやや嫌な描き方されていたから,
あまり評価してなかったんですけど。
でも途中から馬鹿方面が飛び出して大笑いできるようになり,
そしてその馬鹿とシリアスが上手く共存するようになり,
強引な展開も押し通すだけの力ある作品だと気付かされて,
一気に評価高まりました。
哲平とハルトマンの対比も上手く描かれていたと思います。
根本こそ違えど復讐を原点とする二人ですが,
哲平は与えられた選択肢を選び続けた結果,
手段としての「復讐」を放棄し目的としての幸福を選んだ。
復讐を果たしたとしても喜ぶ両親ではないし,
シャルロットも一心も誰も喜ばないし, 自分だって解放される事はない。
けれど敵を赦し己を認める事ができれば, 誰もが幸せになれる。
対するにハルトマンは, 与えられた選択肢を歪めてしまい,
復讐を目的化してしまったから, 幸福へ到る道を閉ざしてしまっていたと。
最後の哲平の一喝を金持ちの戯言と切り捨てる事ができなかったのは,
それが正しいと理解できてしまったからで,
説得力ある締めに視聴者としても溜飲が下がりました。
何より最終回は, 「あかね色に染まる坂」以来の
『水野の思想に合致する描写・台詞』が飛び出しましたから
(晴彦の「代表だけに悩みを背負わせるのは酷! 大きな試練や事件がある時こそ,
それを共有すべきが仲間ってものではありませんか?」です。
秘密は当事者だけで抱え込むのではなく, ある程度味方を作っておくべき,
という思想), 最終回付近を抜き出したら今期最高作品と評しても
不足はありません。一気視聴しても後味の良い名作です。
そんな訳で, 大抵の作品で少数派に属する評価をしているであろう私ですが,
多分本作でも他の方々と真逆の評価になっているでしょうね。
第一話から第五話の評価が低く, 第六話の大バカで初めて大笑いし,
第七話から評価が高くなり, 最終話で最高評価したという。
[かなめも]
総合: 4, 初回: 3, ストーリー: 4, ビジュアル: 4, キャスト: 3
各話の楽しさと時々洒落にならなさが気に入った上で,
かなが深刻なトラウマを払拭し黒化した最終回を更に楽しく受け入れられた,
ということは, 「深刻なトラウマは特に無い」「かなは最初から結構黒い」原作を
楽しむ素地が出来上がったという事のように感じられたので,
終了後に早速原作を買って来ました。大笑いしました(^^;;;
確かにかなは原作の方が黒いしヒドいしアレな子ですわ。
健気な面もちゃんとあるけど, 原作とアニメではその比率が
逆になっている感じです。
でも, アニメ版で「(本当は黒いけど)健気な」かな, っていう印象が
作られたからこそ, 原作を楽しめているのかもしれません。
原作を先に読んでいたらここまで楽しめたかどうか……。
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水野夢絵@元秋田 <mwe@ccsf.jp>
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