工繊大の塚本と申します.

In article <5f730db7-0069-42bf-b0ae-b6ba0dbe3190@v19g2000yqn.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> それで疑問なのですが
> (11)は②を示しているのだと思います。

 E = ∪ E_j  (disjoint) の時, |v|(E) = Σ |v|(E_j)
を示して, |v| が可算加法性を満たすことを言うわけです.

> α_j<|v|(E_j)なるα_jを採れば,
> E_j=∪_{i=1}^∞ F_{i,j}に於いて
> α_j≦Σ_{j=1}^∞ |v(F_{i,j})となる事は分かります。
            ^j についての和ではおかしい.

 |v|(E_j) = sup Σ_i |v(F_{i,j})|  (但し, E_j = ∪_i F_{i,j}  (disjoint))
ですから, α_j < |v|(E_j) なら,
 α_j < Σ_{i=1}^∞ |v(F_{i,j})| (≦ |v|(E_j))
を満たす E_j の分割 ∪_i F_{i,j} の「存在」が言えます.

> それでE=∪_{i,j=1}^∞ F_{i,j}より,
> Σ_{j=1}^∞ α_j≦Σ_{j,i=1}^∞ |v(F_{i,j})|≦|v|(E)
> となっていますがΣ_{j,i=1}^∞ |v(F_{i,j})|≦|v|(E)が
> どうして言えるのか分かりません。

それは |v|(E) = sup Σ_k |v(F_k)|  (但し, E = ∪_k (F_k)  (disjoint))
という定義から出ることです. E = ∪_{i,j=1}^∞ F_{i,j} も
 E の可算分割ですから.

結局, Σ_j α_j ≦ |v|(E) から, Σ_j |v|(E_j) ≦ |v|(E) が
出るのは良いですね.

> 単に全変動の定義からなら
> Σ_{j=1}^∞ |v|(E_j)≦|v|(E)は直ぐに言えるのではないでしょうか?

どう言うのですか.

# いずれ簡単な話ですが, きちんと論理的に示して下さい.

> 『Σ_{k=1}^∞ |v(F_k)|=Σ_{k=1}^∞|Σ_{j=1}^∞ v(F_k∩E_j)|,
> 三角不等式の適用と {F_k∩E_j}_kはE_jの分割であるという事実から
> Σ_{k=1}^∞|v(F_k)|≦Σ_{k=1}^∞Σ_{j=1}^∞|v(F_k∩E_j)|
> =Σ_{j=1}^∞Σ_{k=1}^∞|v(F_k∩E_j)|
> ≦Σ_{j=1}^∞ |v|(E_j)』
> 
> では{F_k}が任意だから≦Σ_{j=1}^∞ |v|(E_j)になるようですが
> 既に任意の分割E=∪_{j=1}^∞ E_jで議論をし始めたの
> ではないのでしょうか?

 E = ∪_j E_j という分割は任意のものを取って, 固定しています.
次に, 又別の E の分割 E = ∪_k F_k を取ります.
 |v|(E) = sup Σ_k |v(F_k)| ですから, 
 Σ_k |v(F_k)| ≦ Σ_j |v|(E_j) を示せば,
 |v|(E) ≦ Σ_j |v|(E_j) が導けるわけです.

 F_k = ∪_j (F_k ∩ E_j)  (disjoint) は F_k の分割で,
 v は符号付測度ですから, v(F_k) = Σ_j v(F_k ∩ E_j) であり,
 |v(F_k)| = |Σ_j v(F_k ∩ E_j)| ≦ Σ_j |v(F_k ∩ E_j)|,
 Σ_k |v(F_k)| ≦ Σ_k (Σ_j |v(F_k ∩ E_j)|)
                  = Σ_j (Σ_k |v(F_k ∩ E_j)|) となります.
 E_j = ∪_k (F_k ∩ E_j)  (disjoint) と |v|(E_j) の定義から,
 Σ_k |v(F_k ∩ E_j)| ≦ |v|(E_j) です.

結局, Σ_k |v(F_k)| ≦ Σ_j |v|(E_j) は良いですね.
これから |v|(E) ≦ Σ_j |v|(E_j) が出ます.

> もし,固定されたE=∪_{j=1}^∞ E_j.なら.
> {F_k∩E_j}_j も固定された分割になろうかと思います。
> それが最後では{F_k}はEの任意の分割になっていまっているのが
> どうしても理解できません。
> どうしてこのような証明の仕方なのでしょうか?

 E = ∪_k F_k  (disjoint) は色々と変えて考えているのです.
それを変えたときの Σ_k |v(F_k)| の sup が |v|(E) の定義
ですから, 当然こういう証明になります.

> あと,①は示さないでいいのでしょうか?
> ①は分割の仕方によってはv(E)≦|v|(E)とはならないのでは
> ないような気がします。

任意の分割 E = ∪_j E_j  (disjoint) について,
 v(E) = Σ_j v(E_j) ですから,
 v(E) ≦ |v(E)| = |Σ_j v(E_j)| ≦ Σ_j |v(E_j)| であり,
 Σ_j |v(E_j)| らの上限で定義されている |v|(E) の方が
 v(E) より小さくないのは当たり前です.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp