Path: news.ccsf.jp!tomockey.ddo.jp!news.unit0.net!newsfeed.straub-nv.de!news.motzarella.org!motzarella.org!nntp.motzarella.org!not-for-mail From: chiaki@kit.ac.jp (Tsukamoto Chiaki) Newsgroups: fj.sci.math Subject: Re: μ をBorel測度とする時, μが有限⇔ψ:f→L(f)::=∫_a^b f(x)dμ(x)は線形汎写像をなす Date: Sat, 14 Mar 2009 23:52:17 +0900 Organization: Kyoto Institute of Technology Lines: 208 Message-ID: <090314235217.M0106212@cs1.kit.ac.jp> References: <090225032239.M0117438@cs1.kit.ac.jp> <863fd65b-0586-4643-9415-4dc7d63511c8@w35g2000yqm.googlegroups.com> <090302010632.M0121643@cs1.kit.ac.jp> <7c887881-440e-4f9b-a8e9-1d7ecceee1c8@g38g2000yqd.googlegroups.com> <090302185729.M0107353@cs2.kit.ac.jp> <8286457f-c5d5-4ea7-b860-b3eec3d76dfd@r36g2000vbp.googlegroups.com> <090303174833.M0315232@cs1.kit.ac.jp> <5c5c8614-d141-4299-9c5f-c72bcdc7881a@c11g2000yqj.googlegroups.com> <090305010805.M0129041@cs1.kit.ac.jp> <07b7c8d7-0a6a-4d55-83dd-f1d2a3779979@e3g2000vbe.googlegroups.com> <090308174800.M0217943@cs2.kit.ac.jp> <018b523f-0841-4f56-9f31-29108fd02636@v15g2000yqn.googlegroups.com> <090311194118.M0212226@cs1.kit.ac.jp> <1f6f790f-e811-4275-ae7b-bbae95ed5105@41g2000yqf.googlegroups.com> <090313181658.M0106879@cs1.kit.ac.jp> Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp X-Trace: news.eternal-september.org U2FsdGVkX1/OIn1bUFYlwN2jl4L6mxad8tdghozmxRu//PmRzuqKlEPn8IsTYnGnRFryCq2N6cslAU2rOnc2hy3RYa+82ewy3RlITQoHd57i7+Pe1i7vBvhETk5gJJflhU/uHpc6jjM= X-Complaints-To: Please send complaints to abuse@motzarella.org with full headers NNTP-Posting-Date: Sat, 14 Mar 2009 14:52:19 +0000 (UTC) X-Newsreader: mnews [version 1.22PL5] 2001-02/07(Wed) X-Auth-Sender: U2FsdGVkX1+94tqCepbBch9fIhlzxXQ6VFXbE0/94R8= Cancel-Lock: sha1:oPAdc+L4aBtEhM1jsUSIJXB7x7g= Xref: news.ccsf.jp fj.sci.math:2553 工繊大の塚本です. In article kyokoyoshida123 writes: > ここではLは線形汎写像ではなく,線形汎関数になっているのですか? 普通, 写像の値域が R なら, 「関数」と言いますね. > 「Lを線形空間Vにおいて連続とする時、 > LがVからRへの線形汎関数 > ⇔(def) > Lは線形写像をなす」 > が暗黙を取っ払った定義なのでしょうか? 「 L が(関数のなす)位相ベクトル空間 V から R への線形汎関数 ⇔(def) L は V から R への連続な線形写像」 ですね. > つまり,Lが位相について連続であるとは > 「∀t∈T (但し,TはRの通常の位相) > ⇔(def) L^-1(t)∈T_c (但し,T_cはC([a,b])での位相)」 > ですね。 > C([a,b])の位相とはどういうものでしょうか? f ∈ C([a, b]) のノルム |f| を |f| = max_{x∈[a, b]} |f(x)| で定めた時の位相です. > In article <090313181658.M0106879@cs1.kit.ac.jp> > Tsukamoto Chiaki writes: > > 今, F(b) は定義されていない, という話をしています. > > x∈[a,b]において f_{ε,x}(t):= 1 (a ≦t≦x), > 1-(t -x)/ε (x がf_{u,ε}の定義でしたから x と u がごっちゃになっていますが, > F(b)=lim_{ε→0}L(f_{b,ε})=lim_{ε→0}L(1) (a ≦t≦b), > lim_{ε→0}L((1-(t -x)/ε)) (b =lim_{ε→0}L(1)=L(1)と求まりましたが。 f_{u,ε} というのは一つの関数ですよ. L(f_{u,ε}) を 場合わけしてどうします. a ≦ u < b であれば, u + ε < b となる正数 ε について, f_{u,ε}(t) = 1 (a ≦ t ≦ u), 1 - (t - u)/ε (u ≦ t ≦ u + ε), 0 (u + ε ≦ t ≦ b). として, f_{u,ε} が決まりますが, f_{b,ε}(t) は 正数 ε について, b + ε は [a, b] からはみ出して しまいますから, 同様には扱えません. それで, F(b) = L(1) と, 別に, 定義を与える必要があります. > それでもF(b)は定義されていないのでしょうか? どうして定義されていると思うのですか. > > 大体, a' < a なる, を取ってきて, [a', b] 上の関数を > > 考えるのでは, それに対する L の値など決まりません. > > f_{u,ε}はu∈[a,b]⊂[a',b]において u ∈ [a, b] なら, 既に [a, b] で定義された f_{u,ε} がありますね. それをどう拡張しようが, L(f_{u,ε}) は [a, b] 上の関数としての f_{u,ε} について決まっているので, ここでの話とは無関係です. u ∈ [a', b] で, [a', b] 上の関数 f_{u,ε} を > f_{ε,u}(t):= 1 (a'≦t≦u)、 > 1-(t -u)/ε (u と定義できてF(u)=lim{ε→0}L(f_{a,ε}) (a'≦u lim{ε→0}L(f_{u,ε}) (a≦u≦bの時) > とすれば一応,Fは[a',b]で単調加やnormalizedになっていると思いますが。 > このやり方では無理でしょうか? > > 何故このような事を考えるかと言うとμ([a,b])<∞を示したいのですが > 既にご承知の通り,Theorem3.5では > μ((a,b])=F(b)-F(a)としてしか書き表せないのでμ((a,b])<∞は言えるが > μ([a,b])<∞はどうなるか判定できない。 > それでμ({a})=F(a)と定義してしまえばよいと仰ったのですが > 何故このように定義できるのかしっくり来ませんで。 > μ({a})=0とかμ({a})=1とか定義しても差し支えないのでしょうか? 大いに差し支えます. 前に挙げた, L(f) = f(a) という線形汎関数 L について, F(u) を求めてみましたか. もし F を R 上で定義したいなら, F(u) = 0 (-∞ < u < a) F(b) (b ≦ u < ∞) と拡張するものです. > > F(b) は f_{u,ε} を使っては定義されないので, > > F(b) = L(1) と決めようというわけです. > > 上記の私の計算通りになってます。 無意味な計算です. > > F(a) は決まっているので, > > F(a)=lim_{ε→0}L(f_{b,ε})=lim_{ε→0}L(1) (a ≦t≦a), > lim_{ε→0}L((1-(t -x)/ε)) (a =lim_{ε→0}L(1)=L(1)ですね。確かに決まってますね。 本当に分かっていないのですね. L は f_{a,ε} という関数に 対して, 唯一つの値 L(f_{a,ε}) ∈ R を与えるものです. F(a) = lim_{ε→+0} L(f_{a,ε}) です. > μ({a})=F(a)とするのですよね。何故こう決めていいか分かりませんが。 だから, L(f) = f(a) について, 考察して御覧なさい. 更に, L_c (c ∈ [a, b]) という線形汎関数を L_c(f) = f(c) で定義して, F_c(u) を求めて御覧なさい. > Theorm3.5適用直後はμは(a,b]での測度になってますから > (a,b]上では測度になっているでしょうが > [a,b]でも測度になっているかは不安ですね。 > 念の為,μが[a,b]の測度になっているかチェックしてみますと, > Fは単調増加でF(a)=L(1)≧0なので非負。 F(b) = L(1) としたので, F(a) = lim_{ε→+0} L(f_{a,ε}) とは一般には異なります. いずれ f_{u,ε} ≧ 0 より L(f_{u,ε}) ≧ 0 ですから, u ∈ [a, b) について F(u) = lim_{ε→+0} L(f_{u,ε}) ≧ 0 は分かっていますね. > 従って,μ([a,b])⊂[0,∞]を満たしていますね。 > 可算加法性は例えばμ({a}∪(a,b])=F(a)+F(x)-F(a) > とどうして書けますでしょうか? (a, b] 上の測度 μ_0 に対して, [a, b] 上の測度 μ を, ボレル集合 E ⊂ [a, b] に対して, a ∈ E のときは μ(E) = F(a) + μ_0(E\{a}), a ∈ E でなければ μ(E) = μ_0(E) で定めたものが測度になることはお確かめ下さい. > ここがμ({a}):=F(a)と定義していいのかの具体的な疑問点ですね。 > [a',b]で拡張しておいてTheorem3.5を適用してできた測度μなら > [a,b]もカバーしてくれているので[a,b]ででも測度になってくれ > てますが。これが私が[a',b]に拡張したがった理由です。 それなら, 先程述べたように, F を拡張すれば宜しい. そうすれば, やはり μ({a}) = F(a) となることも お確かめ下さい. > > その単関数 ψ は連続関数では > > ありませんが, 正数 ε について, 各点 x での値を ψ の > > [x - ε/2, x + ε/2] での平均に置き換えたもの ψ_ε は > > うーん。すいません。ちょっと意味がよく分かりませんでした。 R 上の関数 f に対して f_ε を f_ε(x) = (1/ε) ∫_{x-ε/2}^{x+ε/2} f(t) dt で定めます. 例えば f = χ_{[p, q]} に対しては ( q - p > ε として) f_ε(x) = 0 (-∞ < x ≦ p - ε/2) (x - p + ε/2)/ε (p - ε/2 ≦ x ≦ p + ε/2) 1 (p + ε/2 ≦ x ≦ q - ε/2) 1 - (x - q + ε/2)/ε (q - ε/2 ≦ x ≦ q + ε/2) 0 (q + ε/2 ≦ x < ∞) となります. > L(f)=lim_{N→∞}lim_{ε→∞}L(ψ_ε) ε → 0 でないと意味がないです. > =lim_{N→∞}Σ_{i=1}^{N-1} (min_{x∈[a+(i-1)(b-a)/N, a+i(b-a)/N]} f(x)) > ×μ([a+(i-1)(b-a)/N, a+i(b-a)/N)) > + (min_{x∈[a+(N-1)(b-a)/N, b]} f(x)) > ×μ([a+(N-1)(b-a)/N, b] > =∫_a^b f(x) dμ(x) > という構図になるのですね。 大雑把にはそうです. > でも示すなるとどうなりましょうか? そういう簡単なところも示したければ, π-system の補題を 使われれば良いでしょう. しかし, この問題の主題からは 外れます. その意味では, この問題を考えられる段階には未だ達しては おられないということでしょう. -- 塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学 Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp