工繊大の塚本と申します.

表題にも「最小多項式」となっていますし, 後にも
そうなっているところがありますが,

In article <38c666ed-589a-4482-aeb2-390fddbd9425@t39g2000prh.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> Let P_A be the characteristic polynomial of A,

 the characteristic polynomial of A といえば,
特性多項式 det(t I - A) のことで, それは必ずしも A の
最小多項式にはなりません. 最小多項式は, 一般には
 det(t I - A) の約元, つまり det(t I - A) を
割り切る多項式になります.

> and write it as a product P_A(t)=Π[i=1..r](t-α_i)^m_i,
> where α_1,α_2,…,α_r are distinct.
> Let f be a polynomial.
> Express the characteristic polynomial P_(f(A))
> as a product of factors of degree 1.
> 
> という問題です。AはA:V→Vという線形写像です。

まあ, 基底を固定して行列と考えておいて良いでしょう.

> この問は
> この線形空間をV,dimV=n∈Nとすると
> P_A(t)=Π[i=1..r](t-α_i)^m_iでα_1,α_2,…,α_rが相異なる

代数的閉体で考えるならいつでもそう書けます.
文章はそう考えているような書き方ですね.

> (この時,α_iの固有空間を(v_i∈)E_iとすると
>  dimE_i=m_iで(A-α_i)v_i=0を満たしている(i=1,2,…,r))

これは違います. 固有値 α_i の det(t I - A) における
重複度が m_i であっても, 固有空間の次元が m_i になる
とは限りません. 「弱固有空間」の次元であれば, m_i に
なります.

> と表されるなら
> P_f(A)(t)=Π[i=1..n](t-β_i)でβ_1,β_2,…,β_nが相異なる
> と書ける事を示せと言っているのですよね。

いえいえ, P_{f(A)}(t) = Π_{i=1}^s(t - β_i)^{k_i} と書け,
 s とか β_i とか k_i はどうなるか, と訊いているのです.
 
> P_A(t)を最小多項式で今,
> P_A(t)=Π[i=1..r](t-α_i)^m_iでα_1,α_2,…,α_rは相異なる
> と書けると仮定してあるのだから
> P_A(t)=0とすればt=α_1(重複度m_1),α_2(重複度m_2),…,α_r(重複度m_r)
> とtの値が求まるのでα_1,α_2,…,α_rはAの固有値と言える(∵固有値の定義)。
> そこでP_A(A)=Π[i=1..r](A-α_iI)^m_i=O と書ける(∵ケーリハミルトンの定理)
> 
> それでP_(f(A))(t)=det(f(A)-tI) (∵固有多項式の定義)と書ける。

 t^n の係数が 1 となるように取っているので,
 P_{f(A)}(t) = det(t I - f(A)) です.

> でこれから
> Π[i=1..r](t-f(α_i))^m_iと書けるらしいのですがどうしてなのでしょうか?

そう, 実は s = r, β_i = f(α_i), k_i = m_i であるわけです.

> あと,これからどのようにして一次式の因数に積に持っていけばいいのでしょうか?

いえ, 一次式(一次の因子)の積にこれでなっています.
一次式の積としてかけていれば, まとめ方はどうでも
構いません. というか, それ以上は場合によるとしか
いえません.

 Jordan の標準形を御存知でしたら, それほど難しくは
ないと思いますが, 如何でしょうか.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp