工繊大の塚本と申します.

In article <5e3e04e0-793f-41bd-b57c-6b7e8fb11fe9@v22g2000pro.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> (Ω,Σ,μ)を任意の測度空間とする。∀n∈Nに対して,f_nはΣ可測関数とする。
> 
> もしf_n≧0 μ-a.eならば∫_ΩΣ[n=1..∞]f_ndμ=Σ[n=1..∞]∫_Ωf_ndμを示せ。
> と言う問題です。

ルベーグの単調収束定理ですね.
 
> f_n≧0 μ-a.e だから測度μにおいてμ({x∈Ω;f_n(x)<0})=0と書けると思います。

はい.

なお, 測度零のところで f_n の値を変えても積分は変化しませんし,
収束先も測度零のところを除いて一致しますから, f_n ≧ 0 としても
構いません.
 
> "Measure and integral by Richard L.Wheeden"
> で
> http://beauty.geocities.jp/noname45754/Analysis/Lebesgue.jpg
> http://beauty.geocities.jp/noname45754/Analysis/Lebesgue1.jpg
> 
> を見つけました。
> 
> これに習って,解いています。
> f(x)=Σ[n=1..∞]f_k(x)と置くと,∀m∈Nに対して,f(x)≧Σ[n=1..m]f_k(x)なので
> (∵{f_k}は非負可測関数列)
> ∫_Ωf(x)dμ≧Σ[n=1..m]∫_Ωf_k(x)(∵μ積分の性質)
> =Σ[k=1..m]∫_Ωf_k(x)dμ,∀m∈N.
> よって,∫_Ωf(x)dμ≧Σ[k=1..∞]∫_Ωf_k(x)dμ
> 即ち,∫_ΩΣ[k=1..∞]f_k(x)dμ≧Σ[k=1..∞]∫_Ωf_k(x)dμ.

ここまでは良いですね.

> 一方,lim[j→∞]f_k^j(x)=f_k(x) …① なる
> 非負な単調増加の可測単関数列{f_k^j}が採れる(∵??)

ここを問題とされているのですね.

> そこで,s_j(x):=Σ[k=1..j]f_k^j(x) …②とすると,
> s_jは単調増加な非負単関数となる。
> この時,lim[j→∞]s_j(x)=f(x)となる
> 
> (∵∀j∈Nに対し,s_j(x)≦f(x)なのでlim[j→∞]s_j(x)≦f(x).
> 他方,∀m∈Nに対し,lim[j→∞]s_j(x)≧lim[j→∞]Σ[k=1..m]f_k^j(x)
> (∵jを十分大きくすればいずれj>m)
> =Σ[k=1..∞]f_k(x)(∵①).

これは「=Σ[k=1..m]f_k(x)(∵①).」ですね.

> 故に lim[m→∞]lim[j→∞]s_j(x)≧lim[m→∞]Σ[k=1..m]f_k(x)ならば
> lim[j→∞]s_j(x)≧f(x))
> 
> よって定理10.20が使えて,lim[j→∞]∫_Ωs_j(x)dμ=∫_Ωf(x)dμ …③.
> そして∀j∈Nに対して,Σ[k=1..j]f_k(x)≧s_j(x) …④ なので(∵②)
> Σ[k=1..∞]∫_Ωf_k(x)dμ=lim[j→∞]Σ[k=1..j]∫_Ωf_k(x)dμ
> =lim[j→∞]∫_ΩΣ[k=1..j]f_k(x)dμ≧lim[j→∞]∫_Ωs_j(x)dμ(∵④)
> =∫_Ωf(x)dμ(∵③) =∫_ΩΣ[n=1..∞]f_ndμ

定理10.20を認めれば, そういうことになりますね.

> そこで質問なのですが上記の
> 「非負な単調増加の可測単関数列{f_k^j}が採れる」理由が分かりません。
> どうして採れるのでしょうか?

これは御参考の本にも必ず書いてある筈ですが,

  f ≧ 0 なる関数は, 非負な単調増加の単関数列 f_n の極限となる.
  更に, f が可測であれば, f_n も可測に取れる.

が成り立つからです. 実際, 1 ≦ i ≦ n 2^n の自然数 i について,

  E_{n, i} = { x | (i - 1)/2^n ≦ f(x) < i/2^n }

とおき,

  F_n = { x | f(x) ≧ n }

として,

  f_n = Σ_{i=1}^{n 2^n} (i - 1)/2^n 1_{E_{n, i}} + n 1_{F_n}

とすれば良いことが分かります. ここで 1_A は A の特性関数です.
要するに, 値の 0 ≦ f(x) < n の間を 1/2^n 刻みに区切って,
 f(x) がそこに入る集合上で一番小さな値 (i - 1)/2^n の一定値とし,
 n ≦ f(x) となるところでは, n の一定値とした関数を f_n と
したわけです. これが単調増加で f に収束することは容易に示せます.

 f が可測であれば, E_{n, i} も F_n も可測集合ですから, f_n も
可測です.

> あと,「f_n≧0 μ-a.e」という条件は何処で使えばいいのでしょうか?

これは. 先にも言いましたが,  f_n の代わりに f_n^+, つまり,

  f_n^+(x) = f(x),   if f(x) ≧ 0,
  f_n^+(x) = 0,      if f(x) < 0,

を取って, 元から f_n ≧ 0 が成立しているとしても構わない, と
いうところで使っています.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp