後藤です

第21話「ひとりぼっちのふたり」の感想。

公式ホームページのストーリー紹介、いいかげんになってきてます。内容
を明かしたくないんですね。

*アバンタイトル
いつものように塔のヘンリーのところへ、ブレンドコーヒーを届けに行く
サガ。しかし、いつもの明るさがまったくなくなっていました。コーヒー
を届けると、あわただしく立ち去ってしまう。以前のキュウクツぶりより
も、ますます自分を追い詰めて苦しめてしまっています。

*バイト
午後2時。学校が終わるとすぐさまバイト先へ向かうサガ。アンヌ、ノー
マの誘いを断り、そして、パン屋から偶然出てきたポールも無視して、行
ってしまいます。ポールとグレタは意識して無視しているようですね。
この日、グレタがサガにどう接したのかは謎です。

*サブタイトル
佐々木さん、ご名答〜。あと3つも、間違いないでしょう。
しかも、上からふわっと落ちてきました。雪を象っているかのようなホワ
イトチョコですね。

*リトル・ミィ
仕事を分刻みでこなそうとするサガ。その表情は硬いまま。
「バイト料上げてもらったんだから、のんびりしてる暇、ありませんから」
ピアノを買い戻すために、黙々と仕事をこなしているのですが、悲愴感が
漂います。サガはまた「変わって」しまいました。しかも悲しい方向に。
シュガーは、最近サガが遅く帰ってくることを心配して、隠れて様子を見
ていました。
「何してるの?」
「え、いや、その……最近帰ってくるの遅いし、サガ何してるのかなあと
 思って」
「アルバイト」
「アルバイト?それって、そんなに遅くまでやらなくちゃいけないの?」
「ピアノ……」
「え?」
「お母さんのピアノ、買い戻したいの」
[サガ……」
サガの思い詰めた様子に、困惑のシュガー。もちろん、何故サガがそこま
でしなければいけないのかはシュガーには理解できません。

*シュガーの決心
シュガーはペッパーに相談します。
「そんなことしなくても、グレタさんのお家に行けばいつでも弾けるし、
 私たちの合奏だってそこでできるのに」
「でも、それじゃだめなんだろうな……」
シュガーは、サガの悲愴な決意を思い起こしていました。あのときの表情、
シュガーには怖いものに写っていました。
「ねえペッパー」
「はい?」
「アルバイトって、あたしが手伝ったらサガ喜ぶかな」
「え……ええ、仕事が捗るわけですから、多分……」
「だよねだよねー。よーし、あたしもアルバイトする!サガに喜んでもら
 うぞー!」
立ち上がって、くらっとするシュガー。すでにここで予兆があります。
「ソルトがいてくれたら百人力なんだけどな……」
後述しますが、シュガーの成績が悪いのは、自立心に乏しい点なのかと思
いました。

*ソルトの決意
孤高の芸術家ターメリックに付いて、どのくらいになったのでしょうか。
単なる憧れではなく、意義を感じないと転職はつらいと思うけど、覚悟は
できたのだろうか。

*シュガーのお手伝い
シュガーは、見よう見真似でサガの手伝いをしようとします。
でも、コーヒー豆の種類がめちゃくちゃ。ずいぶんブレンドしてしまった
もんだ。
「余計なことしなくていいから!」
サガに叱られてしまいますが
「シュガー、負けないもん!」
決意は立派でも、やることなすこと上手くいかないので、とうとう店をつ
まみ出されてしまいました。
「サガ、怒ってるよ……」
「仕方ありませんわ。失敗ばかりしちゃいましたものねえ」
シュガーのうるうるが可愛かったんですがねえ……物語が悲しくて、萌え
〜なんていっちゃいられない。

*衝撃の宣言
ついにソルトは転職−雲使いになること−を宣言しました。
「もう決めたんだ。俺、雲使いになる!」
驚きのターメリックと、遅れてやってきたジンジャー。
「俺、ずっと考えてきたんだ。修業旅行でターメリックさんが雲を作るの
 を見てから、ずっと……
 きれいで、すごくでっかくて、形を自由に変える雲……それを作り出せ
 る雲使いっていいなあって、やってみたいって。
 ちっちゃい頃から父さんの跡と継いで太陽使いになるって、当然のよう
 に思ってた。でも、雲使いに変わってもいいんじゃないかって。太陽使
 いにならなくてもいいんじゃないかって。自分がなりたい自分になって
 いいんじゃないかって、思ったんだ」
自分で考えて自分の進路を決めたソルト。長老もやってきた。ここで長老
にも自分の決意を告げたようですが、これ以降の描写がなくてわからなか
ったんですが、どうもこの時点でソルトの「きらめき」が見つかったよう
ですね。

*お風呂
このシーン、最後まで欠かさないでしょう、きっと。
「だいじょうぶ……こんなことでへこたれたりしない……」
子供の頃から、こんなに根詰めて働いてはいけません……(;_;)

*A Hard Day's Night
シュガーは部屋で待ってました。昼間のことを謝りますが、サガはすぐに
床に就いてしまいました。Sleepin' like a log...
「ごめんねサガ、明日は、明日は失敗しないようにするから……」
シュガーも眠ってしまいました。
「ごめんね、サガ……サガ……」
魔法の花は輝いているのですが、やがてその輝きを……

*開花
翌朝、いつもどおりスズメのロビーがやってきますが、ペッパーは既に起
きていてシュガーのことを案じていました。
病院の赤ん坊は、ベビーベッドに縛りつけた風車を欲しがりますが、ペッ
パーには取れません。そこで、赤ん坊のためにふわふわ風を起こして風車
を回します。すると、何と赤ん坊は言葉を発しました。「ふわふわ」。
これがこの赤ちゃんの初めての言葉。季節使いから教わった言葉。
「風が、こんなにステキな笑顔を……」
長老が、ソルトとともにやってきました。
「ついにやったな、ペッパー」
魔法の花は、まぶしい光を発して開花しました。
ソルトを伴っているということは、ソルトも既に開花したことを示してい
るのですね。
一方、シュガーは、残念ながらほったらかしにされ、寝過ごしてしまった
のでした。

*アンヌ、ノーマの労い
下校時間、アンヌとノーマはサガをワッフル屋に誘うのですが、
「気分転換?どうして?」
「……だって、最近のサガって、気が張ってるっていうか、無理してるっ
 ていうか……」
「無理してる……?」
「あ……別に、その……」
「サガ、最近ずっとバイトだよね。それじゃ体壊しちゃうよ。だからノー
 マは……」
「そんなの要らない!あたし、そんなに暇じゃない!」
自分の殻に閉じこもってしまう、最悪のパターンです。

*グレタの接し方
注目されていたグレタの態度ですが、いつもと同じように接することでし
た。グレタなりの愛情表現でサガに接することがいちばんだと思ったのか
もしれません。でも、サガには全く周囲が見えていないので、グレタを完
全無視です。これではグレタのもやもやは解消できません。寂しげに後姿
を見つめているグレタ。
「さー、サガさん。勝負の時間ですわよ。テニス、バスケ、なーんでもよ
 ろしくてよ。さー……
 ちょ、ちょっと、お待ちなさい!あなたと勝負しないことにはわたくし
 のこの気持ちは収まりませんのよ。
 お待ちなさいよ……」
「サガ、変わっちゃったね……」
「やっぱり、ピアノのことかな……」
引き続き次回の出方も注目してみたいと思います。特に、予告での雨の中
の2人。気になるシーンです。
「無理なんかしてない!あたし、無理なんかしてない!」
一方、シュガーは噴水前でペッパーとソルトを待っていましたが、先に行
ったものと思い込んで、あわててリトル・ミィへむかうのでした。しかし、
体力は顕著に弱っているのです。

*シュガーの失敗
シュガーは、一つだけ開いていたポットのふたを締めようとするのですが、
よろけてしまい、すべてのポットを倒して、中身を零してしまいました。
「ど、どうしよう……」
「な、何、これ……」
「サガ……」
「これ、あなたが……」
「あ、あのね、シュガー、ふた締めようとしたら、そしたら……
 ご、ごめんね、あたし、サガのお手伝いしようと思って……」
「余計なことしなくていいから」
「うん……」
なおも手伝おうとするシュガーに対して
「こないで!」
「え……?」
「いいから……出てって……」
泣いて、飛び出してしまったシュガー。6話と同様のシチュエーションで
すが、6話よりもさらに悲しさが増しています……
この辺で目が潤んできてしまってねえ。シュガーの泣き顔に萌え〜なんて
いっちゃいられません。
「あきらめない……こんなことで、絶対、あきらめない……」
もはやサガにとってはピアノが全てを支配してしまっているがために、友
人すら「障害」にしか感じていないのでしょうか。悲しいです……
「サガ……ごめんなさい……」

*ペッパー、ソルトとの別れ
泣いているところへ、ソルトとペッパーがやってきました。シュガーには、
この2人しか慰めてくれる相手がいないのに、2人とお別れしなければな
りません……(;_;)
どうしようもなくて困っているところなのに、2人は、魔法の花を咲かせ
たことを告げます。
「花が咲いてる……2人とも、『きらめき』見つかったんだ……
 ね、ねえ、どこにあったの、『きらめき』?」
「それが……」
「わからないけど……わかったような気も……」
ともかくも、「きらめき」が心の中に宿ったことは確かなようで、概念を
言葉で説明するのは、大人になってからでいいんでしょう。
さっきまで泣いていたのに、友達を祝福するシュガー……健気です……
「だって、お前とサガのこと、どうすんだよ?」
「そんなときに、わたくしたちだけ帰るなんて……そんなの……」
「だいじょうぶ」
「でも、シュガー……」
「泣いてたじゃねえかよ、お前……」
「心配ないって。今までもケンカぐらいしてたもん」
「でも……」
「なあ」
スキをついて、2人にキッスするシュガー。ソルトにはやっとキッスでき
て、本願成就。
「不意打ち大成功!」
「シュ、シュガー……」
「お祝いだよ」
「お前、人がせっかく心配してるのに」
「ほんとに大丈夫だから……サガとはずっと一緒だったから……今までも、
 2人で何とかしたもん。今度もきっと大丈夫。だから、2人は何も心配
 しないで妖精界に戻って。ね」
無理して、2人を笑顔で見送るシュガー……涙と共に、空はどんよりとし
て雨が降ってきました……
とうとう一人になってしまったシュガー……ただ泣くしかできない……
悲しいです……見ているこっちも目からポロポロ落ちてくるわ、胸がズキ
ーンと締めつけられるわ……
長老はただ遠くから見守るだけ……
同じ頃、サガは雨宿りしてました。

*シュガーの衰弱
バジル、シナモンに声を掛けられましたが、傷心のシュガーには聞こえま
せん。
結局サガの家にしか居場所はありません。昼間怒られたことで、家の中に
入りづらさを感じてはいますが……
窓から入りますが、サガはまだ帰ってません。ふとあたりを見回すと、魔
法の花はしおれていました。
「花が……
 あれ……?なんか、シュガーも……」
シュガーは気を失い、床に落ちてしまいます。
しばらくしてサガも戻ってきました。床の上で倒れているシュガーを見つ
け、最初は寝ているのかと思ったのですが、
「シュガー……?
 ねえ、シュガー……
 シュ……ガー……
 シュガー!シュガー!どうしたの?ねえ、起きて!ねえったら。
 シュガー、シュガー!」

*総括
今回は私の思い込みを述べます。
図らずも今回、ペッパーとソルトは自分自身の「きらめき」を見つけたよ
うで−でも結局本人達にはわかっていないというのが残念ですが−、ペッ
パーは彼女の、他人を思いやるやさしい心、ソルトは彼の強い意志と信念、
ということなのでしょう。その事実から、「きらめき」とは「心のときめ
き」であり、各人によって違うものなのだと考えました。
で、シュガーにとっての「きらめき」は何なのかというと、彼女の場合も、
人を思いやる気持ち、人を愛する気持ち、相手に幸せになって欲しいと思
う気持ちではないかと思います。ただ、シュガーの場合は特定の誰かに対
してのみ、しかも深ーく向いていました。ここがペッパーと違うところで
す。愛情の深さより幅の広さが必要だろうと思います。それと、シュガー
があんなことになってしまったことから考えて、「きらめき」とは「季節
使いの生命の輝き」であるのかもしれません。
また、何故彼女の成績は悪かったのか?もともと彼女はいささか不真面目
でお気楽なところがあるし、真摯さ、ひたむきさの点は及ばないところが
ありますが、ペッパーやソルトと決定的に違うのは自立心ですね。自己解
決しようということができなくて、いつもペッパーやソルトに頼っている。
酷な話ではありますが、これを何とかしないことには。
見習いに課せられる「きらめき探し」というのは、情操教育としては実に
興味深いカリキュラムです。「きらめき」という表現を用いたのは、子供
に小難しいリクツを述べても理解できないし、言葉に捕われないようにし
たためでしょう。情操教育なので、要するに心の成長を、それも自分自身
の手で自身を成長させなければ意味がない、これは自立するために当然の
ことですね。

*次回「ゴメンね、シュガー」
シュガーはこのまま絶命してしまうのではないか、と一瞬思ってしまった
のですが、情報誌をカンニングしてしまったので、心配はなくなりました。
「や、やだなあ、シュガー。寝たふりなんかしちゃって。お腹がすいてる
 だけでしょう?はい、ワッフル。
 うん、しょうがない。今日のシャンプーは大目に見てあげるか。
 ……だから、ねえ、お願い、早く目を覚まして、シュガー……」
「ちっちゃな雪使いシュガー、次回『ゴメンね、シュガー』。
 サガ、またピアノ弾いてくれないかな……」

-- 
s.goto

……関係ないけど、衰弱したシュガーを見て、「ウルトラセブン」第48
話を連想した人って、いるかしら?
サガに別れを告げ、M78星雲に帰るシュガー……アホな連想や。