後藤です

物語は最終章です。第20話「消えちゃった約束」の感想。
何度見返しても、切なくなってしまって…………(;_;)

メガミマガジンの最新号に木村監督の談話がありました。
悲しい展開が続きそうです。
小説の方も、今回はピアノが売られちゃったところで終わってました。
強引に終わらせようとしている雰囲気です。
マンガは……そういえばマンガで長老が出てきたの、初めてだったな。

以降、改行ネタは「シュガー」関連にとどめます。
また、おまけも最終回までやんぴ<やるつもりか

サガのはは様イングリット・ベルイマンのネーミングモデルは言わずと
知れた名女優故イングリッド・バーグマンですが(要するに、スペルを
単に北欧語読みしただけ)、バーグマン自身もスウェーデン出身なので、
ひょっとすると本人を模している部分があるかもしれませんね。

"Y. Takizawa" <kick@tenchi.ne.jp> wrote in message
news:a5nt9p$1ad$1@news1.sphere.ad.jp...
> 滝沢です.

20話の話なので、こっちで合わせてフォローします。

> 構図としては劇団シリーズその3と同じなのですが,あの時は
> とりあえずヴィンセントだけを敵視(苦笑)するだけで済んだというか.
> 今回は,グレタにポールにレジーナおばあちゃんに….

あのサガが、本当に人が変わってしまい、自ら周囲と隔絶してしまうとい
う悲劇的な流れになりそう……

> # 前回の救いだったシュガーは次回予告でどう見ても尋常じゃないし(泣).
> # しくしくしく….

泣いてました。悲しい泣き方でしたよね、どう見ても。

> で,今回最も気になったのが『16:00 ちょっと過ぎ』という時刻です.
> 明確には示されていなかったように思うのですが,この時刻ってもしかして….
> # 事故の時が雨だったのも気になる….

なるほど……いわく付きの時刻だったのかもしれませんね。
ポールにその辺の事情を語ってもらいたいところです。

*アバンタイトル
最終章ということで今回からこうなったみたいですね。
前回のラストでは、いきなり店の前にいてピアノがなくなっていることを
目の当たりにするのですが、ここでは、朝起きるところから始めて、リピ
ートしています。
「おはよう、シュガー。学校から帰ってきたら、一緒に行こうね」
「待ちきれないからシュガーも学校に行くよ。早くサガと一緒に演奏した
 いし。ね、いいでしょう?」
「まったくもう……」
「サガのはは様の曲、とってもステキだもん。いっぱいいっぱい演奏した
 いんだもん。サガは違うの?」
「あたしも」

……

「えっ……」
「ねえサガ、ピアノは?ピアノはどこ行っちゃったの?」
「な、なに…………?」

*サブタイトル
CM明けですぐ。これも、アバンタイトルができたためにこういう構成に
なったんでしょうね。

*進路に悩むソルト
ソルトとペッパーが魔法の花について話をしていました。お互いもう開花
は間近であると。
「そうしたらわたくしも一人前の風使い……まあ、何だか恥かしいですわ」
「一人前か……どうしよっかな……」
かねてから雲の自由さに憧れて雲使いになりたいという考えもあって、こ
のまま親の後継ぎになることにいまいち釈然としないものを感じているよ
うですが……そもそも「転職」できるものなのでしょうか?ソルトの進路
も伏線の一つのような気がします。
そこへシュガーが突進。
「サガの……サガのピアノがなくなっちゃったーー!!」
「え……!?」

*サガの悲しみ、シュガーの悲しみ
店内の様子から、サガはピアノが売られてしまったことにすぐに気が付き
ました。
「どうしよう……サガのはは様のピアノ、消えちゃったよ……」
「仕方ないよ……」
「え?」
「あのピアノ、売り物だったんだもん。今まであたしがわがまま言って弾
 かせてもらってたけど……仕方ないよ……」
「サガ……」
「ごめんねシュガー、一緒に演奏しようって約束したのに……」
「ううん、まだ約束は終わってないよ」
「え……」
「まかせて。シュガーが見つけるから、サガのピアノ」
「ちょ、ちょっと、シュガー!」
サガの「仕方ないよ」というときの作り笑顔がとても痛々しいです。無理
していることがすぐにわかります。シュガーもまた、かけがいのない大切
な人だからこそ、役に立ちたいと健気さを見せます。お互いが無理をして
しまっている構図で、切ないですね……(;_;)
「本当は悲しいんだよね、サガ……だって、大好きなピアノだもん……シ
 ュガーだったらきっと泣いちゃうよ……なのに……なのに……サガった
 ら……」
サガの気持ちがよくわかるから、サガの前ではがまんしていたけど、ソル
トやペッパーの前では溜まっていたものをはきだすかのようにサガのため
に涙してしまいます。
「俺もサガのピアノ好きだしな」
「みんなで探せばすぐに見つかりますわ」
みんなで探しに行くことに。
ペッパーにはキッスしなかったけど、ソルトにはキッスしようとするシュ
ガー。

*捜索
まずは楽器店へ。
「ほんとになくなってる、あのピアノ」
「ぽっかり穴が空いたみたい……なんだか寂しいです……」
シュガーは店長に聞きますが、もちろん気づくわけがない。シュガーは腹
立ち紛れに売り物のピッコロをピーッ。もちろん、これも気づくわけがな
く、自然に鳴ったとしか思っていない店長。
あの店長、よく考えてみると今までもCVがなかったな。ずっとこのまま
かな。
その後、ペッパーはスズメに聞き込みをしますが、成果なし。
ソルトも地べたをはって捜索していますが、踏まれそうになり、都合よく
排水溝の溝にはまってしまいます。
シュガーは空から。
「どこ行っちゃったんだろう……サガの喜ぶ顔見たいのに……」
ピアノの音が鳴る方向へ行ってみても、全然別のピアノ。
「これじゃない……どこか遠くに行っちゃったのかな……
 絶対見つけるもん!サガのはは様の曲、サガと一緒に弾くんだもん!」
遠くから見守っている長老も心配しています。
「つらいことにならんといいがのう……シュガーや」

*プレゼント選び
放課後、サガはアンヌ、ノーマとともにグレタの誕生日プレゼントを買い
に店に来ました。ここでサガは初めてアンヌとノーマに、ピアノが売られ
てしまったことを話したようですね。でも、いつもと変わらない様子を見
せて、2人を心配させまいとしてるんです、きっと……(;_;)
そうこうしている間に、時間は夕方4時……いつもならピアノを弾ける時
間ですが……サガは時計を寂しげに見つめています。
ポールも同じ時間、いやちょっと過ぎくらい、腕時計を見つめていました。
いつもならサガがここでピアノを弾いているのに……溜息を漏らし、寂し
げです。みすみすピアノが売られていくことに対して何も出来なかったこ
とへの自責の念もあるかもしれません。

*自宅
サガは今日あった話をおばあちゃんに話しています。普段こういうシーン
がないせいか、余計に無理している様子が伝わってきてしまいます。
「あのねサガ、今日ポールさんから電話があってね……」
「そうだ!グレタのバースデープレゼント買ってきたの。すっごく可愛い
 のよ。おばあちゃんにも見せてあげるね」
しかし、こと話がピアノのことになると、はぐらかしてその場を離れてし
まいます。おばあちゃんも、なんて言葉をかけていいのか、わからない様
子。11話でピアノを何故楽器店に引き取ってもらったのか、その理由を
ポールが話してくれましたが、売ってしまったのはおばあちゃんですよね。
却って罪なことをしてしまったみたいで、後悔しているのかも。
「もう、忘れなくちゃいけないんだよね……」
部屋に入ると、探しまわってくたびれきったシュガーがいました。

*お風呂
最終章に入ってもなお、このシーン、ありますね。最終回までやってくれ
たら、ある意味すごいなあと思います。
「もう、こんなになって、ほんとに大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。それよりもうちょっと待っててね。ぜったい見つける
 から。サガのピアノ」
「……シュガー」
「サガ……」

*誕生日当日
ここでグレタのオヤジが登場するのですが、これが、前回楽器店でピアノ
を買い求めた張本人だったわけですね。後姿とやっと一致しました。話の
流れで展開を読んだ石川さん、お見事。
この親父は銀行勤務だそうですね。それで転勤が多かったということで、
グレタも友達がなかなかできなくて寂しい思いをしていたのだと思います。
サガに「勝負よ」と妙なライバル心を燃やしていたのは、素直になれない
性格や、寂しさを紛らわせるためであることはすぐにわかります。
しかしこの親父、大根役者のようなオーバーな言い回しで、胡散臭くて何
かいやらしい。
この場にはシュガーはいません。ピアノを探しているので。
「シュガーも連れてくればよかったな」

*捜索2日目
シュガーは烏のジョーに追いかけられてました。何とか振り切ったところ
で、ソルト、ペッパーから朗報。
「やったぞ、シュガー!」
「とうとう見つけましたわ」
「え……?」

*プレゼント
フィルからカエルロボット「ケロケーロS」。いやーん、おとうさまー。

*ネコさん情報
ネコから、ご近所にピアノが運び込まれたことを聞いたペッパー。
シーンを短く交互に切り替えているのは、同一時間軸で話が進行している
ことを表していますね。
「なんでも、ピアノは、その家の娘さんへのバースデープレゼントだった
 そうです……」

*運命の悪戯
母の白いピアノを目の前にして……サガは凍りつきました。
「なんで……!?」
さんざんオーバーな言い回しで如何にいいピアノであるかを言い立てた親
父、ますます胡散臭い。大喜びのグレタは軽く鳴らしてみました。自分以
外の人間に弾かれるのを激しく嫌っていたサガなので、ますます身を硬く
してしまいます。
まず軽く弾いてみた3音は、グレタのBGMの出だしですね。細かい。
「あーらサガさん、そんなに気になるの、このピアノが?」
「え……あの……」
「おほほほほほ、お気に召したのならいつでもよくってよ、サガさん。な
 にしろわたくしがお父様からプレゼントされたピアノですもの。
 ですが、その前に……
 どちらがクラス一のピアニストか、勝負よ!
 まずはわたくしから……華麗なる演奏をご披露いたしますわ」
心臓の鼓動が高まり、グレタの指が再び鍵盤の上に置かれようとしたその
とき
「いやーっ!!」
がまんできなくなり、ついもらした一言。
「あの、あたし……ごめんなさいっ!!」
サガはその場を立ち去ってしまいました……(;_;)
「一体どういうことですの?わたくしとの勝負から逃げるなんて。見損な
 いましてよ、サガさん……」
事情を知っているアンヌは、グレタに本当のことを話しました。優しい娘
です、アンヌ。
「違うのよ」
「……?」
「違うのよ、グレタ……」
「え……?」

*ピアノを発見する3人
一方、ネコからの情報を頼りに、グレタの家を捜索する3人。もちろんそ
うとは知りません。そして、ピアノの音がする方へ向かったシュガーは、
やっとピアノを探しあてました。
「あーっ、あったあ!サガのピアノ……」
ピアノの前にはグレタが一人で……アンヌから真相を聞かされて、呆然と
していました。
「なんて運命の悪戯かしら……よりによって、サガさんのピアノが、わた
 くしの家に来るなんて……
 あーんもう、わたくしが悪いんじゃありませんのよ!」
勢い余って鍵盤を両手でボーンと叩いてしまい、すぐに手を引っ込め、鍵
盤をなでなで。
「わ、わたくしとしたことが……
 フン!」
遅れて、ソルトとペッパーがやってきて、この家がグレタの家であること
を知りました。
「わたくしのせいじゃありませんわ……だって今日は、わたくしの誕生日
 ですのよ……」
とても気まずい思いで、罪悪感を感じていることは間違いなくて、しかし
一人で抱えきれなくて、つい自己弁護の言葉を漏らしてしまっているよう
ですね。
親父も罪作りなんですが、うーん、これは一概に誰が悪いとか言えなくて
ねえ……と思ったんですが、言ってみればあれは中古のピアノですよね。
亡くなった名ピアニストの持ち物という曰く付きで売っていたわけじゃな
くて、単なる商品の一つとして陳列していただけだから、中古なんか買わ
ないで新品買えばいいじゃねえか、とすぐに思い直しました。そうだ!や
っぱりあの親父が悪いぞ!次回はグレタがサガに対してどのように接する
のかが一つの見所になります。
公園まで来てしまったサガ、露店商のおっちゃんの声も耳に届きません。
途中でルキーノにばったりと会いました。ルキーノは、どうも事情を知っ
ているかの様子で、サガを励まそうとしますが、視線を逸らしている間に
サガはいなくなってました。

*あの日のこと
そして、ここまできてしまいました、楽器店。
「いつも、いきなりだよね……いきなりいなくなっちゃう……」
あの日のこと……この日は雨でした。時刻まではわかりませんが、サガが
ピアノの練習をしていると、警察が母の事故死を知らせに来たのでした。
横たわる自転車と、プレゼントと思しきミニチュアピアノ……このピアノ
は窓際に置いてある、シュガーの魔法の花の生えているあのピアノですね。
箱から中身が出ているその様から、自動車と激しく接触した様子がうがが
えます。
この雨、このときジンジャーちゃんはまだ見習いだっただろうから、彼女
ではないだろう。
やすらかな死に顔……単に、ちょっと体の打ち所が悪かっただけで命を落
としてしまったんですね……つらいです……(;_;)
「もう、来てくれないかと思ったよ」
「あたし、お母さんの曲、よく間違えた……いつもお母さん、間違えたと
 ころ教えてくれて……『こうやって弾くのよ』って、いつも……いつも
 ……ピアノ弾いてたら、お母さんがそばにいてくれる。そんな気がして
 た……」
「サガ……」
「だから、つい……ポールさんにわがまま言って、ピアノ弾かせてもらっ
 て……でも……でも……」
「サガ……ごめんね……」
「どうして!?どうして売っちゃったの!?」
ピアノが売られてしまうことは、店員の力ではどうにもできないことです
が、いつもピアノに触れさせてしまって、サガの思いを断ち切らせないで
いたことは、結局こういう事態を招いてしまうので、これも言ってみれば
罪作りだったようです……またサガを悲しませてしまったわけだし。店長
があえて冷たく接しているのは、サガにそういうつらい思いをさせないよ
うにという配慮があったんじゃないかなあ……と良心的な解釈を。
いろんなことが頭の中を去来しています。お葬式のこと、ルキーノの励ま
しの言葉、ポールの「ごめんね」、グレタの「わたくしがお父様にプレゼ
ントされたピアノですもの」……
途中でころんで突っ伏してしまいます。空は夕焼け……幼いころに見た、
宙に浮かぶピアノのことを思い浮かべます。
「お母さん……」
あのときも手を伸ばしてピアノをつかもうとしていました。視界に入って
いるものは何でも掴めるという、子供特有の仕草。
何故ピアノが宙に浮いているのかは未だわかりません。最終回への伏線で
あることは間違いないんですけど。

*サガの決意
ピアノのありかを見つけたシュガーは、朗報とばかりにサガに知らせます。
ここでも、シュガーに涙を見せまいとするサガも、転んだサガを気遣うシ
ュガーも健気なんですが……
「聞いてサガ、ピアノ見つけたんだよ」
「……」
「どこにあったと思う?実はねえ……じゃーん!グレタのおうちでしたー!
 ……なんかグレタ、むつかしい顔してたけど……?
 でも、グレタにお願いすれば、いつでも弾きにいけるよね。でしょ?
 よかったね、サガ」
「……よくない」
「え?
 サガ……?」
おばあちゃんは心配で家の外に出ていました。
「あっ、よかった。あんまり遅いから心配したのよ。さあ、すぐに夕飯に
 するからね」
「ごめんなさい、おばあちゃん……」
「サガ?」
「ごめん……あたし、やっぱり……」
サガは自室に篭ってしまいます。
「ね、どうしたの、サガ?レジーナおばあちゃんにごめんなさいって……
 なにか悪いことでもしたの?」
「あたし、決めたの……ピアノを取り戻すって……」
「え?やだなサガ、あたしの話聞いてなかったの?ピアノはグレタのとこ
 ろにあるから、いつでも弾きに……」
「もう何もなくしたくないの!!」
「え……?」
「もう……なくしたくないの……」
「サガ……なんか怖い顔してる……」
こうして、サブタイトル通り、約束は消滅……いや、保留であって欲しい
のですが……
もっとずっと遠くにあるのなら、買い戻そうとは考えなかったのかもしれ
ません。その方が諦めがついていたかもしれません。でも、ピアノがどこ
にあるのかがわかってしまっては、もう放ってはおけない。もう何も失い
たくないと思い込む気持ちは理解できます。でも、その気持ちがサガの全
てを支配していってしまうのは、悲劇です……(;_;)

*総括
これが、2人の間の亀裂の始まりとなるわけですね……サガはきっと、
「もう何も失いたくない」と思い込むあまり、周りが見えなくなってしま
うのかもしれません。母を、ピアノを、そして最終的にかけがいのない友
達を失うことに……予告でのシュガーの涙はそういう涙でしょう……(;_;)
他に気になる伏線としては、予告でペッパーが「旅立ち」と言っていたこ
と。見習い達が一人前になる日が近づいていることの証なのでしょうか。
ソルトが上の空なのは、このまま自分は太陽使いでいいのか、と自問自答
していることを指しているようですね。長老に直訴……とか。

*次回「ひとりぼっちのふたり」
今までのおふざけ予告ではなく、重要なキーワードが隠されてます。予告
にサガが出なかったのも初めてだな。
「変ですね、サガさん。せっかくピアノが見つかったのに。シュガーも元
 気がないですし、なんだか心配ですぅ」
「そうだな……」
「ん?ソルトもヘンテコですね。何か悩み事でもあるんですか?」
「そうだな……は?なんか言ったか?」
「ちっちゃな雪使いシュガー、次回『ひとりぼっちのふたり』」
「いよいよわたくしたち、旅立ちの時です」

--
s.goto

まほろさん「えっちなのはいけないと思います!」
式条   「何言ってるの…えっちしないと、イケないでしょ?」
まほろさん「何の話をしてるんですか……」